天使長と天使って同じじゃないの
1
天界ではたくさんの天使たちが
行き来し忙しく働いていた
「今日までですよ。早くしてください」
「わかっているよ」
やれやれと一人の天使がぼやきながら
歩いていく
良く天使は翼があるとか言われている
実はそんなものはなく見かけは人と同じ体をしている
天界は肉体がないから重力のようなものが
働かないので翼がなくても空を飛んでいるのと
そう変わらない
そもそもイメージで何もかも創造できる世界でもある
ある条件さえ満たせば
実際のところ翼に関しては
好みによってはイメージして
具現化している天使ももちろんいる
まあ遊び心みたいなものだ
そもそも天使に翼があるのかどうか
そんなことは二次的な特徴でしかないのだろうし
天使の一人であるウリエルは
そんなことをしない
なぜなら彼は天視長の一人だからだ
気品高い天使長は見かけ重視の威圧は
好まないので
天使長は翼が全員ないのである
(下界か嫌だな、いくらミッションだからといっても
なんか気がのらない)
その理由は明白だった
それは彼のいうことを聞いてくれる人が
少ないからだ
だからこの役割どれだけの意味があるのか
そんなことを常日頃思ってしますことも多かったのだ
(認知できないものについて放っておこうと
そんなことをいった人間がいたがそうされると
私は困るんだよな)
ウリエルの役割は黙示をもたらすことや
預言を与えることだったから
そういう訳のわからないものは人に
認知されないためウリエルは役割を
持って下界にいっても何にもならないことが
多かった
(また彼のところにでもいってみるか)
天使の使命とは残酷なものである
ちなみに黙示とは未来起こることを
意味不明な象徴で示すことだ
それを理解するには特別な象徴言語に
対する理解が必要になってくるのだが
ほとんどの黙示は解けないの内容のまま
時代が過ぎていくものだった
2
「それでどうなったんですか」
美麗と名高い天使の一人アマクエルは
役割こと大したことはないが天使長ミカエルの
直属の天使だった
彼ら天使は全て男性であるが
中には女性のような中性的な容姿のものが
多かった
アマクエルはその中でも天界でも有名な
中性的な天使である
人間に描かれた美しい天使のモデルは
ほとんど彼といってもいいぐらいに…
「まあどうってことはないよ」
ウリエルは手を広げてみせた
「まあいつものことさ。人間は私のことなど見もしない
君らの方がその意味ではいいよな」
「まそうですけれど、でも私たちは
意味のあることを伝える役割はいたしませんから
そのウリエルさんの方がやりがいもそして
価値も高いですけれど」
まあそんな事実慰めにもならない
「反応がないことって
どれだけ寂しいものなのか
君たちにはわからないのだろうな」
これはウリエルがよくいう言葉だった。
それに長く時間をかけて説明することもできない
事情が天使長という役割にはもちろんある
会社の社長といっしょで彼らは基本忙しい
大きな全体的な役割を担っていてウリエルには
細かく指導したり示したりすることができないでいる
そんなもどかしさもあるのだ
また天使たちは実は一つの実体しかないから
天使長は数えるほどしかいない
天界での役割もあるし下界の人間たちに
メッセージを伝えるにしても
一つのところに時間も制限された形で
いくことしかできないのだ
まあ事が大きくなればなるほど
天使たちは自由に人や場所も選べない
何度かいって折角理解してもらえそうな
個体に出会っても
他のミッションがあればそちらを優先
せざる負えない
天使には自由がある意味ないのである
これは天使界あるあるなのだが
多くの天使長の目撃談があったりするが
それらの多くは天使と天使長を勘違い
しまっていることが多い
人はそれだけ天使そのものを
はっきりみることもできない
そんな状態でもあるので起こる錯誤だ
そんなことで見えない聞こえないが
インスピレーションとして
あたえられたそのことのほとんどが
天使による誘発作用であるのに
関わらず
人はそれを脳への刺激とすら
思っている
だからたとえ天使のことを認識してくれても
ミカエルのなんたらにいる天使アマクエルですとか
いったところで
そもそも人との交信も実は曖昧で
具体性があまりないほど繋がりにくいものだから
受けての人はミカエルということだけ
覚えているのが精いっぱいだったりするのだ
なので単に天使の一人に合ったのにもかかわらず
天使長から何か受けたと感違いする人も多かったり
(まあそれでも天使の言葉に聞く耳をもってくれるだけでもいいのだけど)
ウリエルはそう思ったりする。
3
「アマクエル今回は何か面白いことがあったんだって」
{ああ、みよりさんのことですか」
「そうそうラファエルから聞いたんだけど、君が今回初めて
みよりさんのところにいったら天使長ミカエルと勘違いされたんだって」
そうウリエルがいうことにアマクエルは
両手を広げていぶかしがった
「まあそんなのいつものことでしょう。それが問題じゃないのですが
なぜか彼女が不思議なことをいうんですよ」
みよりというのは日本にいる天使が前々からいろいろ活動して
啓蒙している一人の女性なのだが
彼女には複数の天使が関わりをもっているという
ある種特異な存在であるのだが
なので大きな目的の度にいろいろな天使がいく
そんな恵沢に恵まれた女性である
「天使さんどうして私のようなところによく来られるのですかと
彼女がいったんです」
エーいう声が聞こえて、アマクエルは横から急に割り込んできた
一人の天使の姿をみてかしこまってしまい言葉を続けられなくなった
よく見ると、そこら中にいた天使たちが敬礼をしていた
その声をあげた天使は特別な天使のようだった
「おいおい私とはとんでも違う扱いだなガブリエル」
「いやそういうわけではないですよウリエル様」
アマクエルは少し申し訳なさそうに伏目で言ったが
下はペロッとだしていた
もちろんウリエルは天然なのでそれには気が付かなかったが
あれ今まで様なんかつけていなかったのに何をいまさらと
内心思った
「あなたも天使長でございます。私達は敬意を払っているですが
あなたがそれを嫌がるだけじゃないですか」
「けれどね、ガブリエルには手のひら返したように
その態度はなんなのかな」
「まあそんなにいじめるなよウリエル
それよりもそのみよりっていう人物は何なのだね
昔私がどこかで見た光景のようだな
人は我々を恐れたり、出会ったことを自慢げにおもったり
そうする人は多いが
天使にあったり天使の声を聞いたりすることに
その人は余り意味を感じていないか
とてもかしこまって受け止めている
そんな風にも聞こえるのだが」
アマクエルは敬礼をといてガブリエルにむかっていった
「彼女は私をミカエル様と勘違いしていましたが
実は他の天使長様がよく彼女のところにきていたから
普通天使は一人だけしかこないとそう思っていたらしく
そんな現実をいぶかしがったという訳なんです」
「なるほど」
「けれど最後に彼女がそう自分が対して霊能力もなく
天使の声を頻繁に聞くわけでもないのだし
未来予知なんかできるわけもないから
こんなに頻繁に天使が私に関係を持つのは
おかしいと思った末の結論として
実に天使の私と天使長の例えばウリエルさんとかが
まるで違うものではないのかという
天使長と天使との違いを理解したみたいに
いうんですよ
そんな人間にあったのは初めてでしたから
少し驚きました」
アマクエルはそういった
「えー何だって」
「そうです言われてみると
私達も彼らが私達をどう理解しているのか
少し疑問も持っていました
私達はメッセージを伝えることや
人間たちにすべきことを主から伝えられているから
それをするだけで本来いいのですが
実は彼女が特別ではないんじゃないかと思って
つまり人は天使と天使長の違いを理解していない
そういう状態じゃないのかと
そんな風に思えたのです
前々から私も腑に落ちないことが結構あったんですが
ガブリエル様も思い当たる節があるかと思いますが
私を含め全ての天使は天使として人のもとにいくと大抵
特別な何かと勘違いされてしまうことが多いのです
人間は天使は妖精かもしくは聖霊や精霊などのように
役割が分かれていているという複雑な捉え方は
していなくて結構アバウトなのかと思うのです
実際のところよく見えるわけでもありませんし
それに私達が話したことをそのまま直接に
聞こえることがあったとしても
一方的なことも多いので
実際天使長様たちがいかなくても天使長様たちが
きたのではないかと確かに勘違いされているように
思えることも多いです
本当のところは私達しかほとんどいっていないのに
天使長の霊示などと語られていることも多いです
まあ名称は多々ありますが
本来天使長様方はそうそう一人の個体に意味もなく
何度もいったりもしないのが実際のところですし」
アマクエルちらっとウリエルに視線をうつしたが
ウリエルは知らん顔をしていた
「彼女はその事実をかんじとれたのか私を天使長だと勘違いしていて
だけど違う天使長がくるのはおかしいと思って
最初は悪魔かと思い
まあガブリエルさんのこともありますから
変に思っていたんですが
その後もちろんですが私が天使的なことしかしないから
おかしいと感じ
あー天使長って人の前にほとんど現れないんですね
あなたは天使だったんですか
そう言ってきたんですよ」
ガブリエルは目を丸くしてびっくりしていたが
その後ろにいたウリエルが言ってきた
「まあたまにはそういう人もいますよ
ガブリエルさんは逆に強面だから人はサタンだと
思ってしまう人も多いですけどね」
そんな嫌味を言われてガブリエルは少し機嫌が
悪くなったようである・
肩に手をのせてきたウリエルの手を
自分の手でたたいて振りほどいた
「またその話ですか
でも聞き及んでいますよ
それよりなぜあなたはみよりっていう人に
入れ込むんですが
私がユダヤではしためと自分をいったマリアなどと
比べるとどうも貧相な感じばかりするんですけれど
それにあなたも天使長でしょう
同じ人ばかりにいくのもおかしいんじゃないですか」
まあまあとなだめるようにウリエルはいった
「私達天使の役割は主の願いを人に伝えることなどがメインですが
ガブリエルさんみたいに私は人間に合わせて具体的に伝えるように
主から言われていない啓示の天使なんです
だからほとんど私はあなたと違って
無視されます理由はお分かりでしょう
私の言葉はわかりづらいからです
だから可能性のある人に多く当たってしまうのは
仕方ないことなんです」
「まあわかっているよ
そんな女性なら私も興味あるんですけれどね何回かいったとき
完全に無視されましたよ。天使には対応してウリエルには対応するのに
どうしてなんでしょうかね」
あきれた風にガブリエルは言った
それに逆に驚いてウリエルは答えるのだ
「あんたは彼女の迷いを考えずに直球でいくからです
だから彼女はそれを悪魔だと思っています」
「それは御大層なことだ」
「だからいったでしょう天使のようにいくことも重要なんですよ
あなたは自分ができる人だと思っているし
それに私より各位が上で与えられている役割もさらに重要なものだから
やんわりと黙示や例示で諭す役割の私のように相手できないだけです」
そんなもんかいとガブリエルはいってどこかにいってしまった
4
「ウリエルさん彼女は天使と天使長の違うがわかったといっていました
きっと次ウリエルさんがいくとき何か違ったことになるんじゃないかと
そうも思えますよ」
「そうかもしれないね
区別ができるうようになることで次のステージも立てる
確かにそうかもしれない
ただどうして天使長と天使の区別がつけたんだろうか」
「事実に向き合って傲慢なら想いから彼女なりに
解放されたようです
まあガブリエルさんも訪ねていることを彼女はウリエルさんがいうように
知らないでしょうけれど天使がいくのは
私が今回初めてなんですが
彼女もウリエルさんも
黙示の扱いをどうにもできないと悩んでいたらしく
新しい天使つまり天使長と繋がれないかとそう感じていたようですが
それで実際私がちょっとした用事で彼女のもとに遣わされたとき
気がついたようです
こうぽろぽろと違う天使長が来ないはずだと
ガブリエルさんのせいで私など天使のことを
悪魔を思われ私のこともそう思いかけていたようなんですが
けれどはたと気づきました
天界には天使もいると
つまり天使=天使長だと彼女は思っていたらしけれど
天使である私がいったので何か雰囲気から悟ったのか
その結論にいたったらしいです」
「そうなんだなるほどね」
ウリエルは納得したようだった。
「けれどそういえばおかしいですね
なぜお二人の天使長が訪ねていくなんてことが
一人の人にあるのでしょうか
それも不思議なんですが
そんなことがあるのに彼女はごく普通に
生活しているのも変じゃないですか
天使長が尋ねるってことはよほど
重要な役割でしょう
数少ない天使長がわざわざいくのですから
することがたくさんあるにもかかわらず」
「まあそうだね」
「ガブリエルさんでなくても私も不思議に思います
なぜそうまで入れ込んでいるのかって」
「まあ彼女はよくある例の家系の子孫だから」
「いやそれだけではないはずです」
「まそうなんだけどね
その理由は単純だよ」
「何ですかそれを知りたいです」
「まあその内話すよ
それよりもこの次の魔をさけるために
人間たちにいろいろしないといけないことがるだろう
みよりさんのことは私にまかせて
次の役割をしてきなさい」
「そうですか
きっといつか教えてくださいね」
「もちろんだよ今はだめだけど
いつ話よ」
ウリエルはそういって去って行った
アマクエルは実はある程度は推測は
ついていたが
それを確認したかったのである