心残り
青龍が救ってくれたあの日からどれだけ日が経ったのだろう、あの頃より...幸せだ
「紫龍」
これからも...もっと...
「紫龍〜、起きろ〜」
呼ばれて...
「...ん?」
「おはよ紫龍、今日は銃の使い方教えるから頑張るんだぞ」
「おはよぉ...今日は銃...頑張る」
「紫龍は覚えるのも成長速度も早いからな、すぐ俺越えるさ」
「青龍はすごい強いしまだまだだよ、中々ナイフも慣れないし」
「あれだけ出来てたら上出来だよ、とりあえず朝飯でも食べようか」
「うん」
あの日以降、青龍が飯を作ってくれたり戦闘方法を色々教えてくれている
青龍は家族がいなくてずっと一人だったらしい、だからこそ俺を家族のように扱ってくれてるんだ...家族の優しさなんて感じたことが無かったから嬉しいな...
「どう?美味いか?」
「すげぇ美味しい...!」
「そりゃ良かった、作った甲斐が有る」
「青龍の作ってくれたご飯が一番美味しい」
「だったらこれからもずっと作り続けるよ、紫龍」
「ありがとう」
「じゃ、飯食い終わったら銃の基本的な使い方とかやっていこうか」
「うん」
その後青龍に銃の使い方を教えてもらったりナイフの戦闘訓練も一緒にしてもらい、夜には一緒にお酒を飲む...そして寝る......それだけの日々だけどそれがすごく幸せ...
ずっと続いたらいいのにな...
「紫龍!紫龍!起きろ!」
「...んぅ?」
「逃げるぞ!」
「にげるって...なんで」
「滅龍会だ!走れ走れ!!」
「う、うん!」
「待てや龍王!お前の首持って帰らなあかんねん!!!」
滅龍会......聞いたことがある...人間が龍人達を狩るために出来た組織だと...
「3人......3人か」
「青龍...?」
「紫龍、走れるな?」
「走れる...けど」
「っし、じゃあ走れ!」
「えっ...でも...青龍は?」
「後で会いに行く、任せろ」
「龍王の首!!!取らせろぉ!!!!!」
「取りたきゃまず俺を殺せ!!人間ごときに負けねぇよ!!!」
「青りゅ...」
「逃げろ!紫龍!!!」
「...せいりゅ...う...うん...!絶対...生きててね」
「あぁ、約束だ」
走った、ずっとずっとずっとずっと走った
青龍が生きて帰ってくるって信じて、走って走って...逃げた、その日の夜は眠れなかった
きっと...また会えるって信じてる
約束したから...きっと...