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召喚師で遊ぶVRMMOの話  作者: 北野十人
小鬼を仲間にしよう
13/176

13.そしてついに

 正直に言えば、あまりのドロップのしなささに、気分が暗くなっていた。もしもラビィがいなかったら、諦めていたかもしれない。

 様々なゲームでレアと言われるアイテムを手にしてきたこの僕が、初めて挫折していたかもしれないのだ。今思えば、もういいかと言う考えがよぎったことだけでもゾットしてしまう。レアハンターのこの僕が、負けるわけにはいかないのだ。

 

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小鬼の角×1

人エッセンス×2

鬼エッセンス×2 を手に入れました

小鬼の角×1

人エッセンス×4

鬼エッセンス×2 を手に入れました

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 そういえばラビィの種族はラビットチャイルドとなっていた。無限の可能性の中から別の進化を遂げているらしい。

  

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小鬼の角×1

人エッセンス×4

鬼エッセンス×5 を手に入れました

小鬼の角×1

人エッセンス×5

鬼エッセンス×1 を手に入れました

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 召喚獣でもスキルレベルは上がってくれる。それによって『アクアボディ』という火属性を軽減する魔法も覚えていた。


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人エッセンス×1

鬼エッセンス×2 を手に入れました

小鬼の角×1

人エッセンス×3

鬼エッセンス×5 を手に入れました

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 あれっきり『Tシャツの小鬼』も出ないし『はぐれ鬼』もいない。おそらくは倒した数が影響するのだろう。もしもプレイヤーがこの森で乱獲していたら、もっと出現しているのではないだろうか。

 

「突進! アクアショットナァ!」 


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小鬼の角×1

人エッセンス×3

鬼エッセンス×4 を手に入れました

人エッセンス×2

鬼エッセンス×1 を手に入れました

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 ふと考えに没頭してしまい、僕はいつのまにか戦闘をやめていた。そのままなんとなくラビィの戦いを眺めてしまう。

 

(突進して他の小鬼へアクアショット。なんて華麗なんだろう)


 アクアショットの魔法は、森に僅かに差し込む光を反射して、キラキラと飛んでいく。おそらくはキラキラの嫌いな人間なんていないはずだ。


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小鬼の角×1

小鬼の卵×1

人エッセンス×3

鬼エッセンス×4 を手に入れました

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「綺麗だ……」


 その動きに見とれていると、ラビィが向きを変えて僕に突進してくる。


「やったナァ! おめでとナァ!」

「えっ?」


 特にレベルアップもしていないし、今はラビィを見ていただけだ。僕の腰にしがみついて、くるくると回るラビィを見て、鈍い僕でもピンときた。

 

「あれっ」


 てっきりラビィがレベルアップしたのかと思ったが、はぐれ鬼で6レベルになってから変わっていない。

 

「ラビィ?」 

「もう。ログを見るナァ!」


 ログと言われて、ドロップログに目をやった。

 

「おっ、嘘でしょ。いや、嘘なわけがない。やった。ついにやったよ!」

「マスターは遅いナァ! でもおめでとナァ!」


 僕らは両手をつかみ合い、ぐるぐると回転する。そして二人でフォークダンス状態になった。

 そのうち僕は興奮しすぎたのか、自分でもよくわからないダンスになっていた。無意味にジャンプして、聞いたこともないような奇声を上げる。なのに全然落ち着かない。僕は両手をブルンブルンと回しながら、ジャンプとダッシュを繰り返す。


「何日目だ。ついにやったぞ。ラビィ。ありがとう」

「マスターの頑張りだナァ! でもうれしいナァ!」


 喜び疲れて地面に座り込んでしまったけれど、こういう時は空気を読んだかのように、小鬼たちは襲ってこない。周りを見渡しても姿がないので、僕はインベントリから卵を取り出した。

 

「少し形が違うんだ」 


 ラビィのは白くてツルンとした感じだったけれど、これは灰色ががってざらついていた。

 

「仲間が増えるナァ!」


 ラビィも期待している。僕は卵に向けて、契約を開始した。でもエッセンスの使用で動きが止まる。僕が欲しいのは鬼姫だ。エッセンスを使うことで、別の進化に向かったら、鬼姫には出会えないんじゃないだろうか。

 

 ゴクリと喉が鳴る。これだけ苦労した卵なのだ。絶対に失敗は許されない。

 

(どうする? エッセンスのドロップから考えれば、おそらく人と鬼から同程度の影響を受けているのだろう。いっそエッセンスを使わないか? いや。それはダメだと、僕の中の何かが警告している気がする) 

 

 使うのなら、きっとこれがベストだ。召喚師として頭に浮かんだ直感が、僕を後押ししてくれた。人と鬼を50づつ。それが僕の結論だった。

 

「契約!」 


 卵がまばゆく光りだす。そして二種類の光の玉が、卵の中へと吸い込まれていく。もう眩しいなんて言わない。目が潰れるくらいに光るなんて、すでに僕には予想済みなのだ。


 やがて光が落ち着いていくと、そこには間違いなく小鬼がいた。運がいいことに、小鬼の胸を黄色くてちょっと汚れの付いた布が覆っている。間違いなく雌。小鬼の雌を仲間にしたのだ。でも他の小鬼に比べ、肌の色が青みがかっていた。

 

「ウガガァ、ガァ」 

「えっ、言葉がわからないよ」

「名前をつけてって言ってるナァ!」 


 いつの間にか3レベルになっている魔物言語でも、小鬼の言葉が理解できなかった。いや、言葉とも思わなかったけれど、ラビィにはわかるようだから、おそらく言葉なのだろう。

 

「名前だね。それは決めてるんだ。サクラ。名前はサクラだ」 

「サクラ、ウガァ」


 そう言うとサクラはぴかっと光って消えてしまった。

 

「えっ、なに。気に入らなかったとか?」 

「大丈夫ナァ。気に入ったって言ってたナァ。消えたのは、召喚制限だナァ」


 ラビィの言葉で安心した。公式の鬼姫のイラストを見た時、サクラと言う名前が思い浮かんだ。薄桃色の着物で、刀を構えていたせいだと思うけれど、それ以外にふさわしい名前なんて考えられない。いきなり消えたのはびっくりしたけれど、10レベルにならないと二体同時召喚はできない。でも僕はこの前の『はぐれ鬼』で6レベルになったばかりだ。


 もう僕がこのゾーンでやり残しているのは、『小鬼の村』で仲良くなれるのか確かめることくらだろう。


「よし。この後は小鬼の村に行くよ。僕の予想通りなら、きっと仲良くなれるはずだ」

「わかったナァ」


 僕らはこうして、初めて森の深部へと進んでいった。

 

 小鬼を仲間にしよう 完

現在のステータス


==================

名前:ラル

職業:召喚師6

魔法力:64+5


物攻:48+21

物防:43+7

魔攻:51

魔防:38


体力:36

筋力:38+2

魔力:43

敏捷:37

反応:38

幸運:15

技能:剣5

  :魔力制御8

  :魔力の雫8

  :魔物言語3

  :識別6

  :運動3

  :夜目8

魔技:無魔法8

  :R1.ムーンブラスト

  :R2.ムーンシールド

固有:召喚

称号:クレアの注目

装備:バスタードソード 攻21

  :小鬼のTシャツ  防6

  :茶色いズボン   防1

  :鬼の指輪     筋力+2

SP:60


==================


==================

名前:ラビィ

職業:ラビットチャイルド6

魔法力:69


物攻:43

物防:46+2

魔攻:56

魔防:42


体力:39

筋力:37

魔力:46

敏捷:52

反応:51

幸運:15

魔技:水魔法6

  :R1.アクアショット

  :R2.アクアボディ

  :癒魔法3

  :R1.ヒール

  :R2.キュアポイズン

装備:ワンピース  防1

固有:突進

==================


==================

名前:サクラ

職業:小鬼1

魔法力:25


物攻:42

物防:32

魔攻:17

魔防:22


体力:27

筋力:28

魔力:17

敏捷:21

反応:24

幸運:10

技能:刀1

固有:暗視

  :金属防具不可

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