第九話:テンプレお嬢様
まだ9話ですがお気に入りが増えていて感激しています!これからも頑張っていこうと思います!
それでは第九話スタートです。
転入生が来るのを知って騒がしくなっている教室に、俺とリオ先生が入るとすぐに静かになった。
リオ先生は教壇に立ち、
「転入生を紹介する。こいつは今日から一年生としてこのクラスに入ることになったソウイチだ。まだ冒険者になったばかりらしいからしっかりと手助けしてやってくれ」
そう言った。
「ソウイチ・アカガミです。昨日冒険者になったばかりです。これからよろしくお願いします。」
そう言って一礼すると「黒髪黒目なんて初めて見たよ」とか「格好いいかも」とか「強そうには見えないなぁ」だとか聞こえてきた。
そりゃまぁ、容姿は元の世界のままだし体はそんなに鍛えなかったからなぁ・・・
「はいはい。静かに。ソウイチの席は・・・そうだな、じゃあエリザベートの隣に座ってくれ」
リオ先生にエリザベートという人の隣に座れと言ったので教室を見渡してみると一つだけ空席があるのが分かった。
さて・・・お隣さんはどんな人かなぁ?
うわっ、あの人がエリザベートなのか?
うん。見ただけで分かる。
あれは人を上から見下すタイプの女子だ。
そのエリザベートはというと、金髪ロングでつり目で俺を睨んでいらっしゃる。
ああ見えて実はおっとり系だといいなぁ。
俺はそんな一欠片の希望を胸に、席に座った。
「それじゃあ一時間目までに交流を深めておけよ」
リオ先生が教室から出ていくと俺は早速お隣さんに話しかけることにした。
「よろしく、エリザベートさん」
「・・・」
「あの・・・エリザベートさん?」
「なんですの・・・?冒険者に入ったばかりの愚民のくせに軽々と話しかけないでくださいまし。」
「私はフィンセルト家のエリザベートと申しますわ。といってもあなたのような愚民がこの高貴な私のことなど知らないと思いますけど!」
うわぁ・・・カチンときたぞ・・・
「ならその『高貴な』エリザベートさんに試合を申し込みたいんですが?」
「あなた、命知らずですのね?いいですわ。死なない程度に痛めつけてあげますわ。」
おぉ怖い怖い。
対人戦は初めてだからエリザベートの態度を変えさせるのと経験を増やすってことで一石二鳥だな。
「じゃあ今日の放課後でいいかな?」
「いいですわよ。この学園には試合用のスタジアムがあるのでそこで身の程を知らせてやりますわ」
「ちなみに俺たちの試合を見るやつはいるのか?」
そう言って周りを見るとクラスの全員が行くという顔をしていた。
スキルばれるけどまぁいいか。
「じゃあ放課後全員でスタジアムに行くか。立会人は校長先生にやってもらうとしますか。ねぇ、校長先生」
「会ったこともないというのに君は気配まで分かるのか・・・」
その声とともに現れたのは中年の女性だった。
「初めまして、ソウイチ君。私はこの冒険者育成学園の校長のフォルニアだ。さっき君が言ったとおり私が立会人をしよう」
「ありがとうごさいます。それでは放課後、よろしくお願いします」
それを聞くとフォルニア校長先生は立ち去った。
「じゃあもう一時間目始まるから放課後よろしく頼む」
「せいぜい悪足掻きの方法を考えているといいですわ」
エリザベートがそう言った直後に見知らぬ先生が入ってきて一時間目が始まった。
進行速度遅いですね・・・
これからもご愛読よろしくお願いします!