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初日とは偉い違いだなぁ

「ますた。おっき、おうましゃん、おっきいー」


「マスター凄い大きな立派な馬ですね。素晴らしいです!」



 キラキラ瞳を輝かせる幼少組なゴブリン姫とその騎士、何故かチャッカリと手を繋いでおります。

 どうやらルクレツィアが謝って、何かしら成功したのかな?手を繋いでいるからちょっとは関係が良くなったのかも知れないって、お前ら成熟しすぎじゃーって突っ込みたい。



「只今帰りましたマスター。それにしても八本足の馬ですか、しかもとても強そうな気配がします。私達と同じ様に召喚したんですか?」



 オークの二人しか居ない女性のミンが驚いた顔をして此方を見て来る。

 そう言えばこのヴァルヘルムとミン達オークは同じレベルの筈なのに、この圧倒的な威圧感の違いと来たらもう…


 いや、ヴァルヘルム無理に身体を小さくしようとしなくていいから。え、なんだって?先輩に敬意を示さねばって?…それ何処の脳筋思考か。そしてミンに一生懸命敬意を示そうとしてるけど、其処の幼少組二名のが先に召喚したんだからね?


 …いや、そんなもっと小さく成ろうとしなくても良いから。


 ルクレツィアも「ひか、え、おろう」なんて慣れない言葉使わないように。

 と言うより誰から聞いたのその台詞。


「ルクレツィア、より、アルフォンソ、の、従者、時折なって?て?」


 その言葉にアルフォンソが感動しているみたいだけど、もしもーし。主は私なのを忘れない様に。そしてミン、毛繕いセットって無いかしらって言いながら、アデルが置いていった反物から雑巾を作ろうとしないように。流石に新品は勘弁して欲しい。特に今は貴重品だからね?


 それにしても、一気に騒がしくなって来たなぁ。









 * * *









 召喚したゴブリン達やオーク達、それに新しく召喚したスレイプニルのヴァルヘルムと一緒に先程作った夕飯を食べ、各自新しく召喚されたヴァルヘルムに自己紹介をする。


 それらを終わって片付けをし、各自割り当てられた部屋に戻って行き、さてそろそろ寝るかなと思っていると、ヴァルヘルムの部屋が無い。


「ヴァルヘルム、私と一緒に『魔王の間』で寝て貰っていい?」


 うんうんと同意する様に縦にヴァルヘルムは頷き、少し距離を取って佇んで居る。

 身体大きいから、もし寝返り打っても大丈夫な様に距離を開けてくれているのかな?などと思っていたけど、馬ってどうやって寝るんだっけ…?と疑問に思う。そして、ヴァルヘルムも普通の馬と同じ様に眠るのだろうか?


「ヴァルヘルムって立ったままで眠るの?」


 聞いてみると「さぁ?」という様に小首を傾げる。

 考えてみたら召喚されたばかりで知らないって事だよね。

 私から召喚されたゴブリンの姫であるルクレツィアは普通の人の様に眠っていたし、多分他の人形の者達は想定外な寝方はしないと思う。


「ふふ、ヴァルヘルムはどんな寝方をするのか気になるわね」


 等と言ったら、ヴァルヘルムが微妙そうな顔付きで此方を見てきた。

 セクハラって言われた気がするけど、種族が違いすぎてそうは思えないんだよねぇ…








 落ち着かない様子のヴァルヘルムは置いておいて、『魔王の間』の比較的隅っこ、この世界に来てから寝ている場所にアデルから受け取った寝具、シーツの様な物と掛け布団の様な物を持ってふわふわな床の上に整える。

 うん、あれから何故か見た目は変わらないのに、有り難い事にふわふわポヨンポヨンだ。


「おや、何ですかソレは?」と言う風なヴァルヘルムは布団を敷いた側に来て、一頻り匂いを嗅いでから床がふわふわな事に驚き、距離を取った。

 恐らく得体が知れないと思ったんだろうと思う。


「ここ、私のお布団を敷く一角だから荒らさないでね?」


『ブルルルルル』


 どうやら理解したらしい。

 コクコクと縦に二度頷くと今度はそこからもっと距離を取った。

 足場が不安定で苦手意識を持ったらしい。さっきから「そこ、ヤダ」と言う様な気配がヒシヒシとしてくる。


 確かに八本足のスレイプニルには辛いかも知れない。


 台所の部屋で「はい、寝巻き」とアデルに手渡された可愛らしいネグリジェに着替え、さっさとお布団に入り込んでその柔らかさと温もりにほっとする。

 初日とは偉い違いだなぁとぼんやり思う。




 …アデルを追い出しちゃったのはちょっと悪かったかなぁ。

 蜘蛛だけあってやたらと肉食系、そしてセクハラ多々と困惑したけど、何だかんだ言って悪い人、いや悪い蜘蛛ではないのかも知れない。少なくとも私には。


 しかし何故嗚呼も私に構うのか。


 好きだって言ってるけど、その感覚が前世の様な人との交流と同じ様な感覚なのかどうかは分からない。それに仕切りと此方をじっと見て来て、正直どう言う態度で接して良いのか戸惑う。

 そういう人は少なくとも前世では居なかった様に思う。そもそも好きな人も居なかったし、当然彼氏等と言う人も居なかった。


 と、言うか。


『恥骨見たから責任取る』って感覚がわからんっ!!


 これが一番理解不能なんだよねぇ…

 よし、明日謝ろう。そしてアデルを利用する形になるのは嫌だから、何とか対等に為るように努力していこう。それからアデルとの事を考えていこう。とは言え別に責任取ってもらうって言うことじゃなく、あくまでも一人の人、いや魔王?として自立できるようになってからって事で。


 それにしても。



 鍋 3ポイント

 姫 200ポイント

 騎士 180ポイント

 従僕 30×4=120


 合計503使用。

 残り225ポイント。


 で、オーク達20人を召喚したから、えーと。


 オーク 10ポイント×20=200

 残りポイントは25ポイントって事


 って、オーク10ポイントだったのか。ん?何か書いてあるな、どれどれ。


【姫・騎士と出たので以降召喚ポイント1/10減少】

 称号『召喚ポイント1/10減少』獲得


 おお!やったね!


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