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ドジな女神に不死にされました  作者: 無職の狸
第二章 運がなかった私は皇女になったけど、戦闘系で行きますっ
59/109

<K19> 取り乱してしまいました

アリス様はファザコン?


※ 4/23 ジュンヤ編(第一章)とアリス編(第二章)を再構成しています


††


 私は目を見開き、口をポカンと開けて立っていた。

 

 心臓がドクンドクンと、激しく打ち鳴らされている。

 

 貴賓席にお父さまがいる。

 

 あのお忙しいお父様が来てくださった。

 

 いえそんなはずは無い、お父様は……

 

 お父様は、お忙しいのだから、でも、でもあそこに、確かにいらっしゃる。

 

 周囲の貴族や平民は一斉に傅いて、頭を垂れている。間違いなくお父様だ。

 

 国王陛下が私を、私を見ていらっしゃる。

 

「よいよい、皆の者頭を上げるが良い。ここにいるのは国王ではない、我が最愛の娘の晴れ姿を見に来た、ただの父親に過ぎんのだから。」


 最愛……

 

 ああ、もうダメ、涙が……。

 

「お父様……」


 止めどなく流れていく涙に、お父様の姿が霞んで見える。

 

「アリス、先ほどは立派であった。流石我が娘だ。私は其方を誇りに思うぞ。」


 優しい眼で私を見てくれて、うんうんと頷いてくださっている。

 

「も、もったいないお言葉に、御座います。」


 私はその場に傅き、頭を垂れた。だってもう涙が止まらないんだもん。

 

 練武場の床にぼたぼたと涙が落ちていく。あ~も~なに、私ってばこんなに涙腺緩かった?

 

「よいよい、此処数年、忙しさにかまけ、アリスと顔を合わせて無かったのでな、せめて今日くらいは時間を作ってきたのだよ。」

「あ、有り難き……幸せに……」


 言葉がでないぃぃ!

 

 頑張れ私、涙を拭えぇぇ。

 

「其方の活躍、今日は存分に見させて貰うぞ。」

「ヴぁいぃぃぃ」


 ぎゃー、やっちまった涙でぐしゃぐしゃ~~。


 もう帰りたぃぃぃぃ……

 

 

 

 お父様──国王陛下がお座りになられると、マリアがすっ飛んできて私にハンカチを渡してくれた。

 

「ふぇぇぇ、マリアァァ、お父様がぁぁ、来てくださったあぁぁぁ。」

 

 私は堪らず、マリアの─私より発育の良い─胸に飛び込んだ。

 

 もーだめ、あたしこんなファザコンだった?なんで?

 

 ずっと冷たくされてたから?

 

 もーわけわかんない。私はマリアに抱きついて大泣きしてしまった。

 

 ま~しかし生徒達が驚いてること。

 

 私ってば学園では、こんな取り乱した所なんて見せた事なかったし、いつも毅然としてたのに。いつも微笑んでて、皇女として恥ずかしく無いように振る舞おうとしてたのに、あ~~も~~~恥ずかしぃぃい。

 

 お父様のバカッ!

 

 学園に来て五年近く経って、年末年始に帰宅してもご政務がお忙しくて、ほとんどお会いしてないのに、こんな時に突然来て、優しい言葉なんてかけるなぁぁ。

 

 私はしばらくグズってました。

 

 

 

 さて試合の方はというと、2試合目は完全に舞い上がって見逃しました。

 

 まあ知り合いも出てなかったし、いいよね?

 

 次誰と当たるんだろ。まいいか?

 

 私だっ!私の相手じゃないの!

 

 で3試合目。ここで勝った人が、第3回戦で私と当たる人です。

 

 上級貴族クラスよりツェザーリ君。平民クラスからは将来冒険者──最近依頼を受けて魔獣とかを倒す人をこう呼ぶらしい、まるでラノベ!──になるとか息巻いているカルロス君。

 

 順番待ち選手は練武場の近くの特等席に座ってます。

 

 身長はどちらも160センチくらい。11歳にしては大きい方かな。

 

 でも、金髪やら銀髪やら碧眼やらだから、欧米とかの男子基準だと普通なのかな。いやここ欧米じゃなくて異世界だし。

 

 ツェザーリ君とカルロス君は、分厚い防御鎧を装備して練武台に登場。


 ツェザーリ君は大きな両手剣。カルロス君はロングソードと2人とも練習用の間引きした剣をもって登場。カルロス君は右腕に固定した小型の丸盾(バックラー)を装備している。

 

 2人とも剣使いのようだけど、両手剣対片手剣+丸盾、剣同士でもちょっと違うところが面白そう。

 

 私はどっちかというと、ツェザーリ君の方が強いかなと思っていた。なにせ辺境伯の子息だし騎士として戦うことは多々ある状況なので、強くなければ生き残れないというのが辺境伯だ。

 

 そのためなのか、ツェザーリ君は神光流の他に翆明流も習っている。先生に申し込んで、特別に鍛錬してもらっていた。

 

 理由はよくわからないが、あらゆる流派を学んでおきたいと言っていた。きっとお父様が目標なのかも。

 

 現在のツェザーリ君のお父様も歴戦の英雄だ。メッチャ強いらしいので、一度試合をしてみたいなぁと思ってます。

 

 さてそのツェザーリ君とカルロス君、もともと試合での手加減とか手抜きは学則違反で退学何だけど、その上に私があんな口上を言ったもんだから、遠慮なんてしないしない。

 

 身分を超えて本気の打ち合いが開始された。

 

 ツェザーリ君の大きな両手剣が唸りをあげて振られるのを、カルロス君がバックラーで受け止めると、派手な音を鳴らした。あんな衝撃、普通は受け止めるのも辛くなかろうか。

 

 カルロス君は歯を食いしばって受け止めてる。そしてすかさず長剣を突き出した。ツェザーリ君が素早く後ろにとび、再び唸りを上げて剣を振る。

 

 二人とも早い早い。しょっぱなからいい感じの動きを見せてくれます。流石に学年でもトップの人達だぁ。

 

 2人の実力は拮抗しているのか、どちらも攻めあぐね、そろそろ肩で息をし始める。

 

 すると今まで果敢に攻めていたツェザーリ君が、姿勢を低くして剣を横に構えた。

 

 カルロス君は眉を潜め、ツェザーリ君の動きを読もうとするんだけど、私にもよく解らない。

 

 ツェザーリ君が動きを止めたもんだから、カルロス君も攻めあぐねている。

 

 でも2人の間合いは僅かづつ縮まっていた。ゆっくりと、じわじわと。2人が寄っていく。

 

 そしてついにツェザーリ君の制空権に到達したところで、カルロス君が打って出た。

 

「はぁぁぁぁぁっ!」


 地を走りツェザーリ君に斬りこむカルロス君。ツェザーリ君の剣が動き、斬りこんできたカルロス君の剣を受け止め、いや受け流した。


「ぬっ」


 手応えが無くなり、バランスを崩すカルロス君。

 

「貰ったぁぁぁぁっ!」

 

 ツェザーリ君が身体を回転させ、両手剣をぶん回してカルロス君をふっ飛ばした。第二回戦へ駆け抜け。

 

 

 なんか凄い攻防だった気がする。そっか~ツェザーリ君が勝ったかぁ。


 三回戦あたしだよ?これって結構ヤバイ?

 

 

 

 次は下級貴族クラスの子と平民クラスの子。どっちも知らない子だし、剣技も大したことないし、ついついぼ~っとしてしまう。

 

 ぼーっとしてたら試合が終わってた。

 

 あ~も~、お父様が来るから舞い上がって人前で泣いちゃうわ、試合を見逃しちゃうわ、なんか今日ボロンボロンだわぁ。


 第2練武場でも試合はさくさくとすすんで、いよいよあの子が出てくる。

 

 泣き虫──大公子息クリフ君。

 

 クリフ君の試合順だと、順当に行けば決勝で当たるんだよね。

 

††

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