表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/75

師匠と呼ばせて下さい!

「どうして、そうなる!」


レオ様にそう言われた私は、キョトンとしながら問い掛けた。


「違うのですか?」

「全く違う!」

「そうなのですね。てっきり10歳なのかと勘違いしてしまいました。申し訳ございません」


でも、まあ、そうだよね。ゲームでも殿下達と同学年だったし、侯爵家の子息が年齢詐称なんてするはずないよね。


「でも、それでしたら、なぜ?」


私の『なぜ魔石が使えたのか』という質問に、レオ様はメダルを差し出してきた。


「これは、何ですの?」

「これは、特例の証だ」

「特例?」

「そうだ。特例を認めて貰えると、10歳前でも魔石を使った実践を行う事が出来るんだ」

「そうなのですか!特例って、どうしたら認めて頂けるのですか?」


私の質問に、レオ様が丁寧に説明してくれる。


「特例は、魔力量が多く、魔術の知識を身につけていて、精神的に落ち着いている者が認められる」

「なるほど。分かりました」


レオ様の説明に、私は特例を諦めた。ちょっとでも特例として認めて貰いたいと思った私がバカだった。魔力量は普通だって言われてるし、魔術の知識は教えて貰い始めたばかりだし、精神的に落ち着いなんていない。無理すぎる。


でも、知識を得るのは8歳になってからだったよね?それなのに、もう身につけたって事なの?この人、天才か!!って、ゲームでは天才だった。


「すごいのですね」

「いや、ウチは更に特例だからな」


『ウチ』って言うと、サンシューズ家だよね?確か、現サンシューズ家当主であるレオ様のお父上は、魔術院長官だったような。


「魔術院長官様のお家だからですか?」

「いや。それも無きにしも非ずだが、ウチが代々魔術師を輩出する家系だからだ。特例として6歳から魔術の知識を学ぶ事が許されている。まあ、それも落ち着いた性格の者しか許されないのだがな」

「なるほど〜。それで、ドレスをあっという間にキレイにする事が出来たのですね」

「そうだ」


レオ様の話を聞いて、私はレオ様を『すごい人』だと認識した。


「他にも、何か出来るのですか?」

「出来る」

「例えば、どの様な事をお出来になりますの?」

「そうだな。風の魔石を使って、重さをほとんど感じずに運ぶ事が出来る」


レオ様にそう言われ、私はピンときた。それって、さっきの私の事を言ってるんだよね?お姫様抱っこの事だよね?


ーあ〜、良かったぁ。重さをほとんど感じないなら、私の体重は知られてないって事だよ。ほっとしたー。


ほっとしたら、次にレオ様への尊敬の念が湧いてきた。もう魔石とか魔術を使いこなしてるなんて、レオ様ってすごい!!


「同じ歳なのに色々な事が出来るなんて、すごいのですね!わたくしのドレスをキレイにして下さいましたし。ありがとうございます!ぜひ、師匠と呼ばせて下さいませ!」

「はっ?師匠?」


その時のレオ様の顔には、『意味不明』『理解不能』と書かれていた。しまった。唐突すぎたか。


「断る!」


案の定、ソッコーで拒否られてしまった。残念。でも、こっちのレオ様はどうだか分からないけど、ゲームのレオ様は人嫌いだったし、ここは大人しく引く事にしよう。本当は、本当に弟子にして貰いたいくらいなんだどなー。


「そうですか。それは、残念です。では、学院に入学した後、魔術の授業で分からないところがあったら、教えて下さい」

「なぜだ?教師に聞けば良いではないか」

「嫌です。先生よりレオナール様の方がすごそうではありませんか!それに、同級生にすごい人がいるなんて、すごいですもの!ぜひ、教えて頂きたいのです!」


私が勢い込んで言うと、レオ様はぽつりとこぼした。


「……気味が悪くないのか?」

「はっ?何がですか?」


ーしまった!思わず素が出ちゃった。


けど、幸いな事にレオ様は私の言動に気がついていない様だった。


ー良し良し。しめしめ。


私はさっきの言動をなかった事にして、しれっと問い掛けた。


「あの、ちなみに伺いますと、『きみ』というのは卵の『黄身』ではありませんよね?」

「断じて違う!だから、どうしてそうなる!」

「いえ、先ほどわたくしが早とちりをしてしまいましたので、今回はきちんと確認しておこうかなと思いまして」

「……なるほど」

「レオナール様、気味が悪いというのは何がですか?あっ!待って下さい!分かりました」


レオ様が口を開きそうになるのを、私は手で制した。


「レオナール様のそのお顔が、気味が悪い程に美しいという事ですね!」


ーどうだ!この名推理!決まったな。フフフフフ。


私がドヤ顔で『そうに違いない』とうんうん頷いていると、レオ様が言った。


「全く違う!!」


ーあれ〜?おかしいな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ