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召喚師で遊ぶVRMMOの話  作者: 北野十人
ロッカテルナ湖を攻略したい
150/176

150.施設ランクアップ

 ズラッと並ぶ受付に近づくと、勝手にオークションのメニューが開いた。話さなくていいのは楽な気もするけれど、ちょっとだけ寂しく思える。

 

 でも欲しいものを探すのに、いちいち尋ねるよりは、ぱっとリストを見たほうが楽だ。とりあえず鍛冶で作成できる武器を見たら、強そうな刀が売っていた。

 

 ただよく見るとフォレンチノを使っているらしく、修理不可の武器だった。オークションでは販売者もアイテムの製作者も隠すことができるのに、この人はあえてなのか名前を表示している。

 

 製作者の名前はマサムネ。きっとそれもロールプレイの一つなのだろう。

 

 頑張れば僕にも作れそうな数値だったので、特に買う気にならなかった。


 布装備のリストには、ミニ浴衣を見つけた。製作者が隠れているけれど、もしかするとラズベリーかもしれない。

 

 一着5000ウェドだけど、高いか安いかはわからない。レシピの取得が大変というのから考えたら、安い気もするけれど、性能を考えたら高いかもしれない。

 

 そういう風に考えたら、5000ウェドは意外と適正な気がした。

 

 鬼の村で買ったレシピも売っている。行けない人には需要がありそうだ。ただ3万ウェドが最低ラインなのは、石貨を集める手間も入っているのだろう。

 

 こうやってリストを眺めていると、鬼の村に行ける人がいることもわかるし、いろいろ考えさせられる。

 

 そういえば卵は売ってないのかなと、絞込で検索してみた。

 

 あまり期待していなかったけれど、3種類の卵が売っていた。

 

 一つは森狼の卵で、100万ウェドが相場らしい。もう一つは色猫の卵で、強気の300万ウェドになっていた。

 

 そしてもう一つ売っている卵は、驚くことにホワイトウルフの卵だった。

 

 ただ価格が5万BPで、ウェドでの販売ではない。円で考えたら5万円だ。

 

 ウェドが手に入ったから、これを使って銀級を引けば当選するかもしれない。

 

 もちろん当選しないこともある。

 

 でもここで5万円を払えば、確実に手にれることができるのだ。

 

「買っちゃえ」


 躊躇する価格だけど、自分の背中を押すように声を出し、ホワイトウルフの卵を購入する。

 

 『BPでの販売ですがよろしいですか?』の問いかけにも、迷うことなくはいと答えた。

 

 リストからホワイトウルフの卵は消え、僕のインベントリに格納された。すぐに取り出したくなるけれど、ここで眺めるのは目立ちそうだ。

 

 とくにこんな高いアイテムを買ったと知られて、絡まれるのは面倒くさい。

 

 クランハウスで確認するために、僕はオークションハウスをでた。

 

--------------------------


 クランハウスに戻ると、何人からかメールが返ってきていた。誰も駄目だと言っていないので、全員がOKと言ったら、すぐに仮想契約卵部屋をランクアップしよう。

 

 僕はソファに座ると、早速インベントリからホワイトウルフの卵を取り出した。その卵の表面には白い毛が生えていて、撫でると気持ちいい感じがする。

 

 光沢もあって、高級感ただようインテリアにもなりそうだ。

 

 とは言え、さすがに部屋に飾っておこうとは思わない。契約しないと意味がないし、インテリアには高すぎる。

 

 無くさないようにすぐにインベントリにしまうと、契約したくてワクワクする。ただやっぱりホワイトウルフもどう戦うのかわからないので、契約は後になるだろう。

 

 この短時間で3つも卵が増えてしまった。

 

 どれも貴重なものだから、失敗する訳にはいかない。

 

 全員のOKがもらえるまで時間がかかりそうなので、まずは魔物の卵屋へ行って、上位属性のエッセンスを100づつ買おう。

 

 そしてここに戻って、のんびりログアウトして待つのだ。

 

--------------------------


 ゲームに戻ってくると、ログインしているのはパンクとゴリの二人だけだった。

 

 だけど全員からメールが返ってきていた。しかも反対している人はいない。


 僕は安心して、仮想契約卵部屋をランクアップする。

 

 早速部屋に向かってみると、扉の上のプレートが、仮想契約卵部屋ランク2に変わっていた。

 

 僕はラビィを召喚し、はやる気持ちを抑えながら、部屋の中へと入る。

 

 少し部屋が広くなっていた。そして設備も大きくなっている。

 

 ただ大きくなっただけな気もするけれど、それで性能が良くなっていれば文句はない。

 

 僕はまず色猫の卵をセットした。

 

 予想通りにステータスが見えるようになっている。とはいえ、能力値はまだ見られないようだ。

 

 確認できるようになったのは、所持スキルの方だった。

 

 色猫は通常のスキルに爪1。固有スキルに人化があった。しかもスキルの詳細がわかるようだ。

 

 僕は人化が気になって、すぐに詳細を確認した。

 

 『人化:人のように変化できる』となっている。人に変化ではなく、人のようにが微妙なところだ。猫が人のようなになるとすれば、猫又みたいな感じだろうか。

 

 ただこの所持スキルから考えたら、近接系なのかもしれない。

 

 属性のエッセンスしか投入できないので、全部をじっくり試していこう。

 

 まずは烈火のエッセンスを100投入する。

 

 すると全身が赤くなり、顔以外が炎上していた。火の粉が上がっているのも見えるし、どうやら烈火では赤が強くなり、炎上エフェクトも追加されるようだ。

 

 しかもスキルを見たら、烈火魔法1も増えている。

 

 この流れで行くならば、それぞれの上位属性の魔法を覚えてくれそうだ。

 

 個数が影響する気がするので、烈火魔法を覚える最低のエッセンス数を調査する。

 

 すると烈火のエッセンスを1投入するだけで、すぐに魔法を取得していた。

 

 その状態で流水のエッセンスを1投入したら、烈火魔法が消えてしまった。しかも流水魔法も覚えていない。

 

 なんとなく流水エッセンスを2にしたら、流水魔法が追加される。

 

「多いほうが有効になるのか……」


 エリーの時は、火と水を取得していたのに、上位属性ではうまくいかないようだ。ただ魔物にもよるかもしれないし、妖精なら両方覚えられる可能性もあるかもしれない。

 

 いくつかパターンを試していたら、烈火と暴風、流水と堅土ならば同時に取得してくれた。

 

 個数は烈火と堅土を1づつでも魔法を取得するけれど、他のエッセンスが烈火と堅土の数を越えたら、魔法は消えてしまう。

 

 流水は青いベールのエフェクトで、小魚が泳いでいたり跳ねたりしている。暴風は木の葉が舞う感じだった。堅土はシャイニー系のオーラで、ふわっとした感じで体の周りを漂っている。

 

 上位の属性は見た目も特別な感じだ。

 

 だからこそ、性能と見た目を両立させたい。

 

 使い勝手も含めて、もっと検証していこう。

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