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555字の掌編

リナリアってかわいいの

作者:
掲載日:2025/12/13

リナリアの花言葉は「この恋に気付いて」


でも、「乱れる乙女心」という意味も。

 かわいいと思った。ホームセンターの外で一番前に陳列された花。小さなピンクや白の花が所狭しと咲いている。名前はリナリアというらしい。スマホで調べたら、手入れも簡単で、こぼれ種で再び咲くこともあるのだとか。念のため花言葉も検索して、私はすぐにリナリアが気に入った。かわいいものは無条件で私の周りにあるべき。

 入念に苗を選ぶ。一番健康であろう苗を手に取りレジに持っていく。ついでにレジ横に並んでいた「花を元気にする肥料」というものも一緒に購入した。

 家に帰って早速プランターの空いている部分に苗を植える。百均で買った赤い小さなじょうろで水をあげる。まださほど温度を持っていない太陽の光のおかげで、水滴はとても目に優しい暖かな光を反射した。

 さて、今日こそは。

「先輩、今日飲みに行きませんか?」

「いいねー、って言いたいところだけどまだ終わりそうにない」

 先輩は苦笑いをして積まれた書類に手を置く。

「手伝いますよ!」

「大丈夫、ありがとう」

 こんな蕩ける笑顔をくれるのに、飲みに行ってはくれない。それでも私は負けない。だって、今まで逃した人はいないんだから。私はかわいいんだから。かわいいで溢れてるのよ。

 あーあ、どうしてかな。育て方が悪かったのかな。枯れたリナリアの跡に、再び芽吹くことはなかった。

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