表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
143/232

143: 町を守る!⑦ ~ハートのメガネ……~


 ゲンチーナさんのぞっとした視線の先――西へと続く道沿いにいる魔物を私も見た。

 緑色の腕が回っている。

 熊を持ったまま、自身の長い腕を使ってぐーるぐーる回しているのだ。

 新種の魔物――現在名前が付けられていないから『新種の魔物』としか言えないけど、その姿形は、かわいい顔をした腕の長い子猿のようだ。グリーンベアをおもちゃのように持っていることからも、そう見える。

 ただし図体がやけに大きく、森の木から頭が出るほどだ。“かわいい”という表現より“異様”という表現の方がしっくりくる。

 私があの魔物をじっくり見たのは、ファンタズゲシュトル亜種に襲撃される前だった。

 あのときは森の木々で全容がわかりにくかったけど、徐々に近づいてきたことで、全体像が見えるようになった。メガネもないのに……。


 そうだ、ハートのメガネ! もっとよく見えるようにハートのメガネを……あれ?

 ハートのメガネ、どこにやったっけ。収納魔法にしまって……ない。

 落とした? いったいどこに?

 そうだ、こういうときこそ『探索』スキルでっと……。

 ……意外と近くにあった――って。


「ハ、ハートのメガネが……」


 壊れている……!

 え、いつ壊れた……? カイトさんの武器を食らったとき?

 でもこれ、踏んづけられたように軸が曲がっているような……。

 もしかしてファンタズゲシュトル亜種の騒動のとき?

 まさかタチアナさんの目をごまかすときにしていたスキップで落ちた? 城壁に登って下りたとき?! でも登ったのは城門付近で、ここは北寄りだし……。

 そ、そんな~。久しぶりに使ったばかりだったのに。


「おい、障壁をもっと上に上げろ」

「ハートのメガネ……壊……」


 結構もろかったなんて。

 ダンジョン産だから頑丈なはずなのに。あ、でもサイズは、その人の顔の大きさに合わせられるという驚きの仕様だから、その分もろいとか……――。


「おいっ、マジで早くしろ!」

「え、あ……! はいっ。すみません……」


 いけないいけない。

 ハートのメガネは、あとにしよう。


 で、王子は何て言ったっけ?

 そうそう、そうだ、障壁を上に配置しろって……。

 城壁付近には元々張ってあるから、それはそのままにして、乗り越え防止の障壁は新しく出そう。

 ……よし。出せる範囲内に大きく広く出せた。

 グリーンサーペントが乗り越えられたことを考えて、それよりもうんと高く設置した。

 でも……今、私は北側にいて、南側は障壁を出せる範囲外だ。あまり南寄りに投げられると、さすがに厳しいんだけど……。

 きっと正面の西門近く――中央部に投げてくれるはず。それなら十分跳ね返せる。

 中央に投げてくれる……よね??


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

コミカライズ5巻は4月5日発売!

コミカライズ5巻&書籍情報

コミカライズ4巻は6月3日発売!

コミカライズ4巻&書籍情報

お店で本を探す際、こちらの画像をご参考くださいませ。

――・――・――

コミカライズ1巻発売中!

書下ろしマンガも入ってますよ!

コミカライズ1巻&書籍情報

お店で本を探す際、こちらの画像をご参考くださいませ。

↓こちらは2~3巻

コミカライズ2巻&書籍情報

コミカライズ3巻&書籍情報

☆☆

コミックは、ただいま連載中です。

お手数ですが、↓下記のアドレスをコピペして、スマホでご覧ください。

https://www.yomonga.com/title/883

☆☆

↓下の画像は小説1~2巻の情報です。

カバーイラスト&書籍情報

2巻のカバーイラスト帯付き&書籍情報

お店で本を探す際、こちらの画像をご参考くださいませ。

◆◆

↓ランキングに参加中です。

押していただければ幸いです。


小説家になろう 勝手にランキング

◆◆

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ