第七話:スキルと無駄遣い
お気に入りが段々と増えてきて嬉しいです!
まだ感想&レビューは来ていませんが、頑張っていきます。
それでは、第七話スタートです。
俺たちが『セルディア』に入る頃にはすっかり夜になっていた。
『セルディア』に入ってルニアに着いていくと商店街や宿のような建物がたくさん立っているのが見えた。
「どうかな、ソウイチ。セルディアに来てみての感想は?」
「想像してたよりも賑やかなんだな。夜もこんなに人が多いなんて」
そう、『セルディア』の街中は夜にも関わらず昼間のような賑わいがあった。
つっても俺は昼間の様子も見たことないんだけどな。
「夜でも楽しみがあるからよ。もうすぐギルドよ」
商店街などの街並みの中に一軒だけ他と違う雰囲気を醸し出している建物が見える。
これがギルドか・・・確かにそれっぽいといえばそれっぽい感じだな。
中に入ると酒場とギルドが半分半分といった感じで、ギルド内にはテーブルとイスが設置されていて冒険者だと思われる中年の男や女たちが酒を飲んでいる。
俺たちは受付の前まで行き、20代前半くらいの受付嬢に話しかけた。
「ただいま、サリー。護衛依頼失敗しちゃった」
「依頼主から話は聞きました。ルニアさんは取り残されたらしいですがご無事で何よりです」
「私が無事に帰ってこれたのはソウイチのおかげなのよ。ソウイチ、この人はサリー。私がFランクだった時から受付嬢として働いているの」
「初めまして、俺の名前はソウイチ。よろしく」
「よろしくお願いします、ソウイチさん」
「ソウイチは田舎から来たらしくてギルドカード持ってないらしいのよ。今作れる?」
「はい。この水晶玉に手を触れてください」
そう言ってサリーさんが取り出したのは、まんま占いで使うような水晶玉だった。
「手を置くと何が分かるんですか?」
「名前と種族と犯罪経験ですよ」
サリーは水晶玉から読み取った情報を見ながら答える。
「名前は、ソウイチ・アカガミ。種族は人間。犯罪経験は無しですね。ではこれで完成です。ギルドカードには名前、種族、ランク、スキル、称号が表示されます。スキルと称号は他の人に見えないようになっています。本人が望めば他の人も見ることができます」
今よくわからない言葉があったな・・・
「スキルと称号って何ですか?」
「スキルには二種類あります。固有スキルと一般スキルです。固有スキルは先天的に習得しているスキルです。一般スキルは魔法などの後天的に習得できるスキルです」
「称号は自分の行動によってこの世界から授けられるものと言われています」
「この世界から?」
「はい。この世界には意思があるといわれ、神を超える存在とも言われています」
「そうか。一応納得したよ」
「そうですか。役に立てたみたいで嬉しいです。これがギルドカードです」
サリーさんからギルドカードを受け取り、ギルドカードの情報を表示させた。
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名前:ソウイチ・アカガミ
種族:人間
ランク:F
固有スキル:『百剣』『双界剣』『高速理解』『無詠唱』
一般スキル:身体強化(常時)、魔法強化(常時)
称号:異世界人、百剣を受け継ぎし者、二本の天剣を操る者、世界の加護、チート野郎
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何か物凄いことになってるなぁ。
固有スキルだけじゃなくて一般スキルもチートだし、称号もおかしいことになっている。
最後のチート野郎って何かの嫌がらせかよっ
「ソウイチ、確認できた?」
「あー、うん。できたよ」
「じゃあ次は学園のほうに行って入学手続きしなきゃね!」
そう言ってギルドを出ようとする。が、酔っ払ったおっさんが俺の肩を掴んできた。
「おいおいてめぇ、まさかギルドに登録したとかいう馬鹿じゃねえよなぁ?てめぇみたいなガキに何ができるってんだあ?俺様が直々に実力みてやるよ、っと手ぇ滑っちまったぜ!」
そう言ってニヤつきながら馬鹿でかい斧を振り下ろしてきた。
どうする!?あっ俺にはこの能力があるじゃないか。
斧の進行上に剣を出現させ斧を防ぐ。
いい機会だから開き直っていろんな人に覚えてもらうか・・・そのためにこの能力を全解放してみるか・・・
一本の剣で斧を弾き返し、男の周囲に五十本ほど出現させる。
それを見て固まる者、騒ぎ出す者がいたがそれでいい。
ちゃんと印象に残ったかな・・・
「これでもまだ続けるか?」
「ゆ、許してくれ!ガキとか言って悪かった!だからこれをどうにかしてくれ・・・」
「いいだろう」
俺は剣を元の次元に帰し、ルニアに向き直った。
「よしルニア、行こうか」
「ちょっと、ソウイチ。今のはスキルか何かなの?」
「まぁそんなもんかな。詳しいことは後で話すよ」
俺たちはギルドをあとにし、次の目的地である学園に向かった。
どうでしたか?
相変わらずネーミングセンスは壊滅的ですが温かい目で読んでくださると有り難いです。