ド素人の私が処女作でブクマ100を超えて30万PV取って感じたことなどを振り返った雑記
まず最初に、私は作文が非常に下手である。
国語の成績はいつも低かった。
小説を読むのが嫌いで、読書感想文が大嫌いであった。
句読点を打つタイミングがまるで理解できない。
読書量・物語に対する推察・文章力・語彙力、その全てに於いて、ほぼ全ての作者の方々より私は劣っていたと思っている。
唯一まともなのは、キーボードを見ないでタイピングが苦なく出来る、ブラインドタッチが出来る事しかない。
そんな自他共に認める国語能力の低い私が、処女作にも関わらず、多少なりとも誇れる結果を出せたのを、なるべく客観的に考えて伝えようとしてみる文章です。
私が『小説家になろう』サイトの事を知ったのは、2019年の6月のことである。
そのキッカケは、とあるアニメだった。
どの作品かは明記しないが、私個人としてはとてもつまらないと感じた。
(これでいいなら、自分でも書けるかもしれない)
そう感じ、私は小説を読むのが趣味だと言う10年来の友人に連絡を取ってみた。
聞いてみると10年以上前から、なろうで小説を雑多に読んでいて驚いた。
仮に鈴木さんと呼ぶことにする。
私は、ある程度までのハイファンタジーの物語構想を話し、感想を聞いた。
「へー、まぁいいんじゃないの?」
程度の感想しか貰えなかったように記憶している。
だが、鈴木さんは私の事を馬鹿にする訳でもなく、かと言って書いたら読ませて欲しいという意欲を示す訳でもなかった。
それでも、受け入れてくれる人がいたと言うだけで、私は嬉しかった。
鈴木さんと友人関係であったことが、その後も大きな財産となった。
2019年7月に入り、私は冒頭部分を書き始めた。
しかしながら、今まで自分の空想を文字として落とし込んだ経験がない為か、開始から1時間もせず酷い頭痛に苛まされた。
今まで味わったことのない、長く続く奇妙な鈍痛だった。
しかし、それでもせっかく考えたのだから、と続きを書く。
再度、激しい頭痛が襲う。
自分の空想をどう表現したらいいのか、しばらく処理できなかった。
しかし、書き始めたのだから最後まで書こうという、意欲だけはあった。
書いている当初は、ただ自分の空想が形になっただけで、嬉しかったのだ。
毎日毎日、とにかく書いた。
そして、せめて誤字脱字は減らそうと、読み直した。
処女作については、トータルで20回以上は読み直しているだろう。
それでも未だに誤字脱字が見当たるだけに、小説の難しさを感じる。
多少なりともストックが出来た所で、初めて投稿しようと決意した。
その時の事は、とてもよく覚えている。
私程度の稚拙な作文を、果たして投稿して良いものか、と小一時間悩んだ。
結局、鈴木さんを自宅に招き、一通り読んで貰って感想を頂いてからにしよう、と思い直して頼み込んだ。
しかし、返ってきた言葉はとても無残なものだった。
「んー、なんか読みにくいな。文章が堅い」
当時の私としては、砕けた文章を心がけていたはずだが、それでも読む人には、まだまだ伝わらない程度だったのだ。
タイトルにしても、たった5文字で、どういう物語かパッと見てわからないモノだったし、一週間に10話ずつ投稿するというスタイルだった。
実際、PVとしてもそれは現れていた。
月末までに43話、約10万文字書いた時のPVは合計で374。
ブックマークも一桁だったのを記憶している。
今思えば完全な爆死である。
しかしながら、私は諦めきれなかった。
色々と読まれる手法をネットで検索し『タイトルで物語をある程度推測できるようにしよう』というような記事を読み、タイトル変更を思い立った。
読み続けてくれている人などいなかったであろうが、当時の私にとって苦渋の決断だった。
急にタイトルを変えても良いのだろうかと。
そこで鈴木さんに相談すると、そういう作者や作品はよくあるから読者は気にしないよ、という快い返事が返ってきたのだ。
そこで何度もタイトルを考え直し、アニメもヒットしていたリゼロをパクりつつ、私が本文で表現したい事は何なのか、というのを合わせて考えて以下のタイトルを付けた。
『最悪から始まる異世界人間関係』
私自身、リアルの人間関係がうまくいかない。
なぜか大体、最悪の場面からスタートすることが多いのだ。
それが意識せずに物語として作られていたことに気づき、こうなった。
タイトルを変更した結果は、すぐに反映された。
8月のPVが12,957もついたのだ。
先月比、実に34倍である。
内容はほとんど変わっていないにもかかわらずだ。
なろうはタイトルが一番重要だ、というネットの記事は、まさに正しかった。
9月のPVは39,593。
10月のPVは52,889で、この頃にブックマーク100に到達した。
この時の私は、毎日、毎月伸びるPVやブックマークに浮かれていた。
特に傲慢になった記憶はないが、11月のPVは37,721と落ち込んだので、甘い期待が打ちのめされたのを覚えている。
少し話は戻るが、10月頃から、いわゆる字下げなどの常識が出来ていない事に気づいて全文訂正したり、何度目かの読み直した際に気づいた、パッとわかりにくい表現を直したりしていた。
にも関わらず、ほぼ毎週10話、約2万文字相当を投稿していたのは、我ながら狂っていたとしか言いようがない。
書こうと思って書いているのではなく、書きながら物語を考えるという書き方や、時折頭の中でキャラクターが喋ることも幸いしていたのかもしれない。
とにかく、ほとんど考えずにキーボードと画面に向かって、ひたすら書いていた。
しかし、初めて小説を書いた自分に対する不信感が、ふとした時に襲ってきた。
自分は本当に、物語を終わらせる事が出来るのかと。
何も考えずに書いていては、このままいくと延々と終わらないのではないか、と何度も悩んだ。
鈴木さんは、なろうでは更新が急に止まるのは良くあるし、何なら1年以上経過してから再開する作者もいるから、そこまで気にしないでいいよ。
と言ってくれたが、私には自信が1ミリもなかった。
なにせ、1度も小説を書いたことがなく、1度も物語を終わらせたことが無いのだ。
急遽、物語を加速させようと思い立って、更新する文字数も少なくなりつつ、ほぼ休まず書き終えた。
続きを投稿する前には、いつも鈴木さんに2時間前後に及ぶ電話をし、展開が不自然ではないか、と相談をし続けた半年間だった。
鈴木さんがいなければ確実に途中で投げ出していたであろう、と思う。
一番の功労者は、間違いなく鈴木さんだ。
もちろん、投稿途中でついた感想のおかげで、続けようと思った事は何度もある。
長い感想ではなくとも、読んでくれている人がいるんだ、という実感を強く感じ、書き続ける勇気をくれた。
約1年経過するにあたり振り返ってみたものの、31万PVあるにも関わらず、ブックマークは最高190件にいった事もない。
今読み直すと読みにくい拙い文章であるし、仕方がないと感じる部分は多い。
それでも、不器用ながらも展開を読者に予想させないよう、意外性を持たせようと努力したりと思い出深い。
ブックマークや評価をくださった読者の方々は、恐らく私自信ですら理解しにくい文章を、ほどよく読み飛ばしてくれつつも、読んでくれている懐の深い精神や想像力をお持ちなのだろう。
私は未だに小説をほとんど読まず、なろう作品もほとんど読まない為、そういった考え方や読み方は遠く及ばない。
少し話は変わるが、私の他のエッセイもどきで、読者を馬鹿にしたかのような作品がある。
そちらはなぜか、とても高評価を頂き、その他ジャンルの四半期まで1位、年間ランキングでも2位につけている有様である。
まるで読まれてる事を想定していない書き殴った文章であり、読者の方々は私の想定を超えた所を読んでいるのだな、と再度痛感した。
私は恐らく『小説家になろう』で、今後どのジャンルでも1位になる事はないだろう。
ウケを狙って書いているつもりである、他の短編についてもPVがサッパリつかないのが良い証拠だ。
多少なりとも、そのエッセイもどきから来てくれているであろう、作者読みをしてくれている人たちがいても、私の力量ではその程度なのだ。
かと言って、完全に自暴自棄になっていたり、諦めているという訳ではない。
ランキングを気にしすぎず、読者を気にしすぎず、今の自分に出来る想いの丈を文章に乗せてみよう、と思えている。
誰か1人でも、面白かったと言ってくれれば、幸いである。
私にとって、特別な思い入れがある処女作『最悪から始まる異世界人間関係』は、多くの事を学ばせてくれた。
自分でも想像していなかった自分の様々な内面や、75万文字を書き終えたという達成感、恐ろしいまでの完結ブースト。
途中で投げ出していたら、これらは全て得られなかった。
ひとえに、読者の方々のおかげです。
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
そして、これを読んでくださった作者の方々に伝えたい。
冒頭に紹介したような愚図の私にも出来たのだから、ブックマーク100件は超えられるはずです。
恥ずかしがらず誰かに相談できれば特に。
物語を中途半端に放置したりせず、ぜひ最後まで書ききって欲しいと願います。
例え、一時的に執筆時間が取れなくなったり、ブックマークや感想がつかなかったとしても、密かに楽しみにしている読者は、きっといます。
例え投稿してすぐ反応がなくとも、数日後、数週間後、数ヶ月後に、つくかもしれません。
アナタの物語を、登場人物を、中途半端に虚空へ投げ捨てないで欲しい。
読んで参考になるモノがあれば幸いです。