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終焉のアニマ〜ARで蘇った妹は仮想が現実を侵食する世界の召喚神〜  作者: マシナマナブ
第三章

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インタラクションシステム

「みんな、遅なってもうてすまん! 作戦の説得と準備に、ちぃと時間かかってもうたわ。今なら、現実を侵食するあの攻撃も、だいぶ威力が落ちとるはずや!」


 通信越しに響いたのは、軽快なエビスちゃんの声だった。


「どういうこと?」


 思わず湊が問い返す。


「あの攻撃の正体は、アルカディアの衛星群から照射される高出力レーザーの一点集中攻撃や。百二十基の衛星で、超高精度に同一座標へ照射。一瞬で超高温に達する仕組みや」


 より高精度に位置を特定するためのアルカディアの独自機能として、百二十基の衛星が利用されている。凪はそれらの衛星をドローンの代わりにインタラクションシステムとして利用していた、ということになる。


「これを実現するには、極限まで拡散を抑えたコリメートビームが必要になる。ただそれも超高精度な位置特定のためには必要な機能やから、凪のやつ、うまく誤魔化して組み込んだんやろな」


「……じゃあ、あの仮想から現実への攻撃は、遥か上空から放たれた複数のレーザーの重ね合わせってこと?」


 言ってしまえば単純だが、とてつもない技術だ。衛星を連携させ、アニマの攻撃の当たり判定と完全に連動した攻撃を繰り出しているのだから。だが、確かに説明がつく。


「せや。屋内で使えなかった理由もそこや。建物の中では衛星が正確に座標を取れんし、レーザーも届かん」


 エビスちゃんとのわずかな会話の間に、周囲はすっかり白く包まれていた。


「自衛隊に頼んで、反射性ナノ粒子を混ぜた煙幕を撒いてもろた。光を拡散させる、言うたら『気体の鏡』や。これならレーザーは一点に集束できん。完全に、とは言えんけど、威力は大幅に落ちるはずや。ただし、煙幕は霧散するから長くはもたん――今のうちにケリをつけるんや!」


 湊と結日は短く頷く。

 白い煙と黒い闇が交錯する世界を、二人は駆け抜けた。

 その先に――凪とイザナギ、イザナミが立っている。


「この程度で、私の計画が止められるはずがない!」


 湊と結日の前に、闇が壁のように立ち塞がる。

 後方はイザナギの斬撃。

 もはや逃げ場はなかった。


「人口問題、飢餓問題、環境問題、あらゆる問題を解決するため、仮想でこの地球を覆う……この崇高な、ノウアスフィア計画が妨げられることなど……」


 湊と結日は、互いに一瞬視線を交わすと、闇を真正面から突き抜けた。

 肌を焼くような熱。

 だが、耐えられないほどではない。


「来るな……イザナミ、防ぐのです!」


 凪が叫ぶ。

 イザナミの影が覆いかぶさるように広がった。


 結日はそのまま突っ込んだ。

 直撃を受け、警告音が鳴る。

 ――ヒットポイント、ゼロ。


「……ユイカさん、やられましたよ、ゲームオーバーです!」


 結日を纏うオーラが消え、凪は歓喜の声を上げる。


「残念だけど、もう、これはゲームじゃない!」


 結日は跳んだ。

 ロンダート、バク転、バク転――そしてムーンサルト。

 流れるような軌跡で凪の懐に踏み込み、その踵が凪の顔面を撃ち抜いた。

 凪のアイウェアが砕け散り、凪は地面を転がる。イザナギの姿もかき消えた。


 同時に湊は鈴音の最大の加護で武を強化し、イザナミに飛び込んだ。


「トリプルアクセル!」


 鈴音の高速回転がイザナミの両足を切断。


「超ジャスティス波ッ!」


 武の放つ最大出力のエネルギーが、切り離されたイザナミを吹き飛ばした。

 そして湊は残された闇の破片を光属性アイテムで一つずつ消し去った。

 やがて、煙幕が薄れていく。転がっている凪に動く気配はない。


「アイウェアは完全に壊れてる。もう操作もできないはずだよね?」


「というより……完全に気絶してる。生きては……いるみたいだけど」


 空には再び光が戻り、いつの間にか警察と自衛隊が現場を包囲していた。

 凪は意識を失ったまま手錠をかけられ、タンカで運ばれていった。


 戦争の跡地のように荒れ果てた街に、静けさが戻る。

 湊は小さく息を吐いた。


「……終わったね」


 結日は清々しい笑顔を見せた。


「うん、すっきりしたよ!」


 そして二人はお互いの存在を確認し合うように、手を取り合った。


「また君に触れられたね」

次回、最終話は11/15に投稿予定です。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!


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