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えっ、いいの?

学校が終わり、いつものように帰ろうと絵里さんの教室の前で待っていた。

すると僕のあとを追うようにして加藤さんもついてきた。


「ん? どうかしたの?」

「あっ、いえ、その・・・私も一緒に帰ってもいい?」


上目遣いで聞いてくる加藤さん。

誰か僕の後ろで倒れたような気がするけど振り返ったら負けだな。


「でも加藤さんの家って反対側でしょ?」


というよりも僕の家の方面からしてみれば、ほとんどの人が反対側になるんだけどね。


「ちょっと絵里さんのおうちに用がありまして・・・」

「絵里さんち?」


そういえば近所とはいえども、まだ一回も行ったことないなぁ。

絵里さんは僕の家に時々ご飯を食べに来る。その時に一回だけ僕の部屋に入ったことはあるけど、その逆はないなぁ。

もしかして家に入れたくないとか?


「それとも二人のイチャラブな帰り道を邪魔するのはダメかな?」

「イチャラブしてないじゃん」

「周りから見てるとそう見えるんですよ」

「えっ! そうだったの!?」

「でも紺野くんの容姿のおかげで『彼氏』彼女には見られてないみたいですよ」


どうして彼氏のとこだけ強調したのかなぁ?


「もしかしたら絵里さんが彼氏だと思われてるかもしれないじゃん」

「だーれが男勝りだって?」

「ひゃぁ!」


背後から聞こえてきたドスの効いた声に、思わず驚いてしまった。

そしてまた変な声が・・・もうどうにかして・・・


「あっ、絵里さん」

「どうかした?」

「ちょっとお願いがありまして・・・」

「お願い?」

「はい。えっと・・・絵里さんの家に遊びに行ってもいいですか?」


ついに加藤さんが開戦の火蓋を切ったー!


「別にいいけど」


あっさり終了ー!


「っていいの!?」

「えっ? なんかあたし変なこと言った?」

「いいんですかー!?」

「うちなんかで良ければ」

「ちょっと絵里さん! なんで僕は入れてくれないのに加藤さんはいいのさ!」

「なに拗ねてるんだよ」

「拗ねてないよ!」

「だって聖はうちに来たいなんて言ったこと無いじゃん」

「あっ」


言われてみればそうかも。

お父さんとか明美さんがウチにばっかり誘うもんだから、絵里さんの家に行きたいって言ったことなかったかも。


「じゃあ紺野くんも行く?」

「いいの?」

「私は全然いいよ。絵里さんは?」

「聖が来たいって言うなら別に止める理由はないぞ」

「じゃあ僕も行く!」



というわけで、絵里さんのマンションへとやってきました。

相変わらずの頑丈な警備と警備員を顔パスで通り抜けて、オートロックの玄関を暗証番号を入力して進んでいった。

ロビーもちょっとしたホテルのようで、高い天井からはシャンデリアなんかが飾ってあります。もう意味がわかりません。


「うわぁ・・・」

「すごいですねぇ・・・」

「何してんだー。置いてくぞー」


絵里さんに呼ばれてエレベーターへと乗り込みます。


グングンと上に昇っていくエレベーター・・・かと思いきゃ、すぐに止まりました。現在4階。

絵里さんが降りていったので、それに続いて加藤さんと一緒に降りた。

廊下を歩きながら加藤さんが耳打ちしてきた。


「もっと上の階なのかと思ってた」

「僕も思った」


絵里さんが一つの扉の前で立ち止まると、カバンの中をガサゴソとして、鍵を取り出しました。

どうやらここが絵里さんの部屋みたいだ。

そして鍵を差し込んで・・・ってカードキーだ! まるでホテルじゃん!!


「まぁ何もないけど、どうぞー」

「「おじゃましまーす」」


ワクワクしながら廊下を進んでリビングへとついた。

リビングの大きな窓には、将来は絶景になるであろう風景が広がっていたが、現段階ではまだ未開拓同然なので、そこまで絶景でもなかった。

それでもこのあたりでは一番大きな高級高層マンションということもあって、部屋自体はとても良いものだった。


「広いねぇ」

「そうですねぇ」

「君らは年寄りか。まぁそのへん座ってよ。麦茶入れるから」


そう言われたら座るしかないので、加藤さんと並んでソファに腰をかける。

二人で並んでキョロキョロしている姿が面白かったのか、麦茶を持ってきた絵里さんが笑い声をあげた。


「アハハハ。なんだ? そんなに珍しいものでもあるか?」

「絵里さんの部屋ってあんまり物ないよねーって思って」

「それは私も思いました」

「まぁそんなに欲しいものもないしな」


リビングだけなのかもしれないけど、物が少なかった。

3人がけと1人がけのソファが一つずつ、テーブル、テレビとそのぐらいだった。

広い部屋にはなんだか殺風景な気もした。


「ふーん」

「絵里さんは一人のとき何してるの?」

「うーん・・・特に何もしてないかな。勉強したりテレビ見たり、彩から借りたマンガ読んだりしてる」


相槌を打とうとしたその時、リビングの奥にあるドアから『トントントン』と音が聞こえた。

僕と加藤さんは驚いたが、絵里さんは思い出したかのように立ち上がると、そのドアを開けた。

そしてそこから出てきたのは、小さなブタだった。

ブタは、嬉しそうに絵里さんの足元をクルクルと回りながら嬉しそうに鼻を鳴らしていた。


「えっ、ブタ?」

「うん。同居人のぶーちゃん」


絵里さんってネーミングセンス無いよなぁ・・・・

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


昨日はおやすみしてしまいすみませんでした。

ミニブタ可愛いです。

大好きです。


次回もお楽しみにー!

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