第6話 隷属
うん、強かった。
力は僕の方が上とはいえ、技術は圧倒的にあっちが上。
多分力押しだけしてたら僕が負けてたね、うん。
、、、よし、決めた。
こいつを僕の技の師匠にしよう。
どうせ話は聞く予定だったし、それからいたしてもいいよね。
——《理滅法統》
領域内の理を操作し、自身の魔力を全回復させる。え?なんでそれを戦闘中に使わなかったかって?
単純にできることを今知った。
すごいね、【孤域創生】。
神の如くとは言ったけどここまでできるとは思ってなかったよ。
孤児院で、、、もうないのか。
これから拠点とするとこでずっと張っとこうかな。定期的に魔力回復して。
そんで次は——
——《赫魔傀儡》
僕を追ってきていた全ての人を、僕の支配下に置く。この魔法、さっき作ったばっかだし上手く人間に使えるか試したけど意外といけた。
込めた魔力量はその人の持つ魔力のちょっと多いくらい。
全て注がなくてもいい、新たな発見だね!
「起きろー」
「うっ、、、」
「起きろよー」
「、、、、、、」
「さっさと起きろよ。命令だぞ」
そう聞いた瞬間、明らかに隊長君の目が虚ろになり起き上がった。
その目を見てると、なんか深淵をのぞいてるみたいな感覚に陥るんだよね。
近い表現方法あるかな、、、
あ、さっき感じた感覚だわこれ。ダンジョンの深淵をのぞいてるみたいな感覚だよ。深淵だけに。
、、、スーッ、なんか偉い人が言ってたじゃん?「深淵を覗く時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」的なサムシング。
だってこの隊長くんの瞳、二つしかないのに明らかに全方位から僕が見つめられてる気配がするんだ。
周りには僕と隊長くん、後死屍累々とした光景以外ないんだけどね。そこらで倒れてる人たちがこんな僕さえも気持ち悪いと思う気配なんて出せるはずないし。
——————閑話休題
それじゃあ尋ねてみよう。
多分僕の命令には逆らえないし命令口調で話せばなんでも教えてくれるでしょ。知らんけど。
「ねぇねぇ。これからさ、僕の問う疑問に答えてよ。これは命令だよ」
「了解です。私はこれから主の質問に全て答えます」
やっぱり、「命令だよ」って言った途端にこの眼が虚になる。
命令語かそれを示唆するような言葉がこのよくわからない虚モードの起動句なのかな?
「何か体に感じる違和感ってない?」
「はい。私の体に違和感は見つかりません」
「う〜ん、じゃあ君ってだいぶ口調変わったよね?それは人格が変わった感じなの?それとも強制的にその口調で喋らされてるの?」
「現在、当人の意識を強制遮断し、私を降ろしているという感じになります。人格が新しく形成されたわけではありません」
え、降ろされてるの?
何その言い方もしかしてあなた神様?
、、、うん、怖いし聞くのやめとこう。
神を目指しているとはいえ、たかが人間が神を降ろせるはずないし何か別物だよね、うん。
「え、じゃあさ。君を降ろさずに元の君に命令はできないの?ほら、君が強制遮断してるその当人に命令することって」
「一応可能です。ですが、私の方ができることは多いので私に命令することをお勧めします!」
さっきまではただただ淡々と答えていただけなのにこれだけなぜか妙に圧を感じさせる言い方をする推定神様以外の何者かくん。
無表情なのにめっちゃ圧が感じられてなんか怖い。
「えーっと、でも僕は元の人に用があるんだよ。一回変わってくれない?」
「、、、了解しました」
何よその渋々と納得しましたみたいなその感じ。
そこまで変わりたくなかったの?何?マゾさんですか?
ちょっと、、、僕ノーマルなんで。
「うっ、、、」
「あ、起きた?」
「お、俺は、、、」
うん、ちゃんと変わってくれたみたいだ。
よかったよかった。これでちゃんとお願いができる。
「さっさと起きた起きた」
「ここは、、、あれ?俺ってさっき死んだはずじゃ」
「失礼な。殺してないわ」
「はっ?!悪魔!」
「殺すよ?」
「すみませんでした」
何この人。めっちゃいうやん。
殺されたいの?殺すよ?殺さないけど。
「今からね、君にはお願いをしよう。拒否権はないよ」
「それ命令って言うんだぜ」
「命令じゃないよ。これは拒否権のない命令だ」
「自分で命令って言っちゃってるじゃねぇか」
「ハッ?!まさか僕の口、、、操られてる?」
「お前操れるほどの強さ持ってるやつなんていねぇよ」
「じゃあ!僕が!自分で!命令と!言ったと言うのかね?!」
「ヒェッ、言ってません」
なんだいこの躾のなってない子は。
僕が命令じゃないって言ったら命令じゃないの!
僕の方が年下だけど。
「それじゃあさ、とりあえず最初のお願いね?」
「謹んでお受けさせていただきます」
「まだお願い言ってないよ?!」
なんだろうこの人。何がしたいんだろうこの人。
ここで僕が自殺しろって言ったらどうする気だったのかな。
「はぁ、まあいいよ。最初のお願いは至って単純。これから時々でいいから僕に体術教えてよ」
「それくらいなら良いが、、、」
「なら二つ目のお願いね?帰って良いから僕のことは死んだって報告しといて」
「んなっ?!」
「僕、これからずっとダンジョンに潜る予定なんだ。そのためには政府に僕が生きてるって思われたら邪魔なわけよ。だから僕が生きてるって知ってるのは君たちだけでいい」
「、、、俺たちが生きてるってばらすとは思わないのか?」
「できるならやってみなよ。君たちはすでに僕の支配下に置かれているんだ。多分僕のお願いに逆らったら死ぬだけだよ」
「どういうことだ?!」
あれれ?この人自分が僕に逆らえないこと気づいてなかった系?
僕が隷属させたのってこいつが気絶した後だし気づかなかったのかな。
でもふつうわからない?「あ、こいつには逆らえねぇ」ってなるじゃん。
ほら、食堂のおかんには誰も逆らえないでしょ。しらんけど。
「君、僕の魔法によって僕の傀儡になったんだよ。だから君は僕の命令に逆らえない。まぁ命令されてないことなら自由にできるから別に気にしなくていいよ」
「なる、、、ほど。お前なら確かにそれくらいできそうだ」
「それじゃ、死んだって伝えるのよろしくね。僕は早くダンジョンに潜りたいんだ」
そういって僕は、何の返答も聞かずにダンジョンへダッシュで向かうのだった。
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 榊の孤児院院長『黒瀬 静乃』視点 ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
どれくらい待っただろうか。
ただただ榊が連れて来られることを願って、私は半監禁状態でずっと祈っていた。
「ただいま、、、戻りました」
願いに願った捜索隊一同が、どこか暗い雰囲気を醸し出しながら帰ってきた。
そこに、榊の姿はない。
それをみて、私は察してしまった。
「榊は、、、」
察したと言うのに、私の口から出るのはか細い疑問。
一縷の望みをかけて、問うたその問いは——
「彼は、、、殺されてしまいました」
——そのたった一言で打ち砕かれた。
「彼は、ダンジョンの近くの裏路地で倒れていました」
「う、嘘、、、」
全く結婚できないどころか結婚のけのじの気配のない私の子供のような存在。
唯一赤子の頃から育て、成長を見守ってきた子。
そんな彼が殺されたという、訃報。
「死体はとても無惨で、その、、、持って帰ってくることはできませんでした」
ただでさえ自身の育てていた子を全て殺されたのに。
無惨な殺し方をされたと聞いて、私は思った。
————こんな国、潰してやると。
その全てが、榊の掌の上とは知らずに私は国を潰す準備を始めるのだった。
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 『繝ィ繧ー繝サ繧ス繝医?繧ケ』視点 ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
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邪神は1人、何もなき空間で震えていた。
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久しぶりの更新です。
これさ、第二話の題名の通りの見た目した院長なんだぜ?
想像したらなんか吐きそうになってきた()




