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ヒロインの出番を潰してしまいました!

作者: 下菊みこと

気がついた時には既にヒロインの出番を潰していました

はじめまして、こんにちは。私、ルナリア・アステルです!一応準男爵令嬢やってます!準男爵家なので正式には貴族ではないんですが、その分裕福な商家です!そんなお家に生まれた私は両親や兄に似て、お金儲けが大好きです!偶然降って湧いたアイディアで、今日もお金儲けをしています!


私のお金儲けの始まりは五歳の時。ある日、傷んでだめになったお野菜をもったいないなぁと思いまじまじと見つめていたところ、ふと天啓を得ました。“冷蔵庫”というものが頭の中に浮かんだのです。仕組みこそ自分でもわからなかったものの、その素晴らしいアイディアは私を突き動かすのには十分でした。錬金術と魔法を組み合わせて使い、冷蔵庫を生み出すと、それを動かすために使う魔力石を差し込み、お父様の元へ持って行ったのです!


お父様とお母様、お兄様は冷蔵庫をまじまじと見つめ、使用してみて、使い勝手を確認するとこれは売れる!と踏み、私の魔力が枯渇するまで作りまくることを許してくれ、アステル商会で目玉商品として売り出してくれました。幸い私の魔力はこの国随一。国内外の貴族達に行き渡るだけの冷蔵庫を作りまくれました。国内の貴族には安く、国外の貴族にはぼったくりレベルのお金で売りつけ、利益の内10%をお得意様である教会へ、10%をお得意様である国王陛下へ、10%を将来お得意様になるかもしれない孤児院の子供たちへ寄付しました。


そして我が家は、貿易によって国を豊かにし、国や教会に多額の寄付をした功績によって男爵家に引き上げられ、晴れて貴族の仲間入りをしました!


男爵位の授与式の日。私達は王城に招待され、男爵位を授与されました。その帰りに、私は可愛らしい男の子とぶつかりました。ごめんね、と謝ると彼はこう答えました。


「ぶれいもの!おれはだいにおうじのグエンダル・フィリップだぞ!ひざまずいてこうべをたれよ!」


すかさず私達一家は跪き首を垂れ、グエンダル殿下に改めて謝罪をしました。


すると、グエンダル殿下の後ろから王太子殿下が出てきて、グエンダル殿下の首根っこを掴みひょいと持ち上げました。


「わあっ、あにうえ、おろしてください!」


「だめだよ。悪い子にはお仕置きだ。全く、誰にあんな下品な言葉を吹き込まれたの?可愛らしいレディに言うことではないだろう?」


「う、そ、それは…」


可愛らしいレディ、のところでグエン殿下は真っ赤になってしまわれました。おやおや?これは?と思っていると、グエン殿下は暴れて王太子殿下の腕から逃れ、おまえのせいであにうえにおこられた!おぼえていろ!と言って逃げて行きました。王太子殿下にはごめんね、気にしないであげてくれ。あの子には友達が少ないんだ。取り巻きはいるけどね。だから、あの子と仲良くしてやって欲しい、とのお言葉をいただきました。


次のお金儲けは六歳の時。ある日ふと冷蔵庫の冷凍庫機能について考えました。これは“冷凍食品”を作れるのではないかと。そしてそれを広めるためには、解凍するための便利道具、“オーブンレンジ”が、必要になるのではないかと。というわけで早速試作品を錬金術と魔法を組み合わせて使い生み出し、それを動かすために使う魔力石を差し込み、お父様の元へ持って行ったのです!


お父様とお母様、お兄様はオーブンレンジをまじまじと見つめ、使用してみて、使い勝手を確認するとこれは売れる!と踏み、私の魔力が枯渇するまで作りまくることを許してくれ、アステル商会で冷凍食品と抱き合わせで目玉商品として売り出してくれました。国内の貴族には安く、国外の貴族にはぼったくりレベルのお金で売りつけ、利益の内10%をお得意様である教会へ、10%をお得意様である国王陛下へ、10%を将来お得意様になるかもしれない孤児院の子供たちへ寄付しました。


そして我が家は、貿易によって国を豊かにし、国や教会に多額の寄付をした功績によって子爵家に引き上げられました。お兄様はよくやった!と私を撫でくりまわしました。でも私は、お金儲けが上手くいったことの方が嬉しかったです!


そして子爵授与式の日、再びグエンダル殿下と再会しました。


「おい、お前!僕をおぼえているか!?」


「ご機嫌よう!もちろん覚えています!グエンダル殿下!」


私が笑顔でカーテシーをすると、グエンダル殿下は顔を真っ赤にし、硬直しました。ふふ、わかりやすくて可愛らしいです!


「ふ、ふん!まあ当然だな。おいお前!名前はなんという!」


「ルナリアです!ルナリア・アステル!」


「そうか。ルナ!喜べ!僕が友達になってやる!」


ふふん、と偉そうに胸を張るグエンダル殿下。まあ実際偉いのですけれど。可愛らしいですわ。


「嬉しいです!よろしくお願いします!」


「たまにアステル領に遊びに行ってやる!喜べ!」


「光栄です!ありがとうございます、グエンダル殿下!」


にっこりと笑って歓迎すればグエンダル殿下はまた顔を真っ赤にして硬直します。やっぱりわかりやすい。可愛らしい殿下とお友達になれて嬉しいです!


次のお金儲けは七歳の時。ある日ふとメイド達の仕事について考えました。“自動で動く掃除機と水拭き機”があればメイド達にもっと他の仕事も任せられるのではないかと。というわけで早速試作品を錬金術と魔法を組み合わせて使い生み出し、それを動かすために使う魔力石を差し込み、お父様の元へ持って行ったのです!


お父様とお母様、お兄様は自動掃除機、自動水拭き機をまじまじと見つめ、使用してみて、使い勝手を確認するとこれは売れる!と踏み、私の魔力が枯渇するまで作りまくることを許してくれ、アステル商会で抱き合わせで目玉商品として売り出してくれました。国内の貴族には安く、国外の貴族にはぼったくりレベルのお金で売りつけ、利益の内10%をお得意様である教会へ、10%をお得意様である国王陛下へ、10%を将来お得意様になるかもしれない孤児院の子供たちへ寄付しました。


そして我が家は、貿易によって国を豊かにし、国や教会に多額の寄付をした功績によって伯爵家に引き上げられました。お母様は貴女は天才だわ!と私を抱きしめてくれました。私は、とってもアステル家の娘としてとても誇らしかったです!


そして今日もグエンダル殿下が遊びに来ました。去年のあの日から、グエンダル殿下は度々アステル領に遊びに来てくださっているのです。


「ルナ!遊びにきたぞ!」


「グエンダル殿下!またいらっしゃってくださって嬉しいです!」


私が笑顔で出迎えると真っ赤になって硬直するグエンダル殿下。相変わらず可愛らしいですわ。


「ふ、ふん。その、なんだ。俺のことはグエンでいい。殿下も要らない」


「…では、グエン様?」


私が小首を傾げると、グエン様は鼻血を出して、その日はすぐに帰って行きました。


次のお金儲けは八歳の時。ある日またメイド達の仕事について考えました。“全自動洗濯機、全自動乾燥機、アイロン”があればメイド達にもっと他の仕事も任せられるのではないかと。というわけで早速試作品を錬金術と魔法を組み合わせて使い生み出し、それを動かすために使う魔力石を差し込み、お父様の元へ持って行ったのです!


お父様とお母様、お兄様は全自動洗濯機、全自動乾燥機、アイロンをまじまじと見つめ、使用してみて、使い勝手を確認するとこれは売れる!と踏み、私の魔力が枯渇するまで作りまくることを許してくれ、アステル商会で抱き合わせで目玉商品として売り出してくれました。国内の貴族には安く、国外の貴族にはぼったくりレベルのお金で売りつけ、利益の内10%をお得意様である教会へ、10%をお得意様である国王陛下へ、10%を将来お得意様になるかもしれない孤児院の子供たちへ寄付しました。


そして我が家は、貿易によって国を豊かにし、国や教会に多額の寄付をした功績によって侯爵家に引き上げられました。お父様はさすがは私の娘!と私を抱き上げました。みんなのお役に立てて何よりです!


「ふん。アステル家もついに侯爵家に格上げか。ルナ、俺の婚約者になる気はないか」


それは第二王子殿下の一世一代の大勝負。求婚でしたわ。幼いながら、その眼差しは真剣なもの。であれば、私も正面から受け止めますわ。


「…グエン様」


「ああ」


「私はグエン様のことが好きです」


「…!では!」


「ですが、それは友達としての感情。恋愛対象としてではありません」


「…っ!」


グエン様は硬直します。顔が真っ青です。


「ですから」


「え?」


「これから、一緒に過ごしていく中で、グエン様を本当の意味で愛することができるかどうか、自分に問うていきたいと思うんです」


どうでしょう?と私が聞くと、グエン様は泣きながら笑って、うん、と言ってくださいました。


次のお金儲けは九歳の時。ある日通信魔法について考えました。通信魔法は使用できる条件も限られ、たくさんの魔力が必要です。“固定電話”があれば一々通信魔法を使わなくて済むし簡単なのではないかと思いました。というわけで早速試作品を錬金術と魔法を組み合わせて使い生み出し、それを動かすために使う魔力石を差し込み、お父様の元へ持って行ったのです!


お父様とお母様、お兄様は固定電話をまじまじと見つめ、使用してみて、使い勝手を確認するとこれは売れる!と踏み、私の魔力が枯渇するまで作りまくることを許してくれ、アステル商会で目玉商品として売り出してくれました。国内の貴族には安く、国外の貴族にはぼったくりレベルのお金で売りつけ、利益の内10%をお得意様である教会へ、10%をお得意様である国王陛下へ、10%を将来お得意様になるかもしれない孤児院の子供たちへ寄付しました。


そして我が家は、貿易によって国を豊かにし、通信技術を確立して、国や教会に多額の寄付をした功績によって準公爵家に引き上げられました。ちょうどその日、孤児院の子供達が私達一家の元までいつもありがとうございますとお礼のお手紙をくれました。お金儲けは世界を救うのです。


そして今日もグエン様は我がアステル領に遊びに来ました。


「俺の嫁になる覚悟は決まったか?ルナ」


「もう!グエン様は気が短すぎます!私はもっと真剣に考えたいのです!」


私がそう言うと、グエン様は不敵に笑います。


「ふん、そうかそうか、俺との将来を真剣に考えたいか!」


グエン様は嬉しそうです。


「もう、グエン様ったら」


私はそう言いながらも、グエン様に少しずつ絆されていくのがわかりました。


次のお金儲けは十歳の時。ある日また通信手段について考えました。“テレビ”があれば一々一人一人に通信魔法や固定電話を使わなくて済むし、良いアイディアなのではないかと思いました。というわけで早速試作品を錬金術と魔法を組み合わせて使い生み出し、それを動かすために使う魔力石を差し込み、お父様の元へ持って行ったのです!


お父様とお母様、お兄様はテレビをまじまじと見つめ、使用してみて、使い勝手を確認するとこれは売れる!と踏み、私の魔力が枯渇するまで作りまくることを許してくれ、アステル商会で目玉商品として売り出してくれました。国内の貴族には安く、国外の貴族にはぼったくりレベルのお金で売りつけ、利益の内10%をお得意様である教会へ、10%をお得意様である国王陛下へ、10%を将来お得意様になるかもしれない孤児院の子供たちへ寄付しました。


そして我が家は、貿易によって国を豊かにし、通信技術を確立して、国や教会に多額の寄付をした功績によって公爵家に引き上げられました。私、凄くないですか?


そして今日、いよいよグエン様に返事を返すことにしました。


「グエン様」


「ああ」


「お待たせしました。今日、あの日のお返事をさせていただきます」


「わかった」


「…愛しておりますわ」


「では!」


「でも、少しだけ婚約者内定は待っていただきたいのです」


「?なぜだ?俺達は両思いなのだろう?」


「ええ、ですから、ぽっとでの公爵令嬢ではなく、勲章をたくさん持つ立派な公爵令嬢になってグエン様のお嫁に行きたいのです」


「…!」


グエン様は、顔を真っ赤にし、わかった、待つ、とだけ言って逃げてしまいました。やっぱりグエン様は可愛らしいです!


次のお金儲けは十一歳の時。ある日事務作業について考えました。“パソコン”があれば簡単に事務作業が行えるのではないかと思いました。というわけで早速試作品を錬金術と魔法を組み合わせて使い生み出し、それを動かすために使う魔力石を差し込み、お父様の元へ持って行ったのです!


お父様とお母様、お兄様はパソコンをまじまじと見つめ、使用してみて、使い勝手を確認するとこれは売れる!と踏み、私の魔力が枯渇するまで作りまくることを許してくれ、アステル商会で目玉商品として売り出してくれました。国内の貴族には安く、国外の貴族にはぼったくりレベルのお金で売りつけ、利益の内10%をお得意様である教会へ、10%をお得意様である国王陛下へ、10%を将来お得意様になるかもしれない孤児院の子供たちへ寄付しました。


そして我が家は、貿易によって国を豊かにし、事務作業を簡略化し、国や教会に多額の寄付をした功績によって勲章をいただきました。私、所謂チートなのでは?


「勲章を貰えたな!嫁に来い!」


「まだまだこんなものでは足りません!私ももっと頑張りますのでグエン様も少しは待ってください!」


「うぅ…はやく俺だけのルナにしたいのに…」


「大丈夫です!もう既に私達はお父様、お母様、お兄様も公認の仲です!グエン様だけの私です!」


「ルナ…!」


「グエン様…!」


「はいはい、そこ私達の前で惚気ないでねー」


お兄様に邪魔をされます。もう、お兄様ったら。


「む。すまなかった。続きはルナの部屋でしよう」


「ちょっとそこ、自然な流れで私の可愛い妹に手を出そうとしない」


グエン様はてへぺろをする。可愛らしいです。


「あれが可愛らしいと思える辺り、私の妹も大概だな…」


次のお金儲けは十二歳の時。ある日また通信手段について考えました。“携帯電話”がいつでもどこでも通信手段を確保出来るし、良いアイディアなのではないかと思いました。というわけで早速試作品を錬金術と魔法を組み合わせて使い生み出し、それを動かすために使う魔力石を差し込み、お父様の元へ持って行ったのです!


お父様とお母様、お兄様は携帯電話をまじまじと見つめ、使用してみて、使い勝手を確認するとこれは売れる!と踏み、私の魔力が枯渇するまで作りまくるのを許してくれ、アステル商会で目玉商品として売り出してくれました。国内の貴族には安く、国外の貴族にはぼったくりレベルのお金で売りつけ、利益の内10%をお得意様である教会へ、10%をお得意様である国王陛下へ、10%を将来お得意様になるかもしれない孤児院の子供たちへ寄付しました。


そして我が家は、貿易によって国を豊かにし、通信技術を発展させ、国や教会に多額の寄付をした功績によって勲章をいただきました。私、万能の天才なのでは?


「勲章が増えたな!今度こそどうだ!」


「あと一つだけ勲章を得られたらいいです!」


「そうか、しっかり励め!あまり俺を焦らすな」


うるうると、切なそうな瞳でそう言うグエン様。


…いけない。新しい扉を開くところだった。


次のお金儲けは十三歳の時。ある日インターネットの新しい活用法について考えました。“動画投稿サイト”を作れば新しいエンターテイメントが生まれるのではないかと思いました。というわけで早速試作品を魔法を使い生み出し、それを動かすために使う携帯電話を片手に、お父様の元へ持って行ったのです!


お父様とお母様、お兄様は動画投稿サイトを使用してみて、使い勝手を確認するとこれは売れる!と踏み、私の魔力が枯渇するまで動画投稿サイトを広げ広告を出すのを許してくれ、アステル商会で目玉商品として売り出してくれました。国内の貴族には安く、国外の貴族にはぼったくりレベルのお金で売りつけ、利益の内10%をお得意様である教会へ、10%をお得意様である国王陛下へ、10%を将来お得意様になるかもしれない孤児院の子供たちへ寄付しました。


そして我が家は、貿易によって国を豊かにし、生活水準を向上させ、国や教会に多額の寄付をした功績によって勲章をいただきました。私、もはや敵なしなのでは?


そして勲章授与式の後、急にグエン様が私の手を引いて国王陛下の元へ行きました。ついにこの時が来ましたね!


「父上…国王陛下、お話があります」


「ああ、どうした」


「俺っ…私はここにいる、ルナリア・アステルと婚約したいと考えています」


「ほう」


なるほど、と国王陛下は顎を撫でます。


「私も、アステル家のご令嬢は優秀だと聞いている。アステル家は今乗りに乗っているし、ぜひとも婚約させたいところだ」


「では…!」


「だが、今しばらく待て」


「何故!?」


「ルナリア嬢の発明はもはや我が国の宝。王子妃教育が負担になってそれが失われるのは一番困る。十八歳になるまで待て」


「…承知しました」


グエン様は切なそうな顔で私を見ます。私も同じ気持ちです。


次のお金儲けは十四歳の時。ある日インターネットの新しい活用法について考えました。“SNS”を作れば新しいエンターテイメントが生まれるのではないかと思いました。というわけで早速試作品を魔法を使い生み出し、それを動かすために使う携帯電話を片手に、お父様の元へ持って行ったのです!


お父様とお母様、お兄様はSNSを使用してみて、使い勝手を確認するとこれは売れる!と踏み、私の魔力が枯渇するまでSNSを広げ広告を出すのを許してくれ、アステル商会で目玉商品として売り出してくれました。国内の貴族には安く、国外の貴族にはぼったくりレベルのお金で売りつけ、利益の内10%をお得意様である教会へ、10%をお得意様である国王陛下へ、10%を将来お得意様になるかもしれない孤児院の子供たちへ寄付しました。


そして我が家は、貿易によって国を豊かにし、生活水準を向上させ、国や教会に多額の寄付をした功績によって勲章をいただきました。私、アステル商会の希望の星なのでは?


「ルナ、膝枕をしてくれ」


「はい、グエン様」


膝枕をする。グエン様の瞳は切なげに揺れる。


「はやくお前を俺だけのものにしたい…」


「私も、貴方だけの私になりたいですわ」


「そこのラブラブカップル、他所でやってくれないか」


「ではルナの部屋で…」


「やっぱりここでいいですやめてください第二王子殿下!」


お兄様が叫ぶように言う。お兄様、馬に蹴られますよ。


次のお金儲けは十五歳の時。ある日インターネットの新しい活用法について考えました。“ブログ”を作れば新しいエンターテイメントが生まれるのではないかと思いました。というわけで早速試作品を魔法を使い生み出し、それを動かすために使う携帯電話を片手に、お父様の元へ持って行ったのです!


お父様とお母様、お兄様はブログを使用してみて、使い勝手を確認するとこれは売れる!と踏み、私の魔力が枯渇するまでブログサイトを広げ広告を出すのを許してくれ、アステル商会で目玉商品として売り出してくれました。国内の貴族には安く、国外の貴族にはぼったくりレベルのお金で売りつけ、利益の内10%をお得意様である教会へ、10%をお得意様である国王陛下へ、10%を将来お得意様になるかもしれない孤児院の子供たちへ寄付しました。


そして我が家は、貿易によって国を豊かにし、生活水準を向上させ、国や教会に多額の寄付をした功績によって勲章をいただきました。私、この国そのものの収入源とすら言えるのでは?


「グエン様、あーん」


「あーん、ん、美味しい」


今日はグエン様とピクニックです!とっても幸せです!


「幸せですね!」


「幸せだな…だが、お前が俺だけのものになったらもっと幸せだ」


「もう、グエン様ったら」


私も同じ気持ちですわ。


次のお金儲けは十六歳の時。ある日インターネットの新しい活用法について考えました。“アフィリエイト制度”を作ればインターネットによる新しいエンターテイメントをよりよく活用出来るのではないかと思いました。というわけで早速試作品を魔法を使い生み出し、それを動かすために使う携帯電話を片手に、お父様の元へ持って行ったのです!


お父様とお母様、お兄様はアフィリエイト制度を使用してみて、使い勝手を確認するとこれは売れる!と踏み、私の魔力が枯渇するまで制度設計をし、専用サイトを広げるのを許してくれ、アステル商会で目玉商品として売り出してくれました。国内の商人には安く、国外の商人にはぼったくりレベルのお金で売りつけ、利益の内10%をお得意様である教会へ、10%をお得意様である国王陛下へ、10%を将来お得意様になるかもしれない孤児院の子供たちへ寄付しました。


そして我が家は、貿易によって国を豊かにし、生活水準を向上させ、国や教会に多額の寄付をした功績によって勲章をいただきました。私、もはや産業革命を起こしたのでは?


「ルナ、俺はお前しか娶らないからな!」


「はい、もちろん!私もグエン様しか愛しません!」


最近流行りの婚約破棄モノの劇場を見た後、私達は愛を確かめ合う。ああいう劇も、恋する二人には愛の燃料にしかなりませんわ。


「ルナ、愛している!」


「私も!グエン様を愛しております!」


そして十七歳の誕生日。大変なことに気がつきました。というか思い出しました。前世の記憶が一気に閃光のように頭を駆け巡りました。そう、ここは前世で私がプレイしていた乙女ゲームの世界だったのです!このゲームは異世界から転移してきたヒロインが産業革命を起こしつつ、キャラクター達と恋愛を楽しむというもの。逆ハーエンドもありです。そして私は攻略対象者の一人、お兄様の妹、モブキャラだったのです!


どうしましょう、悪役令嬢ですらないモブキャラなのにヒロインの出番を潰してしまいました!


ー…


そして迎えた十八歳の誕生日。素晴らしいことがわかりました。ヒロインさん、我がアステル商会の手の届かない遠く離れた土地に異世界転生し、見事に産業革命を起こし、逆ハーレムまで築いたようです。


それも、逆ハーレムメンバーは全員婚約者無しのフリー。本来来るはずだった我が国の攻略対象者には婚約者がいましたから、むしろ大団円のハッピーエンド、私ぐっじょぶなのでは?


そして私も、グエン殿下の婚約者に内定しました。これから第二王子妃としての教育が行われ、大変な日々になりそうです。


でも、やっとグエン殿下と一緒になれそうなので、私は幸せです。


たまには脇役がでしゃばるのも、ありかもしれません。

でも丸く収まったしハッピーエンド!

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― 新着の感想 ―
[一言] 自転車、自動車等の交通手段方面には行かなかったのか これは、引きこもり&その予備軍が増殖する予感(^_^;)
[良い点]  コ・ピ・ペwwwww  いやどこまでいくんだwww  そこが笑えるんだけどね。悪役令嬢は何でもアリだから [気になる点]  しまいには王座を譲られて女王になっちゃったらよかった。  途中…
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