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召喚師で遊ぶVRMMOの話  作者: 北野十人
ロッカテルナ湖を攻略したい
144/176

144.クランイベント開始

 鉱山迷宮に入ってから、サクラとルードとエリーを召喚する。せっかくゴリがいるのだから、普段はできない布陣にした。

 

「ルード。よろしくね」 

 

 ルードは僕の方をチラッと見ると、槍を構えて直進する。ルードの侵入に反応して、周りの岩が岩石人形へと変化する。

 

「あれっ」 

 

 チラッとドロップリストを見たら、コモン、アンコモン、レア、ウルトラレアの全てに『イベントポイントボックス』が追加されていた。

 

 ボックスにはドロップ率の区分があるので、レアなものほどポイントが高いのかもしれない。

 

「ガァァァモォォォ!」


 ルードの咆哮に3体の岩石人形が集まってくる。

 

 サクラは2刀で岩石人形を斬りつけ、気持ちよくダメージエフェクトを飛ばしている。


 エリーは水魔法に火魔法と、連続で魔法を撃ち込んでいた。

 

「いい感じだね」


 ルードはナイトメアのボス戦での実績があるし、ハードならば余裕だろう。サクラとエリーの攻撃力も、ここなら十分に力を発揮してくれる。

 

「うぉぉぉぉ。我が神よ。ルードに癒やしを! ヒールでゴンス」 

 

 ゴリも余裕はあるみたいだ。でもナイトメアに行けるほど、僕らは強くないだろう。

 

 ナイトメアを気楽に攻略するためには、爆裂魔法などが必要になる。

 

 それは一度体験したので、僕はしっかりと理解していた。

 

>>>>>>>

イベントポイントボックスUC×1 を手に入れました

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 最初の一体目で、アンコモンのボックスを手に入れた。戦闘中だけど、気になって箱の説明を読んでしまう。

 

「2~5ポイント手に入る。ランダムなんだね」 

「コモンのボックスは1固定でゴンス」 

 

 せっかくなので開けてみたら、ポイントは3増えた。ゴリと合わせて4ポイントだけど、イベントのランキングリストのトップは、300ポイントを越えていたはずだ。

 

「努力と運でポイントたっぷりって感じだね。ムーンスピア」 

 

>>>>>>>

イベントポイントボックスUC×1 を手に入れました

<<<<<<<


 3体しか倒していないのに、まさかのアンコモンが2連続だった。久しぶりに僕は恵まれている気がする。


「ウルトラレアのボックスなら、一気に大逆転でゴンス」


 根拠はなさそうだけれど、かなりのポイントが予想できる。そもそもウルトラレアとか言っておきながら、100ポイント程度しか入らないならば、嬉しくなさすぎてつまらない。

 

 でも多すぎると、ウルトラレアをドロップしなければ勝てないとかになりそうだし、運営もさじ加減が難しいところだろう。

 

 卵と同じくらいの難度なのだから、ポコポコドロップしてもびっくりする。

 

「ちょっと余裕っぽいけど、範囲系が少ないからまとめて狩りもできないし、落ち着いて進んでいこう」 

「任せるでゴンス」 


 さて次へ行こうとした時、ゴリがなんだか不思議そうな顔でこっちを見ていた。

 

「どうかしたの?」

「いまさらでゴンスが、なんでミニ浴衣を着てるでゴンス?」


 ハードの迷宮に挑む格好としては、確かに不適格に見えるだろう。ミニ浴衣にイモキンの王冠、イモキンマント。モコモコの手甲もいまだに装備しているし、冒険者らしさには自分でも自信がなくなる。

 

「ラズベリーが裁縫でつくってくれたんだ。こうみえて、前の装備よりも防御力が高いんだよ」

「いくつでゴンスか?」

「7だよ」

 

 鉱山迷宮が静かになった。どこかに空いた隙間から、風が鳴る音だけが聞こえてくる。


「防御力なんて関係ねぇでゴンスな」

「当たらなければいいのさって言いたいけど、そのうち良い付与が見つかったら頑張るよ」


 ナイトメアで魔法を浴びた割には、なんとか耐えることができた。もしあれが物理攻撃だったなら、僕は負けていたかもしれない。

 

 そんな事にならないように、これからは防具にも気を使っていこう。

 

 なによりサクラの着物が目的なのだ。今はメイド装備の性能が良くて、着替えが難しい気がするけれど、最終的にはなんとかしたい。

 

「そろそろ行くでゴンス」

「そうだね。ルードよろしく」


 僕らはルードを先頭に、なんども来た迷宮を歩いて行く。

 

--------------------------


 ハードはなんの問題もなくクリアできた。せっかくなので限界まで周回し、経験値とイベントポイントを溜めていく。

 

 一度だけレアのボックスがドロップしたけれど、手に入るのは10~50ポイントと、かなりの差が存在した。

 

 ボックスをドロップする運があっても、高ポイントとは限らないと言うわけだ。

 

 そして僕が開いた時は、17ポイントを手に入れた。期待値は30なので、かなりダメダメだと言える。

 

 ゴリが休憩でログアウトしていったので、僕はクランハウスのエントランスで、ソファに座ってだらけていた。

 

 イベントのランキングを確認すると、すでにトップは1300を越えていた。

 

 僕らのクランは533ポイントなので、稼ぐスピードも負けている。トップ目指してってわけでもないから気にしないけれど、トップを取るというのは難しいものなのだ。

 

「もう少しでロッカテルナ湖レベルなんだよな」 

 

 あのゾーンを攻略目標にしてから、結構な時間が経過している。ラズベリーはバーガーを食べてレベル上げしたみたいだから、僕と同じかそれ以上になっているはずだ。

 

 どこかでレベル上げを兼ねて、イベントのポイントを貯めてもいいし、直接クランポイントになるのだから、どんどん戦っておきたい。

 

 どうしたものかと腕を組み、ソファにぐっと体を沈めた。

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