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アーデルベルト

「そう言えばお兄さんのお名前は何て言うんですか?」


 何だろう。お兄さんって言ったら「お兄さん…良い響きだ」とか、「オッサンって言われなくて良かった」とか「御爺さんって言われたら流石に泣く」とか、何だか妙な事口走って居るけども。


 冷静に為れ、見た目は若い蜘蛛のお兄さん。

 中身は三千歳越えてるらしいけど。

 兎に角落ち着け。

 どうどう。


「アーデルベルト、だ。昔はアヒムやらアーディとやらとも勝手に付けられて居たがな」


 ん?付けられて居た?


「冒険者が勝手に名付けるんだ。最近は変わった商人と交流しているからか、有難いことに来なくなったので平和だけどな」


 アヒムって言うのは『神が裁く』と言う意味があり、アーディは『高貴な』と言う意味があるらしい。

 ただ「血塗られたアヒム」やら「残虐王アーディ」やらって名前だったらしいけど。


 何それ怖い。

 二つ名って事?

 その都度名前が変わるのは時代とかかな。三千年って人間の寿命的に生きている人なんて居ないだろうし、文明だって幾つも変わって居るだろうしね。


「アーデルベルトは気高く輝くと言う意味がある。だが長ったらしいからアデルでいい。覚えにくいだろ?」


 いや、蜘蛛のお兄さんでいいならソッチのが良いけども。


「何ならアデルお兄さんでもお兄ちゃんでも良い」


 って言ってチラチラとチラ見するのは止めて欲しい。

 何でここで急に妹属性欲しがるのか。

 さっきから何度も言うけどゲシュタルト崩壊するから、特に足。カサカサ蜘蛛の足を悶えさせて動かさないで欲しい。背中がこう、寒気が走ってザワザワして落ち着かないんだよ。


「でだ、考えたのだかブリュームヒェンはどうだ?小さくて可憐な花と言う意味だ。その、と、とっても可憐なっここ、こ、骨格だったからな」


 何か違う。

 変なトコでどもるな。

 恥骨と言わないのはせめてものって言ってるけど、その感性ワカリマセン。


 そして名前が前世で言う所のドイツっぽいんだよね。


「ではエンゲルで!天使って意味だ」


 却下。

 何だかエンゲル係数思い出すのよ。


「えんげるけいすう?天使の称号か何かか?うーむ…気に入らないなら、エルフリーデで。妖精と言う意味だ。可憐な血管の持ち主にピッタリだろう」


 やめて、血管とか骨格とか恥骨から離れて。


「そ、そ、そうか。やはり恥ずかしいよな。すまん」


 そうじゃないんだけど、感性が違い過ぎてどう言ったらいいのか返答に困る。


「ではフェイで。妖精と言う意味だ」


 妖精から離れましょう、また血管とか言われそうだ、困る。


「フレイヤ。女神と言う意味だ」


 それ、我儘女神ってイメージが。


「クレメルヒエン。チビちゃんって意味だ」


 言いにくい。

 と言うか小さいのか私。


 …何処がだろう。


「シャッツイ。愛しい者と言う意味だ」


 そう言って……何故真っ赤に染まるか。


「何か恥ずかしいから却下」


 また骨とか思い出して居るんじゃないよね?

 そこ、チラ見しない。


「シグリ。美しい・勝利と言う意味だ」


「ジ○リ?」


「シグリ」


「ジブ○?」


「…次行こう。シュテルンヒェン。小さな星と言う意味だ」


「うーん言いにくいかな」


「そうか?可愛いが。後はそうだな、ツァック、楽しい表情って意味だな」


「○ァック?」


「ツァック」


「ファッ○?」


「…見た目と違って意外と俗物だな」


 あ、通じた。

 と言うかこっちでもこの言葉通じるのか。

 〇ブリは通じなかったけども。


「うーんそれならナナの方がましかな?」


 アデルが固まった。

 え、何々何か意味があるの?


「ナナは御婆ちゃんと言う意味だ」


「…」


 うん、先程全力で回避して良かった。


「そう言えばレーベルブリュームヒェンと言うのはどうだ?雪割草と言う意味だ。色んな花があるが、あの小さくて白い花は其方に似て居る」


 腕を組んでうんうんと頷いて居るけど、多分その頭の中身は恥骨とか骨格とか骨の事を考えて居るに違いない。ジト~と睨んでみたら案の定真っ赤になった。

 実に分かりやすい。

 と言うか想像するな、背筋に寒気が走るわ。


「べ、別に白い色が其方の骨と同じ様に綺麗だったからって言う意味でなくてな!」


 またどもるし。

 と言うか先程から聞こえて居たんだけど、魔物達の番だと恥骨やら内臓やら見せるみたいな事を言って居たけど、どうやってやるのだろう。


「何を言って居る、透視して見なければ子が身籠った事等わからないだろう?それに怪我の度合いや病の状態も判別し易い」


 確認みたいなモノか。

 もしくはレントゲン。

 骨折とかしたら即分かるんだろうな。


 うーんこの価値観良く分からない。


「人間同士は違うらしいな。何せ高位魔物なら誰でも出来る透視が出来ないようだし。それを考えるとレーベルは限りなく人間に近いという事か」


 レーベルって勝手に名付けられてるし。

 ステータスを見てみると勝手に名前が決まって居た。




 名前:レーベルブリュームヒェン(前世:小見千夏(おうみちか))

 種族:エルフ

 職種:魔王

 レベル:1

 HP:10

 MP:60

 筋力:14

 耐久:100

 機敏:25

 魔力:100000

 器用:1000

 幸運:666


 ユニークスキル:森の乙女

 スキル:アイテムボックス

 称号:元深窓の乙女・偽りのエルフ・深淵の森の大古の(エンシェント)魔王求愛拒絶中

 ポイント:70



 ……んん!?

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