プロローグ
誰も話しかけてくれない。
誰も俺を気にしない。
もしかしたら俺の存在に気付いていないのではないのだろうか。。。
もちろん男子も女子も話しかけてくれる奴などいない。
高校に入ってもここらは田舎だからクラスメイトはほぼ中学と一緒。
部活?そんなめんどくさいグループ活動などするわけがない。
部活などただの体力の無駄遣いだと思っている。
中学でも同じ感じだったから正直この状況には慣れた。
俺の席は窓側の一番後ろ。
風も入ってきて、夏はとても涼しい。
授業は真面目に受けている。
読者は多分「このパターンは授業中窓の方むいてボーっとしてるんだろ」とか思ったであろう。
俺も中学の頃はそんなんだった。
でも、志望校に絶対受からない程度の通知表を貰った2年の3学期から真面目になった。
でも結果志望校に行けなかったからこの体たらくだ。
家に帰ってからも部屋でこもる。
夜ごはん?そんなものは要らない。
人間、はっきり言って水分さえあれば生きて行ける。
実際この方法でダイエットしている人もいるらしい。
俺が学校帰りにコンビニで飲み物を大人買いしている。
そんななんの特色もない俺でも一つ、心の奥底に眠っている欲望が一つある。
そう。。。それは。。。
女子に囲まれたい!
女の子というのは頭からつま先までがこの世で一番美しい生き物だと思う。
あぁ俺は女子が好きだ!制服女子が大好きだ!
どうか俺を!制服女子と!ギャルゲ的な展開にしてくれ!!!
と心の中で祈った瞬間。。。
視界が白くなった。。。
一体何がどうなっているか、俺にも分からない。。。
まさか死んだのか?
どーゆー死に方したんだ俺は!
嫌だ!そんな死に方は嫌だ!
ヤバい!いま俺エロゲしてたんだ!
エロゲをパソコンの画面に立ち上げっぱなしにしたまま死んでるとただの変態に思われる!
なんなら車に引かれた方がマシだ!
と思った瞬間。。。目の前におじさんに見知らぬ長ヒゲのおじさんが現れた。
「死んではいないぞ。」
あ、死んでないんだ。
俺はホッとした。
そして俺は言った。
「あなたはだれですか。。。?」
「わしか?まぁいづれわかるであろう。」
「そうか。。。ってあなたは俺をどうするんですか。。。?」
「おぬし、女の子に囲まれたいみたいだな。。。」
「はい、そうですけど。。。到底無理ですよね。。。」
「おぬし、はじめから諦めるのか。面白くないのう」
「いやだって。。。無理じゃないですか。。。こんな友達もいない平凡な人間が、女子とキャッキャウフフするなんて。。。」
「そうか?わしはおぬしならできると思うぞ。おぬしには一つ、他の奴らよりもずば抜けているものがある。それを活用すれば、女子に囲まれることなんて、簡単じゃぞ。」
「その他の奴らよりもずば抜けているものってなんですか。。。?」
「それは。。。」
それは。。。?
「勉強能力だ。」
なるほど!俺は確かに自分で言うのもなんだが勉強能力に関しては他の奴よりかは出来る!
テストでも学年1位とはいかないが、クラス1位並みの実力を持っている。
「ということはそれを活用すれば!」
「女子にもてるじゃろう。そしてわしはお前を女子に囲まれるような楽園へ連れて行く主じゃ。」
は?え?どゆこと?
「おぬしの夢を叶えさせる時が来た!」
いやいやあの勝手に話進んでるけど!?
「さぁ行こうではないか!女子だらけの世界へ!!」
と言った瞬間目の前がハッと目が覚めた。
どうやら椅子に座りながら寝ていたらしい。
おかげで首が痛い。
窓を開けると日差しが入ってきた。
ここが女子の楽園というところなのか?でもいつもと変わらぬ朝。そんなわけないか。。。
時刻は7:00。。。
そして俺は椅子から立ち上がり、部屋を出た。