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昇華

 「いや~流石に飽きた。」


 「普通はこんなに長い時間戦おうとしたりしないわよ。」


 「そうか?」


 何もない、ただ真っ白な空間に二人、ボロボロな姿で寝転がっている。

 男の名をシュウ・スメラギ、剣神と謳われた男だ。


 「ええ、普通の人はそんなことしないわ(まあそんなところもカッコいいけど。)。」


 シュウにそう答えるのは、アリア・ユグドラシル。ハイエルフで、美しい銀色の髪にアメジストのような瞳、そして男なら思わず二度見するほどのエルフとは思えない豊満な肉体を持つ、剣神と共に魔神と謳われた美姫である。


 そんな二人が話をしながら寝転がっていると、唐突に別の空間へと移動させられた。


 「な、なんだ、魔法か?全く気が付かなかったぞ。」


 「ええ、魔法に関しては誰にも負けないと自負していたのだけど、全く気が付かなかったわ。」


 「ほっほっ、それは魔法じゃないぞ?」


 「「なっ、!?」」


 「いきなりですまんかったのう、儂は世界神。創造神とも言われておるの。」


 「なるほど、世界神か…神というのは実在したのか。」


 「そんな世界神様が何か御用ですか?」


 「うむ、まずお主らが封印されている空間じゃが、あと少しで崩壊するじゃろう。」


 「ええ、それは私もだいたい分かっていましたわ。」


 「え、そうなのか?」


 「流石、魔神じゃの。わかっているとは思うが空間が崩壊するとお主らが元居た世界にも影響が及ぶ。そこで儂が介入したわけじゃ。しかし時空魔法にも精通しているお主ならこんな空間脱出できると思うのじゃが。」


 「それはあの人を置いていくことになるからよ。」


 そう言ってシュウの方をチラッと視線を送る。


 「?」


 しかし肝心のシュウは何のことだかわかっていない。


 「なるほどのう、次に儂からお主らに頼みたいことがあるのじゃ。」


 「「頼み?」」


 「うむ、一度転生をしておる剣神のお主ならわかっておると思うのじゃが、お主らが元居た世界の他にも数多くの世界が存在しておる。」


 「な、知っているのか。」

 

 「そうなの?」


 「ああ、俺は別の世界に居た記憶がある。」


 「うむ、そこでお主らには正真正銘の神となってこの世界を管理してほしいのじゃ。」


 「なぜ俺らを選んだんだ?」


 「お主らの格が、人類という存在を超越している点と、単純に儂と自然発生した神だけじゃと管理が大変なのじゃ。」


 「神は自然発生するのかしら?」


 「うむ、儂が神の用意した神の枠の中から極まれに発生する場合があるのじゃ。お主らも普通なら神へと存在を昇華させるときにその枠の中から選ばれるはずじゃが、もしかするとお主らはその枠すら超越してしまうかもしれんのう。」


 「超越したらどうなるんだ?」


 「儂と同類、いわゆる超越神というものになるのじゃ。さて、わしの頼みを受けてくれんか?」


 「管理っていうけど、実際に何をするのかしら?」


 「なに、ただ稀に現れる世界に害のある存在を排除してくれるだけで十分じゃ、後は地上に降り立って生活しても良いし、神界で暮らしてもよい。」


 「世界が壊されたら嫌だからな、なるよ、神に。」


 「あなたがそう言うなら…私も受けるわ。」


 「別に無理に「何か?」…なんでもありません。」


 (こえぇぇぇ、転生してから怖いと思ったことなんて一度もなかったが、初めて恐怖を抱いた。)



 「うむ、それではお主らを昇華させるとしようかの…ほれっ。」


 気の抜けるような声と共に二人は意識を落とした。


 「ん、ここは…。」


 頭の裏に柔らかい感触があり、誰かに頭を撫でられている。


 「あら、起きたのね。」


 アリアに膝枕をされているようだ。


 「なんで膝枕を?」


 「あら、嫌だった?」


 そう言って妖艶に微笑むアリア。


 「べ、別に。」


 シュウは顔を赤くして、思わず視線を逸らす。


 『微笑ましいのお。』


 突然頭の中に世界神の声が響いた。


 「おっ、念話か。」


 『うむ、元の空間に戻したのじゃ、それよりお主ら、予想通り超越神になったのう。』


 「確かに以前よりも力がみなぎるし、俺の闘気や魔力とは違う別のエネルギーが体内に増えてるな。」


 『うむ、それをわしらは神気と呼んでおる。神気は魔力や闘気の上位の力で魔力や闘気に変換することもできるし、そのまま使えば概念すら操ることも出来る力じゃ。まあ超越神ぐらいじゃないと概念を操ることなんてできないのじゃがな。』


 「それは凄いな。」


 『うむ、他の世界に行っても構わんが、行くときはわしに言ってから行くのじゃぞ。後、地上の者達に神とバレないようにするのじゃ、人とは欲深い生き物じゃ、神になって感覚が変わっておるから大丈夫だとは思うが。』


 「ええ、ありがとうございました、世界神様。」


 「ありがとう!!」


 『うむ、それじゃあの。』


 そう言って念話が切れた。


 「さて、ここから脱出するか。」


 「その前に伝えておきたいことがあるのよ。」


 「ん、なん!?」


 いきなりアリアがシュウへと口づけをする。


 「あなたが好きよ。」


 「は!?何で?」


 「一目惚れだったの、戦場に出ていた時に初めてあなたと会ったときにね。」


 「じゃあ何で俺と戦ってたんだ?」


 「それはあなたが戦いが好きって聞いたから…私本当はあまり戦うのが好きって訳じゃないのよ?」


 「そ、そんな理由で…」


 「それで、あなたはどうなの?私のこと好き?」


 そう言ってアリアは豊満な胸を強調させ、上目遣いで聞いてくる。


 「うっ…し、知らん。」


 「そうなの?まあ、逃がさないけどね?」


 舌なめずりをしながらシュウを押し倒す。


 「お、おい、やめっ、アァァ~~~~~。」


 ナニが、とは言わないが、激しかったとだけ言っておこう。


 


 




 

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