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召喚師で遊ぶVRMMOの話  作者: 北野十人
ロッカテルナ湖を攻略したい
145/176

145.お金儲けの誘い

 いろいろ考えて、森でロードラクルでも狩ろうと決めた。

 

ハイズ・ロフト:こんにちは。ひさしぶり


 そう考えた途端、ハイズからメッセージが届く。

 

ラル:こんにちは。元気だった?

ハイズ・ロフト:もちろん。今しかできなさそうなお金稼ぎに行かない?


 思いがけないお誘いだった。お金稼ぎはクエストくらいしか思いつかないけど、今しかできない感じなら、ここは話に乗ってみたい。

 

ラル:いいよ。でもなにをするの?

ハイズ・ロフト:鉱山迷宮に行こうよ


 運が悪いのか、鉱山迷宮はさっき行ったばかりだ。

 

ラル:ごめん。鉱山迷宮のハードは、さっき攻略してきたよ

ハイズ・ロフト:ハードじゃないわ。ノーマルに行くのよ


 ノーマルにどういう旨味があるのだろう。今回は関係ないけれど、経験値はうまくないし、鉱石もハードのほうが良いだろう。

 

 そこしか行けませんって言うなら、それはそれで理解できるけれど、ノーマルが良いっていうのは、ちょっと理解できなかった。

 

ラル:どういうこと?

ハイズ・ロフト:一緒に行ってくれるなら教えてあげる


 それもそうだ。お金稼ぎの方法だけ聞いてバイバイは、さすがに僕だって気が引ける。

 

ラル:行くよ。ノーマルで何するの?

ハイズ・ロフト:ノーマルで倒せる岩石人形は30体でしょ


 確かそれであっている。でも倒すだけなら、他でも良さそうだ。

 

ハイズ・ロフト:つまり10周で300体よ。短時間で簡単にそれだけ狩れるの


 お金稼ぎと結びついてこない。早く説明して欲しいと、なんだかもんもんとしてしまう。

 

ハイズ・ロフト:イベントボックスが、いくらで売れるか知ってる?


 ハイズが言っているのは、イベントポイントボックスのことだろう。ポイントが増えるからすぐに使用していたけれど、あの箱は販売可能らしい。


 クランに所属していないひとは、そうやって楽しめるようなイベントになっているようだ。クランからかなりお金が動きそうだけれど、強制ではないので、全員が楽しめるイベントとしては、悪くない気がした。

 

ラル:売れるのも知らなかったよ

ハイズ・ロフト:コモンで1000ウェドよ。アンコモンで3000ウェド


 やっとわかってきた。300体倒して全部コモンだとしても、売り切れば30万ウェドになる。

 

ラル:すごいね

ハイズ・ロフト:ウルトラレアの販売は見たことないけど、レア一つで3万なのよ


 そこで少しだけ引っかかる。レアの箱で手に入るのは10~50ポイントだ。30以上のポイントが入らなかったら、完全に損をする。

 

 でも期待値以上が出れば得をするのだから、ギャンブル要素を含めて考えるのだろう。

 

ラル:売れたら美味しいね

ハイズ・ロフト:レアは売れにくいけど、売れていることは間違いないわ


 1ポイント1000ウェド。レアで得を狙うよりも、損することもある以上、それが堅実なのかもしれない。

 

ハイズ・ロフト:急いで来てね。ポータルで待ってるわ

ラル:了解


 売るか使うか迷うところだけど、とりあえず集めておいて悪いことはない。

 

 僕はクランハウスのポータルから、鉱山迷宮へと向かった。


--------------------------


 ポータルからでると、目の前にハイズがいた。

 

 全身を覆うような革鎧に変わっている。前のような初期装備ではなく、確実に防御力が高そうだ。

 

「来てくれてありがとう。長くなっちゃったけど、これを返すわね」

 

 ハイズが持っているのは、以前に貸したままだった剣だ。たくさんあるサブ武器のひとつだったので、すっかり忘れていた。

 

「前に貸した剣だね」


 僕はそれを受け取ると、耐久度が回復していることに気がついた。

 

「本当にありがとう。ちゃんと修理しておいたから」

 

 サブ武器はメインよりも攻撃力は低いけれど、修理できる素材で作成している。ハイズは律儀にも、修理してくれたらしい。

 

 もしかしたらずっと使っていたから、耐久度が減りまくりだったのかもしれない。でもここは良いように受け止めておこう。

 

「今は何を使ってるの?」


 サブではあるけれど、僕の剣は弱くはない。だからそれに変わる武器として、何を使っているのか気になった。


「これよ」


 ハイズはインベントリから、薄く青く光る槍を取り出した。

 

「かっこいい槍だね」

 

 どうやら剣から槍に変えたらしい。輝きからみるに、魔法の武器なのだろう。これは間違いなく黒騎士の槍ではないし、僕は初めて見る槍だ。

 

「いい感じでしょ? お気に入りなの」

 

 ハイズは槍をなでると、すぐにインベントリにしまった。

 

「でも使っている人を見たことないから、迷宮以外では装備しないわ」

 

 珍しい装備はいい意味でも悪い意味でも目立つ。そういうのがハイズは嫌いらしい。僕のイメージでは、見せびらかして自慢する感じだけど、実際は違うようだ。

 

 どこで手に入るのか知りたいところだけど、そのうち自分で見つけてみせる。

 

 今は黒騎士の槍・改があるし、急ぐわけでもない。だからのんびりでいいのだ。

 

「さて。そろそろ迷宮に行こうか」

「私としてはラルの格好が気になるけれど、その話は戦いながら聞こうかな」

 

 ミニ浴衣が気になるらしい。でもいつまでも、ここで話していても仕方がない。


「いいよ。多分余裕だと思うし、タイムアタックのつもりで戦おう」


 僕はハイズとパーティを組むと、鉱山迷宮ノーマルに侵入した。

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