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ドジな女神に不死にされました  作者: 無職の狸
第三章 巻き込んだ男と巻き込まれた少女
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<C03> 神のような称号

おまたせいたしましたm(_ _)m

約三週間ぶりの再開に付き、幕間を合わせて四話目を投下します。


††


 で、そのザックってのは皇女様を傷つけ侍女を殺したあと、逃走でもしたのか。

 

 普通なら皇女様に傷を負わせたとかなれば、事の如何はともかく唯じゃ済まないだろ。家督は取り潰しになって本人は処刑かな。最低でもそんなところか。


 でもアリスの言い方からしてまだ生きてるのか。


「ザックはまだ生きているわ。魔族になって。」


 は?意味わかんねぇんだけど。

 【勇者】だろ?なんで【勇者】が魔族になるんだよ。おかしいだろそれ。


「元々【勇者】の称号をもっていたザックは、ここからは推測だけど、【勇者】に有るまじき行為を繰り返し、剰え《魔闘大会》で私に負けた事で憎悪が奴を変えたの。」

「変えた?」

「あいつは魔族になった。」

「魔族?は?なんだそれ、勇者って人じゃないのかよ、なんで魔族なんだ?」

「いいから聞きなさい。魔族になったザックは私を殺そうとしたけど、皆のお陰で私は助かった。でも、侍女のエリーザは私を助けるために死んでしまった。だから私はエリーザの仇を討つために、ザックを討つために旅をしてるの!」

「よくは判らんが、仇討ちの旅ってやつか。」


 アリスの事情はなんとなく解った。なにしろ話しているうちに、だんだん顔が赤くなって興奮してきてるしな。相当な憎しみを抱いているってことだろう。


 でも侍女の仇討ちか。侍女なんて奴隷みたいなもんじゃないのか?そんな下層階級の為にとか……俺にはよく解らないけど、よほどなにか因縁めいたものを感じるなぁ。


 しかし【勇者】なのに、魔族になっちまうなんて、そんなこと起こるのか?この世界わけわからん事ばかり起きるな。


「魔族って、元は人間なのかな?」

「分かんないよ、機会があれば女神に聞いてみたいけどね……」


 まぁそりゃそうだよな。女神に聴くには死なないといけないけど、俺は死ねないし、普通は死んだらそれで終わりだからな。


 誰か詳しい奴がいたら聞いてみたいな。


「……話し変わるけどさ、もしザックがあの時一緒に死んだんだとしたら、そうだとしたら……まさか残りの2人もこの世界にきてるのか?」

「それはわからない。でもあいつら3人のうちの1人はこの世界に来てるし、ザックが魔大陸ノスフェラトゥに居ることは確か。」


 つまりアリスが会ったのは、ザックだけってことか。


「まさか他の2人も来ている、なんて事はない……よね。」

「そんなの俺にも判らんよ。判らんけど、残り2人があの時死んだとしたら、来ている可能性は捨てきれないな。」


 くそあの駄女神め、余計な事をしてくれる。


 あんな奴らが下手な称号貰ってたりしたら、あ~なんか悪い予感しかしねぇ。


「ね、ねぇ、話し変わるけどさ、貴方も称号もらったんでしょ?」


 アリスが俺に尋ねた。もしかしたら、またおかしな称号を持っているんじゃないかと、心配なんだろう。実際おかしな称号だしな。

 

「俺は最初は称号も貰えなかった。」

「え?」


 だろ、驚くだろ。村人の上に称号無しだぜ。最低だろ?


「最初はって、どういう意味なの?」

「俺に聞く前にお前、自分のを教えろよ。」


 せめて先に教えろ。多分俺の称号より数段良い物貰ってんだろ?


 俺は鑑定眼をもっているから、見ようと思えば見れる。だけどこのスキルの難点は、見た相手を不快にさせて敵意を煽るんだな。

 

 まあ覗き見されたようなもんだから、仕方ないだろ。以前にルミが吸血鬼の時に見られた感触があったが、あれは結構ヤバイ。憎悪にも似た敵意が湧いたからな。


 相手が魔獣とか魔族ならともかく、それ以外ではできるだけ使わない方がいい。全く使い時に困るスキルだ。


「ああ、そう、そうだよね。あたしは【天臨王】っていうの。」

「【天臨王】?なんか凄そうな称号だな。」

「『天より降臨せし者。天の理地の理を知り森羅万象を知る者』だって。ぶっちゃけ意味分かんないし。」

「なんかそれ、めっちゃ強そうじゃない?」


 天地のことわりを知り、森羅万象を知る、すなわちそれって神の領域じゃないのか。


「女神様に強いの下さいってお願いしたの。」

「お願いした?」


 お願いって、なに?え?称号ってお願いしたらくれるものなの?

 俺もお願いすればよかったの?


「だって私さ、皇女とは言え第三皇女として生まれ変わるとか云われてさ、将来どっかに政略結婚で放り出される運命だって云われたんだよ。」

「それでも俺とは待遇が天と地だなぁ……」

「だからどこかの豚みたいな貴族に与えられるより、将来はお城を出て、武術や魔術で名を上げようって思ったから、できる限り強いのを選んで貰ったの。」

「ああ、さいですか。」


 なんともアグレッシブな女子高生だな。

 ん~~、なんかいま大事な事を言ったような気がする。


『できる限り強いのを選んで貰ったの』


 えーと、アリスさんアリスさん、ちょっとお聞きしたいのですが、称号を貰う時、選べたってことですか?


「そうだよ?使い物にならない称号なんてゴメンだしね。」


 なんだこの格差わぁぁ、俺なんて俺なんて。


「もーいいから、あたしは教えたんだから、教えなさい!」


 茫然自失していた俺にアリスが小声で怒鳴った。


「あ、ああ、俺の称号か………俺は【不死神】だ」

「なにその恐ろしげな称号」

「簡単に言えば死なないんだよ、精神が死ななければ、肉体はチリになっても蘇る。言わば死にたくても死ねない。そんな呪われた称号だ。」


 アリスが目をぱちくりして驚いてる。当然の反応だよな。


「何よそれ……めちゃくちゃなチートじゃない。ある意味一番危険な称号なんじゃない?まるでアンデッドじゃないの……」


 うわっ!自分でなるべく思わないようにしてたのに、云われちゃったよっ!


「……は、はは、ま、まあ、そうだな。」


 あ、意外とショック受けてる自分がいる。


「もしかして貴方の本性って、古き不死の大魔法使い(エルダーリッチー)とか?」


 グサァァァァッ!!


「まてぇ、俺は一応は人間──」


 思わず声を荒げ、慌てて口を塞いだ。


††

三週間もおまたせしましてごめんなさい。

待ってなかったわい!、とか言わんと居て下さい(`;ω;´)


13年ぶりの感動の再会(?)を果たしたジュンヤとアリスの漫才じみた、お話です。互いに積もる話を……なんて状況じゃ無いんですけどね。

ジュンヤとアリスでここまで酷い格差があるのは、やっぱ駄女神故でしょうか。


ジュンヤに幸あれ(笑)


これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

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