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冷やしラーメン

あの夏祭りから5日経った。

夏休みも4日目に入り、朝に寝坊したと勘違いして慌てて起きることもなくなった。

宿題を午前中の涼しいうちにして、扇風機を回しながら家の中でゲームをしたり、本を読んだりして、まったりのんびりとインドアな生活を送っている。

友達が居ないんだから仕方ないじゃない。

とはいっても、夏の暑い日に外に出るのはあまり好きじゃないし、スポーツも得意じゃないから出来ることならしたくないので、こーゆーインドアな生活がむいているのかもしれない。

・・・えーと、ご近所さんの絵里さんなんだけど、あの日以来会ってないどころか、連絡すらしてない。

互いに連絡先は知ってるから、連絡しようと思えばいつでも連絡出来るし、そのへんで会うこともできる。まぁ僕はケータイ持ってないから、窓口は家の電話なんだけどね。別に無くても不便じゃないもん。

とは言ってみたものの、絵里さんと仲良くなってからこんなに長い期間会っていないのは初めてだし、一人暮らしをしているからちょっと心配だった。

ケータイがあれば簡単に連絡をとれたり、メールとか送れるんだろうけど、家の電話を使うとなると、ちょっとした覚悟と勇気が必要になるのだ。緊張もするしね。

そんなチキンな気持ちも手伝って、絵里さんとは連絡をとっていなかった。

そして夕方。

僕は今、夜ごはんの冷やしラーメンのタレを買い買い忘れたという明美さんの代わりに、近くのスーパーに向かっている。

冷やしラーメンって言うのは、本州の人達が言う『冷やし中華』のことね。そういえばラーメンサラダも本州には無いんだとか。人生損してるよねー。

相変わらずの立地条件の不便さのせいでスーパーまで行くのも一苦労だ。自転車で20分ぐらいかかる。

その距離を僕は歩いて行っているのだから、時間がかかるのは仕方ない。

でもインドア生活で鈍ったからだにはウォーキングは最適だったようで、涼しくなってきた空気がとても心地よかった。

毎度毎度バカみたいかもしれないけど、自転車よりも歩くほうが好きなんだ。

絵里さんには『聖ってもしかして自転車乗れないんじゃないのか?』とまで言われたけど、ちゃんと乗れますから。5歳のころに練習して乗れるようになりましたから。ついでに一輪車も乗れるよ。

・・・絵里さんのこと考えたら、なんか会いたくなっちゃったなぁ。

あの日以来、僕は絵里さんに会ってない。

その期間と同じだけ絵里さんのことが頭から離れなかった。

恥ずかしくて顔を合わせづらいっていうのもあったけど、会って絵里さんに告白されたらどうしようという気持ちが一番強かった。

もしもの話だけどさ、うっかりキスしようとしたんだよ?

次に会ったら告白とかされてもおかしくないじゃん。

でも僕は絵里さんのことをそーゆー対象として見たことがないから、なんて答えるのがいいのかわからない。告白されたこともしたこともないから全然わからない。

もしも告白してきたとして、僕がOKしたとするでしょ。でも付き合い方とかよくわからないし、絵里さんのことをそーゆー対象として見ていないのに付き合ってもいいのかなぁとか考えちゃうわけですよ。

逆に、NOと答えたとする。その場合も絵里さんとさらに顔合わせづらくなって、なんだかなぁって感じになる。

そんな感じで悶々と考えながら、気を紛らわすためにゲームとか読書とかしてたんだけどさ、全然答えが見つからないんだよね。

しかもまだ告白されたわけじゃないのに、こんなに考えてる僕って頭おかしいのかぁ?

こんなこと誰にも相談できないし、お父さんと明美さんにバレたらめんどくさい事になりそうだし・・・


「あーっ!!! もうどうしたらいいんだよーっ!!」


僕は頭を抱えて叫んだ。

周りは未開拓地で広いだけが魅力な場所なので、いくら叫んでも迷惑にならない。

そしてもう少し歩くとスーパーが見えてきた。

毎日の40分の登下校で培ったこのウォーキングの力はこんなスーパーまでの距離を歩いてもなんともなかった。なんともないのが普通なんだけどね。スーパーに行くまでにどれだけ苦労してるんだって話。

そして自動ドアの前に立つと、扉が開いて中からエアコンの効いた冷たい空気が流れてきた。


「聖?」


そして聞きなれた声も一緒に聞こえた。

自動ドアの向こうに立っていたのは、今一番会いたいけど会いたくない人物である絵里さんだった。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


会話が無い回です。

なにげにこーゆー回って初めてのような気がします。


次回もお楽しみに!

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