オーレリー様を調査せよ!
オーレリー様の人となりを調べるのをすっかり忘れていた私は、次の日に早速手紙を書いた。その日のうちじゃなかったのは、疲れ過ぎていたからだ。
もう馬車の中で寝ちゃいそうになるくらい、疲れていたのだ。家に帰ってからもぐったりしていた。湯浴みすらもしたくないくらいの疲れっぷりでしたよ。
そんな訳で、手紙を書くのが今日になってしまったという訳さ。
もう手紙は書き終わって、伝令さんにお手紙をサンシューズ家まで持って行って貰いましたとさ。伝令さんには伝言もお願いしてある。『急ぎではありませんので、お時間がある時にお返事下さい』と。
これで良しだ。
もちろんレオ様だけにお願いするつもりはない。私だって自分で調査出来る事は調査するんだい!まず最初はお父様とお母様だよね。
私は、早速お昼ご飯の時にお父様とお母様に聞いてみる事にした。
「そういえば、昨日のお茶会にオーレリー・アントネッティ様もいらしてましたわ。とてもお美しい方ですね。憧れてしまいますわ。でも、あまりお近付きになれなかったのです。なので、何か知っている事がありましたら、教えて下さいませ」
憧れたっていうのは方便だ。私がいきなりオーレリー様の事を聞いたりしたら、怪しいでしょう?理由を聞かれると思うんだよね。だけど、こう言っておけば怪しまれずに聞き出す事が出来るって訳だ。
ーナイスだ、私!冴えてるぅ〜。
「ほう。オーレリー嬢に憧れているのか」
「それは良い事ね。オーレリー嬢は、礼儀正しくマナーは完璧の上、頭脳明晰だとか。そして、その身分をひけらかす事なく、慎み深く公明正大だそうよ。そんなオーレリー嬢に憧れるなんて、これはシフィルもオーレリー嬢を見習ってお勉強を頑張るという事よね」
「えっ!?………ええ、頑張りますわ……。ホホホホホ……」
うぅ。この『憧れ』作戦はやぶへびだったかも……。いや、勉強は頑張りますよ?頑張るつもりはあるけどさ〜、お母様に『勉強頑張れ』って言われるのって何か圧力を感じる……。ああ、これがプレッシャーってやつなんだね。
「オーレリー様はとても素敵なお方なのですね…」
「ええ、そう聞いてます」
「うん。そう聞いてるね」
「そうですか。分かりました。ありがとうございます」
聞くところによると、オーレリー様は素晴らしいお方のようだ。礼儀正しくマナーは完璧の上、頭脳明晰。そして、慎み深く公明正大。それって、凄過ぎでしょう!!流石、公爵家のご令嬢。
ただ、問題は裏の顔だ。裏で悪役令嬢のような事をしていないとは限らないからね。
裏の顔はあっても良いんだけどねー。それが悪役令嬢じゃなければ良いって話なだけで。表の顔が素晴らしすぎて疲れちゃうんじゃないかと思うし。けど、それは誰もいない所でだらけているとか、実は勉強してると見せかけてよく居眠りしているとか、そういう平和なものであってほしい。どうか、悪役令嬢じゃありませんように。
でも、裏の顔があるかを調べるのは難しそう。大人に聞いても、お父様とお母様と同じような感想?意見?が出てくるだけに違いない。
でも、子供に聞くって言ってもなぁ。私、実はお茶会ではレオ様以外の人とは親しくなれなかったのです…。同じテーブルの子達とはお話してたけど、たくさんお話する前にシャルロ殿下がテーブルに来られたし、その後にハチ騒動があったから、仲良くなる時間がなかったのだ。
学院に入学したら、友達が出来ると良いなー。貴族の子だったら、『身分差が〜』とは言われないしね……。うぅ。木から落ちて謝りに行ったあの時に言われた事は、今でも心にひっかかっているのだ。まあ、同じ貴族の子なら大丈夫だろう。
それとも、今度は爵位の差の壁が出てきたりするんだろうか。同じ伯爵位の子なら問題ないのかな。そしたら、まずは伯爵位の子とお友達になる事を目指すようにしようっと。
オーレリー様の事は、結局今はレオ様を頼りにするしかなさそう。レオ様、頼りにしてます!学院に入学したら、私が頑張りますから。断罪イベントは入学してすぐにある訳じゃないからね。
イベントが起こる前にオーレリー様の人となりを見極めて、もし悪役令嬢だったら私が適切な方向へ導かなければ!シフィル、頑張ります!
でも、どうやって導こうか。うーーーーーーーーーーーーーーーーーむ。私は考えに考えた。
そうだ!悪役令嬢が出てくる本を書こう!ほら、教訓が書かれてる本とかあるじゃない?そんな感じのを書いたらどうかな?
あとは、悪役令嬢が改心する話とか。『改心したら良い事があるよ〜、ほら悪役令嬢を辞めようね〜』的な感じで書くのも良いかも。この方法なら、私も今から頑張れる!
シフィル、頑張ります!!




