表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/75

えっ?ここって、乙女ゲームの世界だったんですか?

チャララララ〜♪


キレイな音楽が流れ、夕陽で茜色に染まる薔薇の庭園。そこで、1人の少年が一輪の薔薇を差し出す。


「この薔薇を君に……」


☆☆☆☆☆


ー間違いない。シャルロ殿下はあの『殿下』なんだ。


そう確信したのは、私の頭の中に流れ出した映像に映る顔とまるっきり同じ顔をしているからだ。そう。薔薇を差し出す男の子は、シャルロ殿下なのである。

何度、思っただろう。この薔薇を差し出す相手がヒロインじゃなくて、騎士団団長令息だと良いのにと。私にとっては、この2人こそがベストカップルなのにぃ〜と。


ーはっ!じゃあ、騎士団団長令息のイレール様もいらっしゃるのでは?


辺りを見回してみるけど、ちょっと分からなかった。


ー周りに大人が多過ぎるよ!


背の高い人達がいると、なかなか周りが見えないものです。ああ、無情……。


ーそれにしても、ここが乙女ゲームの世界だとはな〜。


よくラノベではその設定の本を読んでたけど、まさか自分の身の上に起きるとは…。思ってもみなかったよ。

って、待てよ。それって事は、つまり。私はゲームの登場人物になるって事?私って、作り物なの?この身体が?

でも、普通にお腹空くし、眠くなる。痛いものは痛いし、普通に涙も出る。

それなのに、生きてないの?


ーそんなのは嫌だ!絶対に認めない!


きっと、乙女ゲームに似た世界に違いない。そうに違いない。この世界の事を夢で受信した人がゲームを作ったのに決まってる!

と言うか、それ以外は認めない。例え現実逃避であったとしても、それでも良い。私は、私の大切な人達は、ちゃんと生きている!

私は無理矢理自分の中で、この世界に折り合いをつけた。


ゲームのキャラに似ている人がいるって事は、一応夢受信説で納得したんだけど、じゃあ私ってどうなんだろう。『シフィル・ミシェーレ』ってキャラ、いたっけ?

『この薔薇を君に』は、もう何年も前にやってたゲームなんだよね〜。そりゃ、どハマりしてたけど、基本的に主要キャラしか覚えてないし……。

攻略組4人とヒロインと悪役令嬢と…。ダメだ。後は出てこないや。でも。


ーま、いっか。私が悪役令嬢じゃないなら、別に気にする事ないか。


その他のただの学院の同級生なら、特に私に悪い事なんてないもんねー。私はアッサリと自分に似たキャラがいたかどうかを思い出すのを諦める事にした。


私が、この世界が乙女ゲームに似ている事に衝撃を受けているうちに、とうとう挨拶の順番が回ってきた。

最初はお父様が挨拶をする。お父様の挨拶が終わったら、次は私の番だ。


「お初にお目にかかります。シフィル・ミシェーレと申します。ご尊顔を拝しまして、光栄に存じます。以後、お見知り置き下さいませ」


私はドレスの両脇をちょこんとつまんで、挨拶をした。あれですよ。マンガやアニメで見かける、お嬢様の挨拶ですよ。

この挨拶は、カーテシーと言うらしいけど、このカーテシーを最初に練習した時はドキドキしたものだ。あのお嬢様挨拶を私もするのだと。


それはともかく、私は挨拶をやり切った。齢8歳でここまで挨拶出来たのなら、なかなかのものじゃない?思わず、『ふふーん』と胸を張って自画自賛してしまう。


声がかかり、顔を上げると、王妃様が優しげな笑みを浮かべていた。


「今日はよく来てくれましたね。楽しんでいって下さいね」

「ありがとう存じます」

「シャルロです。宜しく、シフィル嬢」

「こちらこそ、宜しくお願い致します」


こうして、私とシャルロ殿下の初対面は終わった。


ーはあ〜、終わったぁ〜。


乙女ゲームショックで、さっきまでの緊張が一気に吹き飛んでいったから、何とか無事終える事が出来た。良かった良かった。

でも、これで終わりではない。これは、まだ本の序の口なのだ。出席者全員と挨拶出来るようにとの配慮から、他の出席者への挨拶が控えているのです。


爵位の高い順に王妃様・シャルロ殿下への挨拶を終えていったんだけど、その終わった人達がバラの生け垣に沿って立っているのだ。


ーまだまだ先は長そうだ。はあ〜、疲れる。


最初に私達が挨拶するのは、公爵家の皆様だ。

私は、最初に挨拶する人達を見て、息を飲んだ。


ールカ様!!


いたよ!攻略対象が!

ルカ・ルクレーア。ルクレーア公爵家の長男。現宰相の子息にして、シャルロ殿下の従兄弟になる。通称は、『ルカ様』か名前と名字の頭文字をとって『ルル様』。

白銀の髪に、はちみつ色の瞳。その顔立ちは、甘く可愛らしい。女装させたら、私なんかよりよっぽど可愛くなるだろう。

その天使のような見かけに反して、性格は腹黒毒舌。そして、ツンデレ。この人、可愛すぎるでしょ!

イレール様との『この体力バカ!』『お前なんて、体力ないくせに』というやり取りはお約束だった。ファンの間では、『この2人がお似合いだ』と盛り上がりを見せていた。私もお似合いだと思う。

それでも、私のベストカップルは殿下とイレール様だけどね。

この世界でも、2人のお約束のやり取りは見られるだろうか。ぜひ見たい。


次に挨拶をしたのは、悪役令嬢でした。


ーうわぁー、いたよ。


『この薔薇を君に』の悪役令嬢、オーレリー・アントネッティ。アントネッティ公爵家の長女。

金髪に碧眼の美人さんだ。

けど、悪役令嬢のお約束で、オーレリーの未来には破滅が待っている。


ーうう〜ん。似た世界ではあるけど、もしこの人が悪役令嬢な性格だったとしたら、似た結末が待っているのかもしれない。それは、嫌だなぁ。


破滅するかもしれない未来を変えたいと思った。知ってて何もしないのって、気持ちがモヤモヤするし、目覚めが悪い。

私は、オーレリーの人柄を観察する事に決めた。何か悪い事をしそうになったら、止めないとね。


公爵家は2家だけで、次からは侯爵家になる。

侯爵家のトップバッターは、私のベストカップルの片割れであるイレール様のシュバリー家だ。

イレール・シュバリー。騎士団団長令息。薄い茶髪に空色の瞳。

爽やか系イケメンで、性格は正義感があり、明るく朗らか。そして、頼りになる。通称はイル様。

イレール様は、ルカ様に言われる通り体育会系男子である。


次に挨拶をしたのは、サンシューズ侯爵家。サンシューズ侯爵家には、攻略組最後の1人レオナール・サンシューズがいる。

長めの黒い髪に、金の瞳。

顔立ちは、美形。そして、性格はクール。


ーわぁお!生レオ様だ!


流石は攻略対象の皆様。揃ってイケメンである。これは、鑑賞しがいがあるというものですな〜。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ