1話
私は、よく知っているんだ
本当のあなたの気持ちを。
カタン、コトン
一定の震動に安堵を感じて眠くなってしまうのはいつもの事。
しかも、ここ最近は横に私の好きな人である
高峰智君がいるんだもん。
本当に落ち着いちゃんだね。コレが。
私はそんなことを思いながら、自分の頭をコテンと彼の肩に乗せた。
そして、ここ最近の日課とでもいうようにして私はうっすら目を開ける。
―――絶望を知ってしまうのならばやめればいいのに
そう思うかもしれないんだけど、
こんな時でさえキュンッと
胸をときめかせてしまう自分は
…本当に彼の事が好きなんだ。
と実感できる。
高峰君とはつい二ヵ月前に付き合い始めたばかりだ。
好きになったのは、私が先。
高校に入ってから教室の真中で明るく笑っている高峰君の顔に鼓動が高鳴ってしまったのは、今でも私は鮮明に覚えている。
―――――…
付き合い始めて二ヵ月とは、短いような長いような。
…、そんな感じだ。
でも、それだけの期間でも私は気が付いたことがある。
いつも、帰り道、私が話してる時は毎日ニコニコ笑って私の話を聞いてくれる彼。
…でも、私が疲れが出て眠ってしまうと、その、私の大好きな視線が私ではなく、違う人物を見ていることを私は知ってしまった。
―――そう、いつも私たちと反対側に座っている、女の子。
明るい茶色の髪の毛に大きな目。
可愛らしい女の子がいつも向かい側に座ってる。
それは、本当に大好きな人を見つめるような
優しい視線で。
私が見たこともないような微笑みまで作る。
そのたびに、ズキンズキン…。
心が傷んでしまう。
どこで区切れば良いのか分からない((笑
しっかりしなきゃ。