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最弱の荷物持ちは謎のスキル【証券口座】で成り上がる〜配当だけで伝説級の武器もスキルも手に入る〜  作者: k-ing☆孤独な王子①6/8発売


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51.女性は怒らせたらダメだよ?

 俺達はロビンに止められてやっと落ち着いた。妹さんはロビンを知っているのかまた謝っていた。


 依頼主は俺達の喧嘩を見ても特に依頼の拒否はなく、むしろ俺に引き続きやって欲しいと言っていたためそのまま依頼継続という形になった。


 その後、自己紹介をすると依頼主はゴートン、妹はプリシラ、そして殴り合いをしていた男はエヴァンと言っていた。鑑定を使った時は兄妹どちらも名前の後ろにアルジャンという名前がついていた。


 そんな俺達は王都の隣町ハクダイに向かって移動していた。小さな町だが魔物が出やすいため普通の人では移動がしにくいのだ。


「にいちゃ行ってくる」 


「気をつけてな」

 ロンは走り出すと目の前にいたゴブリンを狩っていた。今回は依頼時の報酬が半分になるため俺は普通の短剣を使っている。


 移動時は俺とロンが基本的に移動しながら敵を倒し、遠い敵にはニアとプリシラが魔法で倒していた。


 プリシラの魔法は自身を中心に回りにいくつか魔法を発動させて飛ばす戦い方をしていた。どこか魔法が舞い踊るような感じだ。


 肝心の兄のエヴァンは馬車に乗って上から見ていた。


「おい、お前も働けよ」


「なんで俺がお前みたいに働かないといけないんだよ」

 さっきからずっとこんな感じなのだ。王都から出るときにプリシラだけ連れて行こうと思ったが、どうしてもエヴァンも連れて行ってほしいと言われ連れ来てやっている。


 しばらくはずっとこんな感じに言っていたが、言うたびに俺も疲れてくるし妹が謝ってくるため気づいたら俺は何も言わなくなっていた。


「今日はこの辺で野営にしようか」

 ゴートンが馬車を止めると今日はここで野営となった。


「はぁん!? 町まで行かないのかよ!」

 馬車に座っていただけの男は降りてきて文句を言っていた。何もやっていないのに文句を言うエヴァンに俺はまた腹が立っていた。


「ならお前1人で行ってこいよ」

 俺はなぜかこいつと関わるとイライラしてきてしまう。単純にエヴァンの話し方が気に食わないのだろう。


「なんだと──」


「お兄ちゃんもうやめてよ!」

 またエヴァンは俺に掴みかかったが手を振り払った。


「お前そんな感じだと誰からも好かれない──」

 突然顔に衝撃が来たと思ったら俺はエヴァンに殴られていた。


 気づけば俺もエヴァンに掴みかかりエヴァンと殴り合いになっていた。


「お兄ちゃん!」

 俺とエヴァンはすでに周りの声が聞こえなくなっていた。今までこんなことはなかったが俺も熱くなると人の声が聞こえなくなるタイプなんだろう。


「もう、いい加減に辞めなさい!」

 俺は体に冷たさを感じた。以前ロンとニアを怒らせてはいけないと約束した時の雰囲気に似ていた。


「にっ……ニア落ち着い──」


「落ち着くのはそっちでしょう! 2人とも頭でも冷やしなさい!」

 俺とエヴァンはニアの氷属性魔法が直撃した。ただ、威力は調整されていたが身動きが取れないほどだった。


 俺達は物理的に頭以外を冷やされ氷漬けにされていた。


「プリシラ姉ちゃんもロンもこんな野蛮な人達は放っておきましょう」

 ニアはプリシラとロンの手を掴みゴードンの元へ行ってしまった。それを見ていたゴードンもどこか呆れていた。


「おい、お前のせいで──」


「うっ……ニアに嫌われた……」

 しかし、俺はニアに嫌われてそれどころではなかった。


「なんで泣いてるんだよ! 俺は巻き込まれたんだぞ」


「だって家族に嫌われたんだぞ」

 俺は自然と涙が出ていた。だって今までニアに嫌われるとは思わなかったのだ。


「ニアごめんよー! 俺が悪かった!」

 俺は必死に謝っていると心配した様子でニアとロンが戻って来た。


「もう喧嘩はだめだよ?」

「にいちゃ、喧嘩はかっこ悪いよ?」


「うん、もうしません」

 俺は目の前の男に殴られるよりロンとニアに嫌われる方が辛かった。


「ちゃんと謝らないといけないよ?」

 俺は嫌だったが仕方なくエヴァンに謝ることにした。


「すまん」


「はぁん、今頃──」


「お兄ちゃん? せっかくウォーレンさんが折れてくれたのに何言ってんの?」

 エヴァンの隣にはさらに氷属性の魔法を展開させていたプリシラが睨んでいた。


「あああ、いや俺もすまん」

 怒ったプリシラには逆らえないのかエヴァンは謝ってきた。


 俺とエヴァンが謝るとニアは魔法を解除され俺達は氷漬けから解放された。


「にいちゃ、エヴァンさん女の人は怒らせたらだめだよ?」

 ロンの言葉に俺とエヴァンは必死に頭を縦に振っていた。

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