<3> 不死になりましたがなにか
三話目の更新デス。
女神様、今回のミスは無かったことにしたようです(笑)
††
俺とドジ女神はすったもんだして、喧々囂々してたわけだ。
35歳の前世の記憶を持つ4歳児の魂が、女神を怒鳴りつけるとか、いったいどんだけシュールな展開なんだと。
結果を言うと、女神が自爆的ミスで人の命を奪ったとか、かなりヤバイことらしい。このドジ女神に上司とかいるのかね、よく判らんけどなんか怒られるとか怯えていた。
「だから今回は無かったことにするから~♪ノーカン、ノーカンねっ!」
は?まて、どういう意味だ?
よく判らんが、このドジ女神、自分のミスをもみ消すつもりらしい。
んで、俺はもう一度人生をやり直すのではなく、4歳から再スタートとなった。つまり生き返れるってことだ。
本来はあの世界には魔術はあっても蘇生術などは無いらしい。一度死んだらそれっきりだ。蘇生のような魔術や秘儀をホイホイ許すと、生態系に異常をきたすため、神属のみが使える。
例外として外法があるとか。
禁呪の様もので、これで蘇った魂は闇に落ちるようだ。ゾンビとかの類かね?
よく判らんがそれこそ碌でも無いことだな。
とりあえず今回は、そんな禁呪は使わず、神属に許される蘇生で生き返れるそうだ。
俺はとりあえずホッとした。折角やり直した人生を失ってたまるかってんだ。
前世の分までマトモな人生を歩むんだから。そう脱ヒキニート。親孝行人生っ!
てことで、生き返った。
目を開くと、アマンダとお袋と親父、顔なじみの人たちから、寄ってたかったもみくちゃにされた。
当然死者が生き返ったと、大騒ぎとなった。
教会の神官様まできて、治癒を掛けたり聖水を掛けて、アンデッドになっていないか確かめてた。でもすぐに安心しろと両親に告げて、ますます大喜びする両親。
これも薬師のお陰だと、薬師のオババは随分崇められたらしい。もっとも本人はなんで生き返ったか解らなかったみたいだが。
でだ、ここまでは良いんだ。そう、ここまではね。
翌日騒ぎが落ち着いた頃、俺はあのドジ女神の言葉を思い起こす。
「今度は絶対死なないようにしておくからぁ!ユニークだからキミだけにプレゼントだよ~。」
「絶対?ユニーク?プレゼント?口止め料の間違いだろが!」
ドジ女神が満面の笑みを湛えていたが、それがすんごく気になった。
絶対死なないって、あのドジ女神の事だ、また碌でもない事をしたんじゃないか?
なにせ相手を間違えて雷落として殺しちゃうくらいだ。ど~も嫌な予感がしたので自分のステータスを見てみる。
この世界では、自分のステータスやスキルとかを、赤ん坊の頃から見ることができる。
なんで、と云われても困る。ドジ女神に云わせると、《そういうこと》らしい。
「ほらあ、ゲームとかって最初からキャラクターのステータス解るっしょ?」
なんて気軽に言われた。
「この世界はゲームかよっ」
と言い返したくなるが、もうあいつと話してると頭痛くなるからどうでもいい。
最初に会った時はすごく荘厳で神秘的で、いかにも女神っぽかったのに、2度目は思いっきりメッキが剥がれて、やたら痛い奴だった。多分あれが素なんだな。
最初の転生は極々普通の人間として生をもらったから、ステータスをみても面白くも無いもんだった。
因みに自分のステータスを見ることはできるが、他人のステータスを見るには、【鑑定眼】というスキルを手に入れる必要がある。よくわからんが、女神曰くこの世界のシステムなんだそうだ。
システム?なんか変だな。
恐らく女神はこの世界の管理者であって、その上にこの世界を構築した上位の神とかが居るのかも?
自分を鑑定するだけなら、単にステータスと念じるだけで情報が視界に浮かんでくる。
うん、完全にゲームやってる時のモニターです。有難う御座います。
この世界を造った奴って、ゲーマーだったのかもしれないな。
それでステータスを見たら、俺は固まった。
なんかわけの判らん称号が加わっている。
称号【不死神】肉体が消滅しても精神体が残る限り復活する。ただし寿命による死は免れない。称号によって付与されるスキル:【再生】【剛体術】ext【吸精】【眷属召喚】
復活?肉体が消滅?【再生】に【剛体術】って、なにそれ。ext【吸精】【眷属召喚】とかって何なの?エクストラスキル?そもそも【吸精】とか【眷属召喚】って、まるでアンデッドか吸血鬼じゃねーの?
てかなんじゃこりゃーーっ!
ふざけろ、ふざけろ。なんじゃこりゃ。俺は普通に平穏な人生を歩みたかっただけなのに、なにこの称号、死なないとか再生とか、もろバケモンみたいなスキル。
肉体が消滅しても蘇るって、あのやろまたドジでもやらかして俺を殺さないようにとか、そんなんじゃないだろなーっ!
しかも奴が追加したのは、それだけに留まらない。
4歳の俺の以前のステータスは
ジュンヤ
【種族】人種
【年齢】 4歳
【状態】普通
【Lv】01
【HP】14
【MP】12
【SP】16
【最大攻撃力】1
【最大防御力】1
【最大魔法攻撃力】1
【最大魔法防御力】1
【最大回避】1
スキル
【採取】Lv.1
とまあ普通の4歳児のステータスだ。
この世界ではHPは生命力、ヘルスポイントとかそんなもの、MPは魔力、マジックパワーとかの略っぽい。。SPはスタミナ。持久力とか、そんなものらしい。使い切るとぶっ倒れちまって、身体が動かなくなる。
これらの数値は生まれた時は3でその後歳を取るごとに、3から4つづつ増えていく。生活環境なんかによって若干の補正が掛かるらしく、人によって多少の誤差は生まれるらしい。
まあまだ【鑑定眼】を持っていないから、他人を見ることは出来ないので、あくまでも想像の領域も含まれているけどね。
攻撃やら防御やらは全く鍛えていないし、そもそも4歳児でそこそこの攻撃力なんてもっていたら、それこそおかしい。
採取スキルは普通に取れた。採取すれば取れるらしい。家の手伝いだから伸びて当たり前だ。お袋とか親父とかは、おそらく農耕とか料理とかのスキルが有るのかもしれない。
どっちにしてもこれは4歳時としては、極々普通のステータスだ。それがこうなってた。
ジュンヤ
【種族】人種
【年齢】 4歳
【状態】普通
【Lv】01
【HP】9999
【MP】9999
【SP】9999
【最大攻撃力】1
【最大防御力】99999
【最大魔法攻撃力】1
【最大魔法防御力】99999
【最大回避】1
スキル
【採取】Lv.1
【再生】Lv.1
【剛体術】Lv.1
称号
【不死神】<Unknown>
どっから突っ込んだらいいんだ?
不死の上にカンストしたHPとMPとSPと防御力と魔法防御って、おぃぃぃ!これでどうしろってんだ。
崖から落ちても大丈夫い
雷に打たれても大丈夫い
剣で斬られても大丈夫い
まるっきりバケモンだろがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
アンデッドの神ってかぁぁ!
あのドジ女神、今度会ったら唯じゃ置かない。てかもうこんなんじゃ死ねるとも思えねぇ。死にたくは無いけど、これって自殺すら出来ないんじゃないか?
こんなんで平和に長閑に暮らせるのか、最低限両親より先に死ぬことはなさそうだけどな。
でさ、<Unknown>ってどういう意味なんだ?
††
お読みいただきありがとうございます。
m(_ _)m
『異世界戦線奮戦記』同様にご愛顧いただければ──ブクマや評価をいただければ、作品継続のモチベーションとなります。
どぞよろしくお願いします
m(_ _)mm(_ _)mm(_ _)m
4/8 ステータス表記の一部が解り難いため、修正いたしました。