第五章 消え残りを求めて
朝の風の心地よさで目覚めると、隣に寝ていた彼女の姿は無い。ほんのりと女の子特有のいい香りが、布団から香っていた。
「……いかん、俺は何をしようと」
あほらしくなったので一階に降りてみたが、誰もいない。仕方なく外に出てみた。
外に出て隣を見てみると近くに公園が在ることに気づいた。近づいてみると鼻歌が聞こえてきた。
「朝早くから何やってるんだ真琴は?」
鼻歌が聞こえてきた方向に歩いて行くと彼女を見つけた。どうやら水浴びをしているようだ。
彼女は自分に気付いたのか、こちらを振り向いた。
「あ、怜琉〜おはよ」
彼女は笑いながら言った。朝日に照らされた彼女は、何故か綺麗に見えた。そして、こちらに近づいてきた。
ちょっと余談だが、彼女には恥ずかしさはないのだろうか? 服を着ているとはいえ、水に濡れて透けてしまっているからだ。
「ああ、おはよ。朝起きるの早いんだな、水浴びか?」
「うん、そうだよ」
「話したいことがあるから、着替えてきな」
「は〜い」
彼女は家の中に戻り、すぐに出てきた。服装が水色のワンピースだろうか? 彼女に似合っていた。
彼女を呼んで車の中で、具体的な話をすることにした。
「簡単に言うとだな、俺達以外にもまだ人がいるかもしれない」
「……私達みたいな人?」
「消え残りって言った方がいいかもしれないが、それを探した方がいい。ここにいても情報は手に入らんからな」
「そうだね、他にも人が居るといいね」
「じゃあ、まずは朝飯だな」
グーとお腹の音がハモる。昨日は夢中になりすぎて、飯をあんまり食べてないからだ。
「お腹ペコペコだよ。何か食べたいな」
「家に何かあるか?」
「分かんない、冷蔵庫滅多に開けないし」
「自分の部屋の冷蔵庫で間に合う訳か」
「そういうこと」
彼女は照れながら喋った。冷蔵庫の中身が不明だと何も作れないので、スーパーに行き食料を調達することにした。
「賞味期限をよく見ろよ、後は生物は多分駄目だから除外な」
この前と同じで電気が通っており、食料は傷んでない。ただ、賞味期限が切れてしまってはどうしようもないが。
クーラーボックスに詰めこみ用品店に向かい、フライパンなどの調理器具を調達した。
「外で作るのも久しぶりだな」
「勝手に持って来ちゃっていいの怜琉?」
「誰もいないからいいんだよ真琴。ちゃんとやっておいたからさ」
罪悪感はあるが、今は非常事態なので仕方なく。後々面倒なことは避けたいので、証拠は消した。
焼きそばや炒飯などを作り真琴と一緒に食べた。
「美味しい」
「そ、そうか? 色々あって、一人で作ることもあったからね。自然に上達したのかな」
食事後、スーパーを後にした。
「さてと、次は工具かな?」
「工具?」
「うん、万が一に備えてね」
途中で店に寄り、工具セットを調達した。
「人も居なかったし、もうここにいる必要はなくなったわけだ」
「そうだね……それでどこにいくの?」
「とりあえず次の街に行ってみるか」
「分かった」




