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魔法生物で水上レース!〜異世界でボートレース始めました〜  作者: 吉良 鈴
波間に揺れる六色の夢

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16/35

#16 湖に集う者たち

湖畔に、風がさざ波を立てる。

初めてのオルカヌーレースを目前に、騎手たちの練習は最終段階に入っていた。


だが、ただの練習ではない。

すでに駆け引きが始まっていた。


「白は真面目すぎる。あれ、指示通りにしか動かないから、逆に読まれやすいぞ」

「黒は負けず嫌いだ。前に誰かいると、勝手に加速する。あれ、煽りに使える」

「赤は直線で爆速だけど、カーブは苦手。緑に並ばれると焦るんだよな」

「黄色はスタートだけ異常に速い。あれ、最初に逃げ切るタイプだな」

「緑はカーブの鬼。あの子、岩場で笑ってたぞ」

「青だけまだよく分からない。風に乗るのか、気分屋なのか……ミネス次第かもな」


騎手たちは互いのオルカヌーの癖を見抜き、乗り方に工夫を凝らし始めていた。

ターンのタイミングをずらしたり、わざと接近して黒を煽ったり、白の動きを読んで先回りしたり――湖面では、すでに心理戦が始まっていた。


観覧席では、町人たちが好き勝手に予想を立てていた。


「赤が直線で抜けるけど、緑がカーブで追い抜く。そこに黒が突っ込んでくるんだよ!」

「いやいや、黄色がスタートで逃げて、白が後ろからコツコツ追い上げる。青は……最後に全部持ってくタイプだな」

「黒が暴走して、赤とぶつかる。そこを緑がスルッと抜ける。青はその後ろで風を読んでる。見えるぞ、俺には」


「青はミネスさんが乗るから特別なのです。あれは湖と対話をしているのですよ」

「楽団のファンファーレ、青のテーマっぽくない?つまり、青が勝つってことだよ」

「いや、青は勝たない。勝たないけど、最後に何か持ってくる。そういうタイプだ」


湖畔はまるで市場のような賑わいだった。

事実も憶測も妄想も入り混じり、誰もが“自分だけの展開”を信じていた。


土産屋の三兄弟も忙しく立ち回っていた。

マーカスは実況台の調整をしながら、町民の噂話をメモしていた。

ムウノスは魔道具の調整に追われ、記録石の容量を増やしていた。

ミネスは青のオルカヌーに語りかけながら、静かに笑っていた。


「今日の君はどんな風に走るつもりだい?」


湖西の楽団は、湖の風と波をイメージしたファンファーレを完成させた。

試奏された旋律は、まるで湖が目を覚まし、物語の始まりを告げるようだった。


そして――


太陽が昇る。

旗が立ち、屋台が開き、魔道券売機が起動する。

観覧席には人が集まり、騎手たちは色とりどりの法衣をまとって並ぶ。


この世界で、初めてのオルカヌーレース。

風と水と、魔道と祈りと、オルカヌーの鳴き声。そして人々の想像と期待が交差する日。


ミネスは、青の角に手を添えた。


「さあ、始めよう。湖が選んだ、この物語を」

ボートレース戸田は子どもが遊ぶ施設が広めで綺麗で良いです。

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