103.謎のコア
「お兄ちゃん!」
「にいちゃ!」
体誰かが必死に体を揺すっている。まだまだ眠いのに揺すってくるのだ。
「んー、まだ朝早いよ」
まだ寝足りないと抵抗した。
「これはだめだね」
「もう、こっちは心配してるんだからね」
すると全身が震えるような寒さを感じた。
「窓を閉め忘れし――」
「あっ……」
「アイスバースト」
俺は目を開けた瞬間に体が凍てつくほどの冷気が直接当てられた。
「ニアやりすぎだよ」
「だってお兄ちゃん起きなさそうだったもん」
どうやらニアに氷属性魔法を当てられたようだ。
最悪な目覚めに俺は体を震わせながら起きるとそこは部屋ではなく森の中で倒れていた。
「にいちゃ!」
「お兄ちゃん!」
「ただいま!」
二人は凍える俺に抱きついてきた。ちょうど良い温かさに俺はまた眠たくなってきた。
「お兄ちゃんそろそろ帰らないとみんな心配してるよ?」
「帰るってまだそんなに経って――」
俺の言葉にロンとニアは首を横に振っていた。
「お兄ちゃんスライムに飲み込まれてから3日は経ってるよ?」
「えっ……」
「にいちゃが待っててって言ったからここで待ってたよ?」
ロンとニアは俺が言った通りにそのまま同じ場所にずっと待っていた。
ロンとニアから聞いた話では俺はスライムに飲み込まれるとそのまま全身にスライムが張り付いた状態で倒れたらしい。
日にちが経つ毎にスライムの存在が薄くなり、俺に吸収されているようにスライムは消えた。
完全にスライムが居なくなってからは呼吸が聞こえ、必死に声をかけていたところで俺は目覚めた。
「迷惑かけてすまないな。 じゃあ、王都に帰ろうか」
立ち上がろうと地面に手つけたときに何か手に違和感を感じた。
「なんだこれ?」
手の中には純度が高い黒い魔石を握っていた。
形もしっかり球体で整っているため、どこか普通の魔石とは違う。
「これなんだ?」
「にいちゃがずっと持ってたよ?」
「えっ、そうなのか?」
元から俺が持っていた物らしい。何かわからないものを鑑定することにした。
《転生者のコア》
レア度 不明
説明 転生者○○の意思が込められた不思議なコア。魔石とは異なる存在で使用方法は不明。
以前ゴーレムで手に入れたコアと見た目は似ているがあれは魔石だった。だが今手に持っている物は魔石ではないらしい。俺は謎のコアをアイテムボックスに入れた。
「じゃあ、王都に帰ろうか」
「うん!」
俺はロンとニアの手を繋ぎ王都に帰ることにした。
♢
「魔物がたくさん死んでるね」
王都へ帰るまでの道中は魔物の死骸で溢れていた。どの魔物も魔石はスライムに吸収されているのか、魔石だけは存在しない。
「魔石があったらお金持ちになったのにね」
「これだけの魔物がいたら一生働かなくて済んだのにな」
現実派のニアは魔物に魔石が入っていないことを知ると落ち込んでいた。
「にいちゃ、そろそろ王都が見えて――」
王都が見え指差していると空から知った人物が飛んでいた。
「おーい、お前らどこ行ってたんだよ!」
「お兄さんー!」
飛んできたのは獣化したハリスとホークスだ。
「俺も飛んでみたいな」
翼を羽ばたかせてふわりと降りてきた2人に俺は憧れを抱くのだった。
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