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ダンジョンのコア

 

 朝。

『侵入者発見』ってサイレンが鳴った。

 目の前に画面も出た。勿論サイレンは脳内だけみたいだけど。


 そんな訳で吃驚して飛び起きた。




 昨夜は仕方無く鍋にアデルから貰った飲料用の水を入れて硬いパンをふやかし、それを頂いた水と共に食べた。因みに水は竹筒に入った物が10本と何かの木材を繰り抜いたバケツの様なモノを貰った。

 アデル曰く使い終わった竹筒は半分に割って食器にも使えるからと少し多めに、またバケツの様なモノは使い終わったら生活用水等を貯めて置く事も出来るだろうとの事。

 うん、アデルに感謝。


 そしてそのアデルだけど、彼もまた私と同じようにアイテムボックスを所持しており、その中に幾つか余分に色々な品を持って居た。この竹筒とバケツの様なモノもその一つ。


「服とかは今日の所はソレで十分だろう。私もまさかこうなるとは思って居なくて、水と簡単な食料程度しか所持して無くてな」


 とか何とか言って居たけど異世界生活初日としては十分じゃないだろうか。

 と言うか、アデルが居なかったら一から何もかもしなくては為らない訳で。

 アデルには足を向けて寝れないよね。とは言え住んでいる方向が分からないから実際にはやれないけど。それにしても、他のダンジョンの魔王よりかなり良い状態でのスタートなのではないだろうか。恵まれ過ぎていない?その分変な状況に陥ってはいる。


 …地上は焼け野原と化したしね。


 お陰で火は起こす枯葉等は当然無いし、多分あったであろう川とか水場は干上がってしまったし、ごはんになる動植物は見事に何も無くなったし、いやホントどうしてくれるのあのドラゴンさん。

 弁償してくれないかしら?

 …無理そうだけど。


 何度注意しても言い聞かせても何度もやらかすとアデルが言ってるって事は、何かしら今後対策をしないと幾ら森が一か月ぐらいで復活すると言っても、また私のごはんが減る事に為る。

 生活用水だって必要なんだよ!?


 更に下手すると私のダンジョンにも支障が出る。




 それに…


『魔王の間』


 その部屋のステンド硝子が嵌め込まれているとある壁の一角の部分を見詰める。

 其処に硝子のケースの様な透明な入れ物に水晶の結晶の様なモノが入れ物の中に入っており、中でプカプカと水中に揺蕩っている様な、不規則な動きで漂う様に浮かんでいる。


 ダンジョンの『コア』と言われている物。


 そのダンジョンによって質が変わって来る様だけど、何処のダンジョンも皆同じく共通するモノがある。

 ダンジョンに発生する魔王は皆等しくコアと共に産まれ、死す時はコアと共に死す。コアが生き残って居れば魔王自身が死しても、数か月~数十年の後に魔王は復活する。ただしコアが残って居ればだが。

 そしてほぼだけど、魔王と人間(一部の亜人)は敵対して居る。

 魔族とかは違うらしいけど、私の居るこのダンジョンの土地、つまり深淵の森は人間や亜人達の生活活動している三国家ある国の丁度中央にある地。

 幾つも険しい山脈や大森林、そしてアデルのダンジョンがある黎明の森と私の居るダンジョンがある深淵の森。



 正確には3つの国に跨って山脈や大森林や各種の森があり、その外側を一ノ国二ノ国三ノ国と外周を囲って居り、一ノ国は人間の国で二ノ国は人間や亜人、三ノ国は獣人の国と為って居る。



 言いたい事はわかるよ?

 一ノ国って何だって思うよね?二ノ国とか三ノ国とかって言う名前もだけど。

 ついでに言うと何処かの小説で見た気がしないでも無いけど、何処だったのか思い出せない。10ヵ国位あった様な気もするし、正確な記憶が無いから何とも言えない。



 閑話休題。


 知識の中に入って居る情報によると、一ノ国は人間の国の中でも人間以外の他種族を異端視する宗教国家。只唯一、一人の神のみを唯一神として信仰してしている宗教で、その冒頭の台詞も物凄い。


『この世界は人間が至上にして唯一神である最高神により、唯一神が作られた聖なる人である』


 なんて言うんだからうん、凄いの一言。

 そんな訳だから亜人や獣人等は極端にハブられやすく、ほぼこの一ノ国には居ないし行かない。


 …居てもほぼ奴隷、だそうだ。

 男性の奴隷は獣人等は力が強い為に重労働系に酷使され、また女性は…察して下さい。器量にもよるけど、ほぼ色街の方メインだそうです。

 そして極め付きなのが亜人。

 此方男性も女性もほぼキメ細かい肌質で更に見目が美しい者が多いらしく…男女年齢問わず、更に言うとほぼもうね、愛玩奴隷だそうで…。


 そんな訳で私は見た目と言うかこの尖がった耳だけだけど、どうみても亜人寄りらしく、決してこの一ノ国には足を踏み入れないと決めている。エルフだしね。前世の記憶が正しいならエルフは亜人もしくは魔族。



 二ノ国は人間も普通に居るが亜人も獣人も居るし、時折奇妙な人も居ると言う。

 この奇妙なって言うのが何なのかは実際見て見ないと分からないけど、ダンジョンから得た知識の中に入って居るモノの中には「奇人」って入って居る。


 …変態?

 一瞬そう思ったけど、どうやら魔物と呼ばれている人型のモノと人間や亜人達の突然変異体と言われているらしいのだけど、これって…。

 多分混血じゃなかろうか。亜人+獣人とか人間+亜人に人間+獣人とかの。

 一応一括りで「奇人」と呼ばれているけど特に差別とかは無いらしい。少なくとも都会よりの方は。都心から離れて行くとどうなのか…特に寒村とかは。そう考えて居たら幾つかの知識の中の項目には「表沙汰にはされて居ない」と出た。


 今は深く考えるのは止めて置こう。

 さり気無くフラグが立つと困るし。


 最後の三ノ国。

 獣人の国。

 この国は他の二種の国とは違う。

 そう、一ノ国が宗教国家と言うなら二ノ国は自由国家、そして三ノ国は軍事国家。

 一ノ国は宗教国家であるが二ノ国と同じく王族が治め貴族が従う国家。合間に教会があり幅を利かせているらしく、実際は王族が蔑ろに為って居るらしい。

 そして二ノ国は王族が治め貴族が従える、王侯貴族が国を治める国家。

 それらとは真逆にあるのが三ノ国で、……力で抑える。いや、捻じ伏せる国である。


 元は王侯貴族が治めていた国らしいのだが、数百年前に軍がクーデターを起こして王族や貴族を虐殺。今は一部の貴族と軍が国を牛耳って居る。


 10年程前迄この三ノ国は魔族の国と戦争をして居たらしい。

 この今私が居る大陸よりも遥か海の向こうにあると言う魔族の国、其処と約10年もの長い間争い、結果得たモノは特に無く。ただ死者を増やしただけと言う痛ましい事態を引き起こした。

 そもそも魔族の国と三ノ国は距離が在り過ぎた。

 その距離を陸地では無く獣人は『船』のみで移動するのだ。

 結果は上にも記載したが、死者だけが溢れるだけとなった。無論三ノ国だけでは無く、魔族側もだが。


 そしてこの三ノ国。

 どうも10年経った今でも、当時の事はあまり反省はして居ないらしい。

 昨晩アデルが「もし人と会いたくなっても三ノ国との交流は進めない」と告げて来た。理由は「まだハッキリして居ないけど、恐らく近い内に一ノ国と争うんじゃないかな」との事。


「昔から獣人の、特に軍の上層部は脳がちょっと筋肉で出来ているみたいでね、周囲が見えなくて見境が無いんだ」


 つまり脳筋が一杯なのかな、と。

 もふもふは居ないんですかね?(涙)




 さて、話は戻って『侵入者発見』である。

 昨日アデルから貰ったケープを布団替わりに上にかけて硬い床に丸まって寝ていたのだけど、あまりに硬くて何度か寝返りを打ち、


「床よ~ぽわんぽわんになれ~敷布団と言うよりベットみたいになれ~」


 と寝ぼけて思って居たら本当に柔らかくなり、快適な睡眠を得ました。ただ起きた時周囲の床がぽわんぽわんと為って居て、寝ぼけて居た為にすっかり忘れて居てコケてしまったのはご愛敬。

 その状態で慌てて『魔王の間』のドアを開けると―――…


「レーベルおはよう」


 片手を挨拶の為に上げ、アデルはとある山となったモノ達を踏みつけて居た。

 とあるモノ、それは大中小と大きさは様々なれど、全てが『鑑定』で見無くてもわかる。全部魔物である。それが皆泡を吹いて居て失神したり、中には既に昇天してしまっている者が居た。



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