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転生した受付嬢のギルド日誌  作者: Seica


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211/242

211: 実は関連のあった三人① ~光と闇の邂逅~


「――じゃあ、今回のことはこれ以上聞かないよ。シャルちゃんもお腹が痛くなったらすぐに治療院に行きなさい、いいね? それから、今回のことは、周りには黙っておくように。本来治らない症状が治癒できるなんて、悪用しようとする人が現れないともかぎらないからね。それと、怪しげな薬の出どころも思い出したらすぐ言うように!」

「は、はい~……もちろんです。……お腹も痛くないので大丈夫ですよ」


 サブマスは長くくどくど話すも、先ほどより顔色をよくして去っていった。

 反対に、私は彼のお説教でふらふらだ。

 でも、私は耐えきった。

 薬について追及されても、「だいぶ昔に他国で買った物で、商人の名前どころか顔も覚えてないし、飲んだ瓶は捨てた」で通したのだ。

 治癒魔法の威力についてはバレなかったのだから、お説教で済んでよかったとしよう。

 フェリオさんに感謝だ。本当にありがとうございました! 今度彼にお礼をしたい!

 それに、フェリオさんがかばってくれたから、今朝の夢はやはりただの夢であって、正夢じゃなかったということもわかった。

 よかった……。夢の内容がちょっと引っかかっていたけど、午後からの不安は解消された。


 さて、私も広場に戻って……ってあれ?

 あの三人がまだ、建物の陰にいる。

 顔を覗かせていた場所から一歩下がった程度しか離れてない。

 サブマスのお説教、結構長かったんだけど……ずっとそこにいたのかな?


「コトちゃんたちまだ……」

「んぎゃーー! ……あっ、シャーロットさん……」


 私が顔を覗かせたら、コトちゃんにものすごく驚かれた。

 静かな路地裏だからコトちゃんの叫びはやけに響いたけど、人気はなく誰も確認には来ない。

 むしろ彼女たち三人こそ、私が来た方向を確認していた。

 どうしたのかと聞いてみてもコトちゃんには首を横に振られ、ワーシィちゃんには斜め上へと視線を外され、シグナちゃんには愛想笑いをされた。


「えーと、あっ! シャーロットさん、ボクたちのことはともかく、商人ギルドってどっちっすか?」

「え、あっちの方角だけど……、何か用事があるの?」


 コトちゃんが話題を変えてきたことだし、表情も明るいし、これ以上は聞かないでおこう。

 でも冒険者であるコトちゃんたちが、商人ギルドにどんな用事だろう……?


「そうっす。さっき爆弾投げた犯人が言ってたっすよね、漬物屋さんがどうのって!」

 それがどうしたのだろうか。


「ボクたち、この町に知っているお漬物屋さんがいるはずなのをすっかり忘れてて……。いるのか知りたいな~って思ったっす」

「ああ、学園の――ジェイミで商売している人がこっちに来ているかもってことだね」


 学園都市ジェイミでの顔見知りの商人さんと会いたいのだろう――そう思った。

 しかし、そうではなかった。


「いえ、そうじゃないんす。知っているっていっても、この町に来る前、野外実習のときに道で会っただけっす。ジェイミの人でも……ないはずっす」

「せやけど、この町に来ることは聞いとったんです。もしかしたら今は別の町へ行って、もうおらへんかもですけど……」

「まだいるなら、無事か確認がてら会いに行こうかなと思ったんです」


 どうやらよく知った商人さんではないようだ。でも、「無事」とは……?


「実はボクたち、その実習中に、漬物屋さんの馬車が魔物に襲われていたところに出くわしたんす。もちろんそのときはボクたちが倒したっす。でも、ちゃんとこの町に来れているか知りたいっす」

「……そう、なんだ。私、よく広場でお昼ごはんを食べるから、もしかしたらその商人さんたちを知ってるかも。何人くらいの、どういう感じの商人さんなの?」


 なぜだろう、どうも引っかかる。

 だから聞いてみた。


「そうっすね、護衛も連れずに馬車を走らせていたっすよ。だから魔物に襲われてたっす。二人でいて……あ、名前は聞いてなかったっす!」

「ジェイミの南の道で会うたんです。馬車一台でした。急いでいるからとか言うてましたけど……」

「次の町まで遠いのに、ちょっとあぶなかったわよね? しかも夕方近くに走らせてて……。主要な道じゃなくて、細くて暗いあまり行き来のない道を走っていたんです」


 それからコトちゃんはもう一つ特徴を思い出したようだ。


「あとは……あっ、漬物石に特別なこだわりがあったっぽいっす!」

「あー、そうやった。漬物石に布を巻いて大事そうに抱えていました」

「落ちたのを拾おうとしたんですけど、自分たちで大慌てで拾っていましたね。私たちには触らせないようにしていました」


 あ、怪しい――。

 もっと詳しく聞きたい。

 だからコトちゃんたちに次の質問をしようとした。

 すると突然、今まで私たちしかいなかった路地裏に男性が現れた。


「そこのお嬢ちゃんたち、オレにもその話、聞かせてほしいなぁ?」

「え、あ……! カ、カイトさん……」


 黒い人、もといカイト王子が立っていた。

 なぜここにいるのだろう?

 たまたま近くにいたのだろうか? ずいぶん地獄耳だ。

 あの伯爵家の子息たちは王都に送ったのに、まだ召喚石の件で帰れないのだろうか?

 私はいろいろと疑問が思い浮かんだけど、コトちゃんはただただ突然現れたことに疑問を持っていたようだ。

 しかもあろうことか率直な質問をした。


「おじさん、誰っすか?」


 きょとんとした声がこの静かな路地裏にはっきり聞こえた。


おまけ:光と闇の攻防


コト「あ、おじさん、見たことあるっす。ボクたちよりあとのchapterに出てきた人っす!」

カイト「おじ……っ、いいか、ちびっこども。オレのほうが先に出てんだからな? コミック三巻を見てみろ。ハーッハハハ」

ワーシィ「ペラリ(三巻をめくる)。えー、おじ……オニイサンおる? わからへんなあ」

カイト「……。よーく探してみろ! 冒険者のくせに細部が見れねーんじゃ、この先思いやられるな~?」

シグナ「おじ……おにいさん。どちらにしても私たちの方が、かわいくインパクト大で出てます!」

カイト「いちいち おじ で止めんな(ꐦ°д°)」



というわけで?

コミック版『転生した受付嬢のギルド日誌』

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