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ドジな女神に不死にされました  作者: 無職の狸
第二章 運がなかった私は皇女になったけど、戦闘系で行きますっ
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<K06> 王立イグリーズ学園へ

あの調べと共にアリスは運ばれていくのです。

あの場所へと。

転生者皇女アリスの学園編です。


※ 4/23 ジュンヤ編(第一章)とアリス編(第二章)を再構成しています


††


 ゴトゴトゴトゴト

 

 景色はゆっくりと流れていく

 

 ゴトゴトゴトゴト

 

 私はなんとなく景色を見ながら口ずさむ

 

 どなどなど~な~ど~な~~

 

 ほんとなんかそんな気分。

 

 王城を出てゴトゴトと馬車に揺られて一時間。

 

 こうしてみると、王都って大きいな~。学校へ行くのに馬車で一時間とか、どんだけ~って感じ。

 

 景色は街並みから徐々に田舎~って感じに変わっていくんだけど、これも王都の中なんだよね。

 

 私ってば考えてみたら、お城から出たのって初めてなんだよね。


 それもこれもお城が大きいのも原因だし、お母様が許してくれなかったのも原因。

 

 あの女神の雷槌以来

 

『城のなかでも危険なのに、城下町のような雑多な場所には出せません』


 って憤慨しちゃって、ずっと籠の鳥でした。


 齢4歳にして引篭り生活強要されました。

 

 はぁ~ほんと過保護。


 数え8歳にして、ようやくお城の外に出れたのに、それが学校の入学とか、どんだけなのよ。

 

 あたしだって城下町にでて中世の風景を見たかったのに。

 

 ほんと……素敵な街並み。

 

 1000年前の欧州の街並みと似てて、街には自動車なんて無粋なものは走ってなくて、空気もとっても綺麗。

 

 偶に馬糞の匂いが漂ってますけど……

 

 これだけでも、この世界が大好きになりそう。

 

 いや馬糞は別だけどね……

 

「アリス様、あれが王立イグリーズ学園ですよ。」


 エリーザが窓の外の建物を指差して教えてくれた。

 

 私も窓に近づいて見てみると、農園や農村の中に忽然と現れた円筒形の建物があった。あんな学校見たこと無い。見た感じ4階建てくらいかな、ホールのバームクーヘンみたいな建物だ。

 

「なんか変わった建物ね……」


 惚けたように見ていると、エリーザがくすっと笑った。

 

 エリーザの話だとあの建物のなかに、幾つもの教室や運動場、それに寄宿舎も入っているのだとか。

 

「さぁ、そろそろ到着いたしますよ。」


 エリーザの声にハッとなる私、随分長いこと眺めていたのかもしれない。

 

 馬車は相変わらずゴトゴト揺れながら、学校の門をくぐっていく。また学校にいくのかとちょっとアレだったけど、なんか面白そうだ。


◇◇


 

 因みに入学式とかは明日。

 今日は寄宿舎へはいるとか、入学手続きとかもあるから、一日早く入ったわけです。

 

 遠くの領地から来られる方々は、もうちょっと早く入ったおられるとか?

 

 それに年末の休みで領地に戻ってられた上級生の方達も今日までに戻って来るとかで、わりと雑多に賑わっていた。

 

 私みたいに小さな子が藁藁してて、侍女や執事みたいな方達があれこれと忙しくされていた。

 

 なるほど~とおもいつつ、エリーザと共に入学手続き、まあエリーザがささっと済ませてくれた。

 

 さすが卒業生、卒がありません。


 そのあと寄宿舎の部屋の説明を聞いた時も、すでにわかっているとかで、エリーザは勝手知ったる懐かしの校舎とばかりに、さっさと向かってしまう。

 

 私はというと珍しいものを見るかのように、あちらこちらをキョロキョロとして見回しながら、エリーザについて歩いていった。まるっきり都会にでてきた田舎者状態です。

 

 部屋はお城の自室に比べたらかなり狭い。前世で言うところの二十畳くらいかな。前世だったらこれでも十分以上に広いんだけど、お城に比べるとまるで……


 すいません、お城暮らしに慣れてしまいました。


「アリス様は皇族ですので、これでも広い方なのです。」


 とエリーザが笑う。エリーザの家格は子爵なので下級貴族、そのため当時の部屋はこの半分程だったらしい。

 

 日本人としてはそれでも広いかと思います。

 

 さらに平民となると広さは同じだけど、2人で1部屋となるとか。家格によって部屋の広さや、個室かどうかが決まるとか、なんかすっごい格差。

 

 それって文句来ないの?


 それが貴族社会ですか、どんだけ~


 部屋の中には流石というかなんというか、ベルベッドのふわふわの絨毯に天蓋付きベッド、高級そうな調度品が並んでいる。上流階級専用の部屋ってことかな。さらに追加で係りの者たちがワードローブやチェストを運び込んでくる。


 なるほど調度品持ち込み可能なんですね。

 

 エリーザにそんなことしなくてもと言ったら、当然の事だそうです。驚いたことにそれだけではなく、カーペットの張り替え、ベッドの入れ替え、備え付けの調度品の入れ替えとかは、先日までに終わっていたとか。


「アリス様は皇女なのですから、当然です」


 エリーザがどや顔で言うけど、じゃあこの天蓋付きのベッドとか絨毯とか全部入れ替えたものですか、そですか。

 

 寄宿舎の部屋を改造とか、どんだけ~~。

 

 ちなみにこのお部屋、別室にお風呂付いてます。それもおっきなお風呂。

 

 皇族だから当然ですか、そですか。

 

 それとさっきからちょろちょろしてる、私と同じ年くらいの侍女がいるのですけど、ワードローブに衣装を並べて、タンスに衣類をしまってくれています。

 

 この方どなたでしょう。侍女の服装ですけど、みたことがないのだけど。

 

「新しくアリス様のお側に仕える、侍女のマリアです。」


 と紹介された。

 

「マリアで御座います、未熟者ではありますが、どうぞよろしくお願い致します」


 マリアと名乗った侍女がぺこりと頭を下げる。

 

 銀髪さらさらヘアにグレイの瞳、ぷっくらほっぺがちょっと赤くて可愛らしい。


 背は私と同じくらい、年齢も同じ歳だそうだ。それじゃ学園に、と尋ねると、マリアは商人の娘だが、大店ではないのでそこまで裕福ではないとかで、この学園に入れる程の資産が無いらしい。

 

 なんでもこの学校、とんでもなくお金がかかるそうです。一般的な市井の方々の年収の10年分とか。


 えっとぉ……

 

 大学の医学部並かな?

 

††

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