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エピローグ 眠りの先に
「6 告白と約束」と同時投稿です。
目覚めると、朝の光に部屋の中はうっすらと明るくなっていました。
ゆっくりと起き上がると、私は軽く伸びをしました。
足元で丸くなっていた猫が、ちらりと目を開けてこちらを見ましたが、また目を閉じます。
傍らに視線を移すと、いつもの寝顔。私は少しの間、その顔を眺めます。
彼の腕は、私の腰に回されたまま。私をひたすら、甘やかす腕です。
私と出会った時、「やっと見つけた」と思った――そう言った彼は、私にたくさんの素敵な言葉や、贈り物をくれます。申し訳ないくらい、たくさん。
でもね。
あなたが毎晩、ゆっくり眠れる場所が、私の隣で。
毎朝、目覚めたあなたと一緒に、私の淹れたコーヒーを飲むことができたら。
それだけで、私はとても、幸せなんです。
【娘は陛下の眠りを守る 完】