表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドジな女神に不死にされました  作者: 無職の狸
第一章 今度の人生はスローライフで行こうと思ってたのに、どうしてこうなった
24/109

<24> さて言い訳のお時間です

オーガウォリアーとの激闘の結果です。

††


 ケィニッヒの元で修行し属性耐性を高めていたにも関わらず、俺は凄まじい雷撃に意識をブラックアウトさせてしまった。

 

 やはり心臓近くを刺されたからだろうか、直接心臓を通して、全身に雷撃が浸透したためか、いくら属性耐性を高めていても、やられちまったらしい。


「がぁぁぁぁぁぁあっっ!!」


 だが俺は歯を噛み締めて堪えた。脳が麻痺し思考停止しているにも構わず、およそ根性だけで動いていたのだろうか、それとも復讐心か。

 

 無意識に身体が動いた。

 

 オーガウォリアーの首に刺した剣、俺は意識を失いながら渾身の力で更に奥深くまで突き刺し、抉った。


 途端に俺の身体は力尽き、雷撃で弾け飛びんだ。宙をくるくると錐揉みしながら、地面に叩きつけられ、二転三転して止まった。

 

「クウックウッ」


 ダッシュで走り寄ってくるコッペル。

 

 その背後では

 

「GABOGABOAAHHHH」

 

 オーガウォリアーが口から血を溢れさせ、雷神剣ライトニングブレードを放り投げ、血塗れの首を引っ掻き藻掻いている。

 

 奴の首には俺の剣が深々と突き刺さったままだ。

 

 雷神剣ライトニングブレードさえなければ、こっちのものとばかりに、ニトロが奔りグルームが跳びかかる。

 

「死ねやあぁ!!」

「うぉぉぉぉっ!!」


 ニトロの大剣が鎧の上から殴りつけ、鎧をメキメキと破壊するとオーガウォリアーの胴体を切り裂いた。グルームはオーガウォリアーの頭まで跳躍するや、首を斬り裂いた。

 

 そして止めとばかりに、レヴィの水撃魔法が炸裂する。無数の水のドリルが襲いかかり、奴の身体を鎧もろとも貫通していった。

 

 オーガはついに力尽きて倒れていき、リリスが慌てて俺に駆け寄ってきた。


 コッペルが俺の頬をぺろぺろと舐めている。リリスはその隣に座り込むと、俺の胸に手を当てた。


「ジュンヤっ!生きてるよねっ!」


 直ぐに治癒呪文が発動する。


「てめぇ生きてるかっ!!」


 ニトロもまた走っていた。いや全員が駆け寄ってきてたわ。

 

「お、おぉ……」

 

 意識が戻り俺の目の前に、エルフの美しい顔が、それも心配そうに俺を見つめている。目覚め直ぐにリリスの顔は、ちょっとどきりとするな、と思ったらコッペルもいた。


 わかった、わかった、舐めるな、大丈夫だから。


 しかしまぁみんな心配そうな顔をしている。ニトロもグルームも、レヴィも可愛らしい顔でオロオロとしている。

 

 雷神剣ライトニングブレードに胸を貫かれて、そのうえ雷撃をもろに喰らったんだからな。普通なら良くて重篤、悪けりゃ死亡だ。

 だが僅か数日だけのパーティなんだ、何故そんなに心配する。俺なんて傭兵みたいなものだろうに、使い捨ててもいいものを……

 






 さて言い訳のお時間です。


「心配かけたか、すまんな。」


 リリスの治癒魔法の効果と、俺の再生スキルの効果で、胸の傷は見る見る閉じられ、血も停まった。

 

 リリスが治癒の速さに目を見張っている。


 俺はムクリと起き上がり、添えられていたリリスの手をどけた。

 

「な、え?」


 リリスは眼を丸くして俺を見ている。どっからどう見ても大ダメージを受けたはずで、とてもすぐに起き上がれるなどありあえないことだ。

 

 そんなのがむっくりと起き上がったんだから、驚きますね。

 

 実際俺の胸当て(ブレストプレート)にはでかい穴が空いて、周囲は血塗れだし、雷撃の影響で焦げ付いてる。

 

「治癒魔法のお陰だ。ありがとうな。」


 狼狽えているリリスに礼を言うと、壊された防具を見る。

 

 穴がでか過ぎだ。斬られた部分を中心に、防具が破壊されている。あの雷神剣ライトニングブレードは、余程攻撃力があるんだろうか。

 

 雷撃以外にもなにかの付与エンチャントが掛かっているかもしれない。

 

 しかしこれじゃ修理は無理だろう。新しい防具を買わないと……ちょっと凹む。

 

「え、ちょええええ?」


 胸の状態を見ている俺を見て、リリスがわたわたしている。それにその後ろではみんなが固まって棒立ちになってる。驚かせたか、なんかすまんな。

 

「お、おまえ、もう平気なのか?」


 ニトロがようやく声に出した。


「リリスの治癒魔法のお陰かな。それに俺のマントには金属の繊維が織り込んであるんだ、こいつが雷撃をあちこちに散らしてくれたんだろう。」

「「「「はぁ?」」」」


 なんか驚きの声があがる。リリスからも上がってる。

 

 やっぱ信じない?

 

 信じられないか、今はそういうことにしといてくれ。めんどくさいから。


「……鎧とマントが防いだのか……運が相当いいのか何なのか。」

「まぁ、そういうこと……だ。」


 ニトロは目を細めて言う。完全に疑ってるよな。うん確実だ。


 こいつらだってそこそこの手練だ、一瞬のこととは言え、あの状況であれを喰らって無事で有るわけがない、と解っているはずだ。

 

 俺がなにか特別なスキルでも持っていて、それを隠している。そのくらいは想像がつくだろう。そして俺はそのスキルを知られたく無い、ということも理解してくれるとありがたい。

 

『そもそも再生なんちゅうスキル、初めて見たぞ。』


 とはケィニッヒの言葉だ。そんなスキルは神の恩恵か、魔族ぐらいしか持ってないと言われちまった。

 

 それに金剛体なんかも、剛体術をレベル50まで上げる必要があるスキルだ。

 

 属性耐性同様に、剛体術は身体を傷つける事に寄って上がる。普通なら金剛体となる前に死ぬようだ。

 

 つまり、一般的には俺の年で手に入る様な、そんな容易いスキルではないらしい。

 

『おめえのことだ、直ぐに金剛体を取るだろう。鑑定眼で見られたときの言い訳を考えておけよ、はははは。』


 人のことだと思って……

 

 

 リリスはとにかくもう一度見せてみろ、と強引に俺の胸当て(ブレストプレート)を外しやがった。

 

 俺を上半身ハダカにして、念入りに傷跡を見るリリス。なんか恥ずかしいだろ。

 

「ほんとに……治り始めている。」


 そう言って呆れるのだが

 

「……早や過ぎる。」


 と追加した。

 

 突き刺された辺りは、肌が黒ずんで、皮膚が盛り上がり治癒仕掛けていた。

 

「まさか……【再生】……」


 レヴィが怪訝な顔をして呟いた。

 俺はドキッとして顔を引き攣らせる。まさか【再生】スキルの事を知っているのか。

 

「リリス、大した事ないならいいんじゃない。」

「え、うん……そうね。」


 まだ何か云われるかと心臓がバクついたが、レヴィはリリスを促した。しかし俺を悪戯っ子のような目がちらりと見ると、ほくそ笑んでいた。

 

 なんかやばいかな……こいつらとはとっとと別れようか。





「ったく期待はずれなんだからぁ。」


 なんか可愛らしい声が聞こえてきた。

 

「え?」


 ニトロが振り向くと、地面に倒れ込んだオーガウォリアーの死体を覗き込む少女がいた。


 小さな少女、レヴィも小さいが、もうちょっと小さい。赤い髪に赤い双眸、何よりも変わった衣装を来ている。

 

 貴族のドレスのようでもあるが、どこか……見たことがある黒いドレス。

 

 あ、ゴスロリだ。



††

いつもご愛読有難う御座いますm(_ _)m


沢山のブクマや評価を頂き、作者のテンションも相変わらず高いです。

((( o(`・д・´)o )))


どんどん高めてやってください。高まると一日の投稿数が増えるかと思います。

これからもどうぞよろしく、応援のほどお願い致します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ