夢の中
この先の事を考えて、念の為、【残酷な描写あり】を設定しました。
行き当たりばったりですみません。
「真衣子、早くおいでー」
「待ってよー。お父さん、お母さん」
2人のところに走って行って、手をつなぐ。一緒にお出掛け出来るのがとても嬉しくて、にこにこと笑顔でお話しする。
【小学校入学式】と書かれた看板の前でお母さんと並んで写真に写る。お父さんが写真に撮ってくれた。
まだ暑さが残る中、行われた運動会。
かけっこや玉入れを頑張ったっけ。
小学5年生の時に盲腸で初めて入院した。同じ部屋には2歳年上の女の子がいて、本を貸してもらった。
こんなに面白い本があるんだ!それに素敵な絵がある!!
絵本を卒業してから読む本には絵がないと思ってたから、びっくりした。
小学校の卒業式。ほとんどの友達が地元の公立の中学校に進学だったから、ちょっと泣いたけど、いっぱいは泣かなかった。
中学校に入学して、剣道部に入部。大変な事もあったが、やりがいもあった。
クラブ活動では文学クラブに入った。退院してから、読書が趣味になったから。ファンタジーやミステリーの本をよく読んだ。
しかし、ここで、新たなジャンルの本を知る事になり、それはそれは凄まじい衝撃を受けた。
それは、ずばりBLだ!!
文学クラブにBL好きの女の子ー通称、腐女子な子がいたのだ。
その子のオススメの本を貸してもらい、世界への認識が変わった。
こんな世界があるなんて...。
高校生に入学してからは、家庭科部に入部した。活動内容は、料理(お菓子も作るよ)と手芸。
文学部に入ろうかと悩んだけど、文章を書い才能がないので入らなかった。
家庭科部はとても美味しく、楽しい部活だったから、家庭科部に入って良かった。料理も手芸も出来るようになったし。まあ、腕前はまだまだですが。
クラブ活動は、高校にはなかった。それは残念だった。
趣味の方では、ゲームでも新たな世界に手を出すようになった。
それは乙女ゲーム!ヒロインが攻略対象のイケメン達を攻略していく恋愛シミュレーションゲームだ。
イケメン達を攻略していくのは楽しかった。だけど、それよりも攻略対象同士で妄想して楽しむのが、また楽しいのである。
「ああ、殿下と騎士、超イイ!」
☆☆☆☆☆
パチっ。
目を開けると見知らない天井が見えた。
ーあれ?ここ、どこ?
ベッドに寝たまま、首だけ動かして右を見て左を見る。
「あぅ。イタタタタ」
頭が痛い。
「うーーー」
思わず呻く。
ー何で頭が痛いの?
痛いところを触ってみると、そこにはタンコブがあった。
「ん?」
何でタンコブなんてできたんだろう。いつ頭をぶつけたんだっけ?