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163: お帰りなさい③ ~『支援強制』~


 新種の魔物のスキル欄に真相があったとは。


「勘違いしてた。こんなことになってるなんて……! 新種の魔物の力も上がっているし! と、ぁっと……」


 思わず大きな声を出してしまい、新種の後ろに張り付いているファンタズゲシュトル亜種に気づかれた。

『気配遮断』スキルを使っていても、大声を出したら気づかれるに決まっている。

 ファンタズゲシュトル亜種はこちらを見てニタリと笑った。

 でもこちらに寄ってくることはなかった。

 新種の魔物の側からわざわざ離れて月の光を浴びる気にはならないのか、それとも今忙しい(・・・)からか。たぶん後者だろう。

 こっちに来ないのならば、『羊の闘志』たちと戦闘しているあいだにこの二匹を詳しく見てみよう。


 特に、新種の魔物が持つ『支援強制』スキルが興味深い。

 まずこのスキル効果について。

 このスキルは味方の魔物から支援を引き出させる効果があり、使うボスによって味方の魔物にどう強制させるのか違いがある。

 自分の代わりに戦わせる、自身が大技を繰り出すために時間稼ぎをさせる、戦闘で弱まってくると周囲の味方から体力や魔力などを吸い取る――など様々な方法を取る。

 新種の魔物の場合、ファンタズゲシュトル亜種に応援してもらい自分を強くさせる、という支援方法を取るようだ。

 その応援は、「がんばれ~」と声をかけてもらっているだけではなく、新種の魔物の「力」を上げる効果がある。


 人間的な表現で表すと、

「おい! 俺が冒険者にやられないよう、力を上げる声援をかけやがれ!!」

「がってん、ボス!! 力アップボイスを出しますぜ!(なぜかボス向けにしか出ないし、拒否もできないんだよな~)」

 ――というような雰囲気だろうか?


 そしてこのスキルは、ボスの魔物なら持ちうるスキルであって、ボス以外の魔物が持つことはまずないという特徴がある。

 だから新種の魔物がボス的存在であると裏付けをとれた。

 それに、ボスとして戦闘指揮をする知恵もある。

 月が隠れたら、本領を発揮できるファンタズゲシュトル亜種を前に出させ、明るくなれば背中に隠し、そのあいだは力を上げさせるのだから。


 ただし、ファンタズゲシュトル亜種が前に出たときすぐ力が弱まったということは、その声援バフは持続力が低い、またはほぼないということではないかな。

 新種の魔物を倒すには、ファンタズゲシュトル亜種を引きはがすことがとても重要であるとわかる。

 先ほど騎士団が放った光魔法を阻止した、ということはファンタズゲシュトル亜種を消されるのを嫌がっている――新種の魔物側が不利になる、ということではないかな。


(ファンタズゲシュトル亜種を捕まえるのは、次に月が隠れたときにしよう。そこからは『羊の闘志』の皆さんも楽になるだろう……でも、うーん……)


 私がオバケを捕まえるのはいい。ただそこから先、気をつけないといけないことがあるのだ。

 さらに重要なスキルを発見したからだ。


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