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ドジな女神に不死にされました  作者: 無職の狸
第二章 運がなかった私は皇女になったけど、戦闘系で行きますっ
53/109

<K13> 皇女はスーパーガールなのです

文武両道なのです。小学生レベルですが……


※ 4/23 ジュンヤ編(第一章)とアリス編(第二章)を再構成しています


††


 一周もしないうちに、女子はどんどん脱落してって、半周したら歩いてる状態。

 

 男子は意外と頑張って、最初に先頭集団に20人以上が飛び出して、結構頑張ってた。

 

 うちのクラスからも何人かいるかな。私は先頭集団の最後尾付近を追尾中。

 

 それでも最初に無理したせいか、ぼろぼろと脱落していきます。

 

 後続の集団も3周を過ぎると殆どが居なくなってて、へばりこんでる。

 

 先頭集団で残ってるうちのクラスの子は、大公子息のクリフ君とロレッツオ辺境伯子息のツェザーリ君、それにちょっとというか、結構遅れてバルト辺境伯子女のマルセルさん。

 

 私はツェザーリ君のちょっと後ろまで上げて、追尾中。でもこのくらいゆっくりだと、返って疲れるな~。

 

 さらに周回が重なると、どんどん落ちていく。いまじゃ6周目には10人も残ってない。

 

 マルセルさんも根性で走ってたけど、ついに8周で脱落。

 

 残るは上級貴族から3人。下級貴族から2人、平民クラスから3人。

 

 なんかよく見ると下級貴族の1人がクリフ君と張り合ってるみたいだけど、どちらもヘロヘロ、なんとなく意地で走ってる感じ。

 

 たま~にちらっと私に視線を向けるから、にっこり笑って手を振ってあげる。すると直ぐに前を向いて、少しだけ奔る速度が上がります。私の笑顔のお陰かな?

 

 でもどんどん遅くなってる。そのうち歩き出すんじゃない?あと1周なのに。

 

 そしてようやくゴール。結局残ったのはクリフ君とツェザーリ君、それに私。あとは下級貴族の一人と、平民の一人。

 

 皆頑張ったねぇ。

 

 あたしも頑張った。皆に合わせるのがこんなにつらいとは思わなかったよ。でもなんとか気合で走り抜いたよ。頑張ったよ、かったるかったけど、加減して走ったよ。

 

 きっとエリーザも褒めてくれる。きっと。

 

 走り終わった皆さんは床にへたばって休んでるけど、私はちょっと屈伸したりストレッチ中。

 

 だって遅すぎてかったる過ぎなんだもん。身体が鈍っちゃうよ。走り足りない分は、ちょっと全速力でもしてやろうかしら、でも怒られそうだな。やめとこ。

 

 ていうか、お前らもこの程度なら全力疾走でいけや。

 

 もとインターハイ候補選手舐めんな。

 

 ストレッチしてたら、なんか生徒とセンセから熱い視線を感じるのは、何故なんだぜ?

 


 さて次に課される基礎鍛錬は、剣の素振り。


 得意な武器は兎も角、剣技は基礎の基礎ということで、基礎では常に剣技を教えるそです。


 武器は剣術に始まり剣術に終わるとかで、剣術は様々な技術の基礎となるってのが、センセの意見でした。

 

 ほんとなの?

 

 まあ確かに王立騎士団でも、基本は剣術と槍術だからね。それ以外の武器って見たこと無い。そもそも騎士ってのは槍持って馬乗ってだからな~。馬を降りての白兵戦で、身軽に動ける剣ってのも解るな~。

 

 それに新兵の基礎訓練はまず剣術だし、やっぱ大事なのかな。

 

 それで進化したのか知らないけど、王立の剣法なんてのも有ります。主に騎士団で習うんですけどね。

 

 騎士団長さんに聞いた所、騎士団では神光流剣術という流派を基礎にしているそうです。

 

 市井の冒険者達は其々好きな流派だそうですが、騎士団は昔から神光流と決まってるとか。ただ盾を装備する歩兵部隊は翆明流を学ぶらしい。

 

 騎士団長さんが知る限り、剣の流派にはいくつかあって、

 

 神光流

  高速攻撃を主体とした、攻撃のための剣術だそうです。

  その攻撃速度は、他の流派を凌ぎ最大剣速による攻撃は、岩をも断ち切るとか。先の先と得意とするそうな。


 翆明流

  本来は水中戦闘を得意とする剣術。転じて盾や防御を主体とした、受けの剣術とも云われるとかで、相手の攻撃を盾で受けて反撃したり、また盾などが無くとも剣で受け流し、隙を造り攻撃を仕掛けるとか。後の先を得意とするらしい。

 

 これ以外にも槍術とかもあるそうだけど、王国内ではこの2つが主流だとか。


 私はほー、へー、と聞かせてもらい、神光流を習いました。


 で、センセはやっぱり基本は神光流だそです。ただ希望があれば翆明流も教えるとか。ほー、2つとも使えるんですね。


 センセ曰く、どのような流派を学ぼうと、戦場でモノを言うのは素早い動きと、相手を押しつぶす膂力、攻撃を躱す体捌き、最後に剣戟の正確さだとおっしゃる。騎士団でも同じような事教えてもらったかな。

 

 で、まずは最初に重い剣を自在に扱うための、筋力トレーニングってことになります。

 

 刃引きのショートソードが渡されて、其々で素振りを開始。

 

 軽めに作られてるけど、2キロ以上あるかな。幼児にはそれなりに重いかもしれない。

 

 生徒たちはよろよろとしながら剣を振ってます。

 

 一振りする度に、剣に身体を持ってかれてこけたり、あちこちで大変な騒ぎ。

 

 先生はその様子を見ながら、剣の握り方、構え方、脚の踏ん張り方、何かを矯正してます。

 

 何故か私だけ何も云われなかった。

 

 なんか素通りされた。

 

 何か言ってよセンセ?と眼で訴えても、爽やかな笑顔でうんうんと頷かれた。

 

 まだ色気はないか。

 

 てかそういう事じゃなくて~。ほらぁ他の男子が変な目で見てるし~。きっと王族の権限とか贔屓されてるとか、そんなふうに見られるっての~。

 

 

 凡そ剣の持ち方、構え方とか基礎的なモノが様になってくると、次は素振り100回。

 

 やったな~、これ。騎士団入門してまずはやってみろと4歳の幼女に糞重い刃引き剣持たせやがった。

 

 鬼かっ!と思ったけどやったよ。

 

 汗みどろになって振ったよ。最後の方ではもう血豆とかできてさ、ぶちぶち潰れてさ、脳裏で超速再生とかがレベルアップしたとかいろんなことが……て

 

 懐かしいな~

 

 なんて思い出しながら素振りしてたら、センセが辞めろって怒鳴った。

 

 え?あたしなんかしたかな?

 

「アリス様、もうとっくに100回は超えているかと思います。」

「そうなんですか?」

「はい、十分見せていただきました。」


 なんかセンセ、顔引き攣ってる。

 

 おろおろして周りをみると、結構ぶっ潰れてる子もいるんだけど、まだ立っている子は、なんかすごい目で、怖いものでも見る目で私を見てるんだけど。

 

 

 

 

 

 あとでエリーザに怒られちった。

 

「風切音をたてるような素振りを、他の子が十数回やる間に100回以上こなせば、誰だってそうなります。」


 そですか、ごべんなさい。

 

††

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