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何だろうこの羞恥プレイ

 

「つまりラッキーすけべをした、と」


 何だかうちの配下のセンギョク、物凄い剣幕、と言うか鬼気迫る気迫でアデルを叱り飛ばしている。対するアデルはしょんぼりと頭を下げて…あれって土下座かな?

 蜘蛛の身体があるからちょっと判り難い。

 覗かれたのは私なんですけど?って突っ込みたいんだけど、それどころで無い雰囲気が凄まじい。


「おのれイケメンめ、呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる…」


「センギョクいい加減にしなって、ルクレツィアちゃんとアルフォンソ君がすっかり怯えているから。そしてマスターが顔面蒼白だから」


 私は後なのか。

 と言うか、センギョクが怖くて怒るに怒れなくてどうしたもんだと思って居たんだけど…。


「マスターこの後始末どうしましょうか」


 何だか某ヤがついちゃう暴力団体みたいな事言ってるけど、せんぎょく。

 ほっとくと指詰めましょうかとか言い出しそ…


「指詰めましょうか」


 いったーーー!言っちゃったよこの人!いやオークだけど。

 ヤが付くオークなのか!?

 そしてその顔は本気だ。


「くぅぅ、マスターに言い寄っているリア充の癖に、ラッキーすけべ等!羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい…」


「いや、それ引くから。お~いそろそろ帰って来いセンギョク」


 どん引きながらも同僚を思ってか身体を揺すっているシユウ。

 そしていい加減にしろとセンギョクをドスッと言う音声を付けて踏み潰すヴァルヘルム。


 地面に倒れ伏しているセンギョクをつんつんと拾った小枝で突っつくルクレツィア。

 ドン引く集団。

 うん、見事なカオスだ。







「レーベルにルクレツィア、本当にすまなかった」


「まぁ私の場合は辛うじてセーフだけどね…布地巻き付けていたし」


 この場合全裸を見られたのはルクレツィアだけど、当人はキョトンとして居る。

 子供だから理解はしていないのかな?


「んールクレツィア、は、子供。きにちて、ない」


 小首を傾げているルクレツィアは、先程蜘蛛に渡されたタオルで髪の毛をぐるぐるに巻かれて居る。


「気に、ちないと、駄目、なのは、まま、ますたの、方。ルクレツィアは、へいき」


 どうやら理解はしていたらしい。

 そしてさり気なく此方に……


 アデル、言わなくていいからと言おうとしたら、


「恥骨についで二度までも女性にとって羞恥な部分を見てしまった。だから!」


 いや、手を握って来ないで欲しい。

 つい目を半目にしてしてしまうと、一瞬アデルが怯んだようだ。

 それでも引く気は無いらしい。


 どうでも良いけどアデルの配下らしき蜘蛛達が背後で一生懸命応援幕?旗?の様な物を振っているのが見えるんだけど、これは何?

 そして何故かルクレツィアも混じってダンスみたいなのを踊り出しているし。

 もしもし、君達ヤケに楽しそうだね。

 一体何をしているの?


 私が目を離して背後を見ているので気が付いたのか、アデルが私の目線を追って自身の後ろを見てーーー…


「な、お前達っ!」


 そして文字通り蜘蛛の子を散らす様にアデルの配下と思われる蜘蛛達は一斉に逃げていった。

 最後に残った場所には、『ますたー、フラレても負けないデ!』『駄目でも何百回もプロポーズ』『ガンバ!』『屍は拾います!』と、炭らしき物をペンの様にして書かれて居た布地が幾つも落ちていた。


「…」


「レーベルすまん、配下達にその、嬉しくて連日君のことを話してしまってて…」


 うう、何だろうこの羞恥プレイ。

 そして何故連日話すのか。

 他に話す事が無いのか、無いんだろうな!


 そしてセンギョク、離れた場所で呪詛を吐くな。


「ぐぅぅぅ、これがイケメンのポテンシャルなのか!イケメンなら許されるのかっ!羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい…」


「それ違うから。落ち着け」


 シユウや、頼む。その呪詛止めて下さい!







 * * *







 せめてものお詫びです。

 と言ってアデルの配下の蜘蛛達に品を渡された。

 

 今回水辺に居た私達の事をアデルに知らせた理由は、アデルが好意を持っている私が居たから、マスターに知らせると喜ぶだろうと思っての事なのだとか。


 蜘蛛故に『裸を見られると恥ずかしい』と言った感覚が無いらしい。でも次からは大丈夫!覚えた!と胸を張って言っているとか。尚、羞恥が分かった理由はセンギョクの状態で『かなり悪いこと』と理解したらしい。


 センギョクや…

 変な所で役に立ちすぎ。


 それは兎も角、何とも蜘蛛達はマスター思いである。


 そんな蜘蛛達の言葉を翻訳したのは何とルクレツィア。

 ゴブリン姫万能過ぎるだろう。そしてアデルが感激し、色々とルクレツィアを通じて蜘蛛達に何かを伝えている。


 そしてイソイソとアデルの配下達が渡して来たお詫びの品が此方。


 ・バスタオル   30枚

 ・ハンドタオル  30枚

 ・もこもこな布地 横幅一メートル、縦幅5メートル位×7

 ・竹籠      10個


 個人的にはもこもこな布地と竹籠が凄く嬉しかったりする。

 もこもこな布地が嬉しい理由は、ヴァルヘルムを拭く布地があまり無くて困っていたから。放置しても自然に乾くし良いよってヴァルヘルムは言うけど、川から上がった時に拭いてあげたかったからね。風邪引くと不味いし。マメに世話を焼きたがるミンが拭くものが欲しいって言っていたから尚更。

 台所仕事で使う布巾も欲しかったから丁度良い。

 そして竹籠。

 収穫する際に使えるし、そのまま保存する際に入れておくのも可。なんて便利!

 それでもなぁ…こんなに沢山良いんだろうか?


「本当にこんなに沢山良いの?」


 うんうんと一斉に頷く蜘蛛達。

 そして旗?みたいなのにサラサラーと文字を炭で描き、


『僕達の気持ちです』

『マスターをどうか宜しくお願いします』

『ドスケベですけど』

『只のエロ助ですけど』

『シツコイですけど』

『度々ご迷惑をお掛けすると思いますが、どうかマスターを宜しくお願いします。ただし、精神的にもキツイ様なら僕達にご一報下さい。厳しく躾けますので』


 ……。

 最後、最後……。

 マスターってなんだろうね!?


「何だろう、配下達から物凄くディスられてる気が…」


 項垂れるアデル。

 そのアデルの背後で何故かビシッと此方に敬礼する蜘蛛達。


「確実にディスられてるよね」


「確実にディスってるよね」


「イケメン撲滅」


「それ関係ないから。センギョクいい加減にしろ」


「はひ」


 此方の配下達、最後はシユウがセンギョクに突っ込みを入れて居た。

 う、う~ん個性が出て来たのかな?


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