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名探偵の流儀

【十戒その二】探偵方法に超自然能力を用いてはならない。


超自然能力?聞いたことのない単語です。原文をチェックしましょう。

All supernatural or preternatural agencies ですか。やはり良く分からない。


もちろん言わんとしていることは分かります。榎木津礼二郎のように過去の行為を見通す魔眼で犯人を見つけるのはダメだよってことですよね。しかし、超自然能力ですか・・・。ホームズの頭脳は人間の限界点にギリギリ収まっているものの、身体能力は人間を超えていると思います。これが超自然能力かどうかはノックスの匙加減ひとつですね。




【十戒その三】犯行現場に秘密の抜け穴や扉を作る場合、二つ以上作ってはならない。


密室という触れ込みなのに隠し扉があったら、確かにアンフェアですね。けれども、一個までは許可するというのはどういうことなのでしょうか?フェアな推理を求めるならゼロでないと成立しないでしょう。そこの説明はノックスに聞いておきたいものです。


秘密の抜け穴を見つければ、一般的な探偵たちは「アリバイ崩し」をするでしょう。それは間違ってはいないです。「犯人当てゲーム」に必要なピースの一つですから。


しかしホームズは違います。丹念にその穴を調べるでしょう。時間をかけ、虫眼鏡を使って、何でもないような石ころまで丁寧に観察します。ピタリと動作を止めたホームズは満足した顔でこう言うでしょう。

「この穴は3人がかりで掘ったみたいだ。そのうち一人は右ヒザに怪我をしている。それにしても、ずいぶんと急いで作業をしたようだね。うん・・・となると行動を起こすのは今日の夜になるわけだ。ワトスン君、拳銃を用意したまえ。大捕物だ」


ホームズに対して「秘密」を見つけられてしまうことは、そのまま計画失敗を意味します。2つも、3つも「秘密の抜け道」を作ることは自殺行為でしかありません。




【十戒その四】常識外の未知の薬物や、難解な科学技術を事件に適用してはならない。


『ひぐらしのなく頃に』、その解決編で未知のウイルスが死因だったことが判明した際に、プレイヤーは大いに荒れました。やはり私たちはフェアプレーを望んでいるようです。しかし、現実の世界はフィクションに負けないほど数奇です。「ポロニウム210」により元KGBの人間が暗殺されるなんて誰も考えていなかったでしょう。


ホームズには自分の知識が最先端をいっているという自惚れはありません。そして事件にあたれば「自分の知らない技術による犯行」とすぐに認識するでしょう。彼は自分の仕事が「毒当てクイズ」でないことだって、当然分かっています。別方向から犯人を引っ張り出して、勝利した後に新技術やら未知の毒やらを吐かせるのがホームズ流なのです。




【十戒その五】中国人を登場させてはならない。


これは有名ですね。東洋人は怪しげな魔術を使えたと思われていたとかなんとか。

当時の風評は分からないですが、現代じゃ人種差別になるので欠番扱いされていたりしています。


ホームズシリーズに中国人は出ていないので、ここはスルー。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >未知のウイルスが死因だった これは、「現実」にあり得ること。 「その時点では」まだ発見されていなかった「病原性生物」により死者が出た例は、例えば、今の新型コロナウイルスだって中国で…
[良い点] なるほど、読者に対してフェアであれってことなんですね。
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