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―…はい?

 

 アガーテ達が居なくなると、当然だけどこの場に取り残されるワケで。

 何時もの如く甲斐甲斐しく世話をしたがるミンが、アデルの配下達がご飯の支度をすると言い出すと「お手伝いします」と言って、此方をチラリと見てからささっと退出。

 それに何故かルクレツィアとアルフォンソも「一緒~」と、ウキウキしながら手を繋いで(仲良すぎでしょ)ついて行った。


 と言うかね、我が配下達。

 何故この居心地の悪い沈黙を貫いているアデルが居る空間に、無言で私を置いて行こうとするのだ。

 そしてヴァルヘルム、「あっしも失礼します」と退出しようとするな。

 ビシッと八本ある足の一本を両の手で抑えると、「え、マジ?」と言うような顔をして訴えてくるが意地でも離さないゾ。

 君はココに居なさい。

 そしてタップリと居心地の悪さを満喫しなさい。

 ええ、私と共に!

 抜け出すのは駄目、絶対に。


『ブルルルルッ』


 って「そんな~」って顔して訴えなくて宜しい。

 文句を言うならアデルに訴えろ。


 それと…


 そうだよなぁ~。

 私アデルに謝らないとならないんだよねぇ。

 沈黙が痛いんだけど。

 ううん、謝るだけじゃなくて感謝も。


 この世界に来て、ううん。産まれて。

 恐らくアデルに会えなかったら、私の出来たてダンジョンに来てくれかかったら。


 私なんて新しいダンジョン出来たぜー!いえーい!って感じでダンジョンコア狙いの輩がドンドン来て、早々に狩られて死んでいたんじゃないかなぁ…


 もしくはドラゴンさんにペシャって殺られて終わりかもね。

 ふふ、と自嘲気味につい笑うと、それまで沈黙していたアデルが身動ぎをする。


「…」


 そしてまた沈黙。

 だけど先程とは違った様で、何か口にしようとして居るようだけど上手く言えないらしく、何度かチラリと此方をみて口を開き。そしてまた閉じて此方を見て、それから再度沈黙。


 やめてー沈黙やめてー私のSAN値が削られて逝く!

 もうね、逝くなんだよ文字が逝っちゃうんだよ!

 正気を失いたく無いんだけど!?と言うか、クトゥル●神話●RPGで使われるパラメーター言っちゃうとかどんだけ精神に来るんだよ!


 ガリガリガリ。

 一瞬私の精神が削られている音かと思ったら、現実で鳴ってる音だった。

 ってヴァルヘルム、暇だからって床を八本の足で引っ掻かないで。そこ、蹄で書いて後をつけようとしない。そして私の腕を突っついて、「見て!足跡すぐ消える!」って興奮して何度も床に蹄で引っ掻かない。ダンジョン内部だから結構早めに修復しちゃうんだよね、床。そしてアデルの所のダンジョンは私の所のダンジョンよりも修復が早い。恐らくダンジョンマスターであるアデルのレベルが私よりも高い事が関係して居るんだろうなあ。

 …よし、レベル上げ頑張ろう。

 アデル並にはまだ無理だろうけど、せめてもう少し頑張ろう。一先ず目標レベル30。その次はレベル50。地道にレベルアップだ!


「俺…」


 チラリと此方を見ながらアデルがやっと口を開く。


「うん」


「思い出したんだ…」


 うん?

 何を?そう言いたかったが、ヴァルヘルムがガリガリガリと床…いい加減ヤメロ。マジで。仕方ないのでヴァルヘルムの足を抓ってみるが、配下よりひ弱な力しかない私。「おや、何かやりました?」と言う感じで此方を見てきたヴァルヘルムの足目掛けて蹴りを入れた。

 勿論魔力を籠めて。


『!』


 途端びくんっとヴァルヘルムは震え、涙目で床を引っ掻くのをヤメた。

 そうそう、良い子だから大人しくしてて。

 魔力を籠めて蹴りを入れても少ししかその頑丈な馬…スレイプニルの身体は動かず。

 うわーいほんっと私っては最弱。

 と内心密かにダメージを精神に喰らい、ヴァルヘルムが大人しくなった事でやっとアデルの話を聞ける。そう思いアデルの方を振り返ると、


「俺の名前を付けた変な奴。そいつが言っていた言葉を」


 はい?

 かなり古い記憶だった筈。


「『ココは良い魔力に溢れるだろうから、”狩りのため”にエルフを復活させようか―』って」



 ―…はい?


スランプ突入(´・ω・`)

克服したい~!

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