地雷でも踏めば、僕は君に告白できる自信がある!
僕には、好きな女の子がいるのだが、、、。
好きだからなのか? 緊張して彼女に近づけない。
まともに話も出来ないから、彼女は僕の名前も知らないかもしれない。
もう、1年以上彼女とは同じ職場だが、二人で話した事が一度もない!
何か用事がある時は、遠回しに別の女性社員に聞いたりする。
こんなにも、僕はダメダメな人間なのかと?
心の葛藤は、止まらない!
いつも、勇気を出して何度も何度も彼女に話かけようと思うのだが...。
体が言うことを聞いてくれない。
口の中がカラカラに乾き、体が小刻みに揺れ、言葉が何も浮かばない。
完全に、僕は“弱虫だ!”
・・・きっと、ちょっとしたキッカケで僕は彼女に話しかけられる
はずだと思ってるのが、なかなか? そんなキッカケはない!
“地雷でも踏めば、僕は君に告白できる自信がある”のだが。
そんな事が起きる訳でもなく、僕は未だに彼女に話しかけられない。
そんな時、職場の友達が僕にチャンスをくれる。
彼女と二人きりになる機会をくれたのだ!
僕は心臓がバクバクで、緊張のあまり固まってしまう。
そんな彼女が、僕を見兼ねて話しかけてくれた。
『・・・あのう、初めてですよね? 二人でこうして話すの。』
『・・・あぁ、は、はい、』
『岸田さん、大丈夫ですか? 体調でも悪いんですか? 顔色悪いですよ。』
『えぇ!? い、いや? それより、僕の名前、覚えてくれてたんですね。』
『当たり前ですよ、1年も同じ職場で働いてるんですよ、知ってるに決まっ
てるじゃないですか。』
『・・・そ、そうですよね、ス、スミマセン、』
『因みに、“私の名前は知ってますか?”』
『勿論! “橋本七世、22歳、生年月日は7月2日、血液型はO型、”』
『えぇ!? そこまで私の事、知ってくれてるんですね、ビックリしました。』
『ス、スミマセン、気持ち悪いですよね。』
『いえ、凄く嬉しいですよ』
『・・・あぁ、よかった、』
『また、こうやって二人で話とかしてくれませんか、岸田さん?』
『えぇ!?』
『岸田さん、凄く! 誠実そうだから、いいなと思って。』
『・・・あ、ありがとう。』
『じゃあーまた! 私、仕事に戻りますね。』
『・・・あ、うん、』
その日は、凄く僕は浮かれていた。
夢心地というか? 地に足が着いていないみたいにふわふわしていた。
好きな女性と話す事がこんなにも嬉しい事だとは思いもしなかった。
僕は今! 幸せの絶頂にいる!
*
・・・数日後。
僕は、僕と仲が良い職場の友達が彼女に告白しているところを
偶然見てしまった。
そう、彼も彼女がずっと好きだったのだ。
それなのに、僕は彼にずっと彼女の相談をして彼は黙って聞いてくれていた。
僕は、彼を責める事はしなかった。
ただ、彼に彼女に告白していたところを見たとだけ話した。
『・・・そっか、見てたのか。』
『ううん。』
『でもさーフラれたわ! “他に好きな男がいるんだって!”』
『・・・そ、そうなんだ、』
『お前の事じゃないのか!』
『えぇ!?』
『何となくそう思ったんだ。』
『・・・ううん、』
彼は彼女に告白して、フラれたと泣きそな顔で僕に話してくれた。
ずっと我慢していた事はよく分かった。
僕にも気を遣っていたのか? 彼女にスキだとも言えなかったのだろう。
僕は彼に申し訳ない気持ちと彼が彼女にフラれてホッとした両方の気持ち
を感じていた。
彼とはこれからも、ずっと友達でいたい!
でも? 彼女を他の男に取られるのは嫌だ!
例え、仲が良い彼でもそう。
・・・ただ、こんな事があった事を知っても。
僕は彼女に告白できないでいた。
いつになったら? 僕は彼女に告白できるのだろうか。
・・・本当に、地雷でも踏まないと彼女に告白できないなんて
事になりかねない!
その時は、死を覚悟して彼女に僕は告白しよう。
最後までお読みいただきありがとうございます。