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誕生の魔石

「風の魔石への魔力の登録って、学院で勉強したら出来ますの?」


私の疑問に、お母様は頷いた。


「そうね。学院で魔術の実技を学んだら出来るわよ」

「そうですか。やはり学んでからではないとダメなのですね」


私は『やっぱり』と頷いた。でも、そこでハタと気がついた。


「では、何故生まれたばかりの赤ちゃんには登録が出来ますの?」

「それは、専用の誕生魔石を使っているからよ」

「誕生魔石?そういう名前だったのですね」


自分の魔石がそういう名前だった事を初めて知ったよ。


「それで、その誕生魔石と普通の魔石は何が違うのですか?」

「誕生魔石は、魔力が空の魔石な上、勝手に魔力が溜まらない様にしてあるのです。そして、赤ちゃんから出る魔力を吸収しやすくなっています」

「ほうほう」


なるほど。そんな機能がある魔石だったとは知らなかったな。


「普通の魔石とは色々違うのですね」

「そうなのよ。でも、わたくしもどう違うのかはっきり知っている訳ではないのよ」

「えっ!お母様でもですか?」

「そうよ」


お母様もよく知らないなんて、あるんだ。


「お父様は知っているのですか?」

「いいえ。知らないわ。誕生魔石は神殿で取り扱っているの。だから、神官や巫女でないと分からない事が多いのです」

「へー、結構謎が多い物なのですね」

「そうなのよ」


お母様は、右手を頬に当てて頷いた。


「何か他にも秘密があると思うのですけどね」

「分からないのですね」

「そうなの。まあ、それはとにかく、魔力の使い方を学ぶまでは、普通の魔石には登録出来ないという事ね。シフィルも学院に入るまではお預けですよ」

「はぁーい」

「あとは返事が来るのを待つだけなので、魔石を使っての手紙の配達はこれでおしまいよ」

「分かりました。では、わたくしは部屋に戻りますね。お返事が来たら、教えて下さい」

「分かったわ」


そこで私達は一旦解散となった。

私はお母様に言った通り、部屋に戻る。部屋に戻ると、ミーアに紅茶を淹れて貰う。


「どうぞ」

「ありがとう」


紅茶を飲んで、一休み。そもそも草むしりで疲れてたのに、シャルロ殿下からの招待状で休憩出来なかったのだ。シャルロ殿下め〜。


「疲れた」


思わず、ぽつりと呟いてしまった。ゆっくり休みたい。

紅茶をぐっと飲むと、私は立ち上がった。ゆっくり休むには、着替えた方が良いからだ。

草むしりをしてたから、着ているワンピースには少し土がついているのである。


「ミーア、着替えるわ」

「かしこまりました」


私が着替えるのを見越していたのか、ミーアはすぐに着替えと濡らしたタオルを持って来てくれた。

濡らしたタオルで身体を拭くと、サッパリした。草むしりで汗かいたからね。


「どうぞ」


ミーアが新しいワンピースを着せてくれた。特別な時以外は、私はワンピースを着る事にしているんだ。公爵家のご令嬢などは寝る時以外はドレスを着ていたりするらしいけど、大変な事だ。肩が凝るだろうに。心労的に。


一応、私だってドレスは持っている。持ってはいるけど、とてもじゃないが王子様の前に着ていける物じゃないのだ。アルール姉様に借りるのは、その為だ。

アルール姉様の為に作ったドレスならば、品質は良い物だろう。もし、ドレスの型やデザインが古ければ、アレンジすれば良い。切らないでもアレンジする事は可能だもんね。

家庭科部で培った私の腕がなるわー!


着替え終わったら、時計が鳴った。12時を表わすバラの刻の鐘だ。もうお昼ご飯の時間。

私はそのままお昼ご飯を食べに向かった。


ダイニングルームに入ると、まだ誰もいなかった。どうやら私が1番乗りらしい。

イスを引いて貰って座ると、そこにお父様とお母様が入って来た。

2人がそれぞれ席に着いたところで、カティアが入って来た。


「あら、わたくしが最後ですのね。お待たせしてしまったのなら、申し訳ございません」

「いや、今来たところだから、大丈夫だ」

「そうよ」

「ええ、わたくしもついさっき来たばかりよ」


私達3人の応えに、カティアはほっと微笑んだ。


「それなら良かったです」


カティアも席に着いたら、ご飯の開始だ。『いただきます』の挨拶をして、食べ始める。


「カティアは今日は何をして過ごしていたの?」

「今日は、お部屋でご本を読んでました。まだ途中なので、この後も続きを読む予定なのです。続きが気になって仕方がありません」


カティアは続けて「なかなか読むのを止められず、お昼ご飯にちょっと遅れてしまいました」と恥ずかそうに打ち明けた。


その恥じらう様子に私は打ち震えた。


ーか、可愛い〜!!!


私の同じ事をしても、あんなに可憐な感じにはならない。むう。羨ましいぜー。


そんな事を考えていたら、いきなり窓から鳥が入って来てびっくりした。


「鳥が!」

「通り抜けた!?」


カティアは鳥自体に驚いてたけど、私は窓を通り抜けて入って来た事に驚いた。


ー魔石の鳥って、物を通り抜ける能力があるの!?それってすごい!魔力で出来てるから、壁とか関係ないのかな?

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