第四章 彼女の運
「もうすぐ暗くなるけど、まだ寝るには早いな」
「私の家に行けば遊ぶ物があるよ」
「おっ本当か?」
「うん、一緒に行こうよ!」
暇で仕方なかったので付き合うことにした。
家の中にお邪魔すると中々の広さがある。自分の家よりかなりの大きさだ。
「へえ〜綺麗だな」
「まだ、ここに引っ越してばかりなんだ〜」
「そうなのか……やたら綺麗な訳だ」
彼女に案内されて二階の部屋に連れて行かれた。
「ここが私の部屋だよ」
「う〜ん中々の物だ」
「そうなの?」
「俺の部屋と比べてだけどな」
苦笑いするしかなかった。彼女の部屋には色々とあった。
テレビ(液晶)、小型冷蔵庫(中身は見せてくれなかった)、クーラー、パソコン、机、布団、本棚など色々な物が置いてある。
「何して遊ぶんだ?」
「えーと、最初はトランプ!」
「トランプか、久々にやるな。容赦はしないぞ?」
「挑むとこよ!」
―――――――――――
彼女はやたらと強かった。ババ抜きではピンポイントでババを回避、七並べでもピンポイントで止めてくる。大富豪ではじっくりと仕留められ、ページワンでも軽く仕留められた。
「……何故だ! 何故勝てない!」
「怜琉弱い〜」
無邪気に笑いながらトランプを仕切っている。
全戦全敗、完璧な敗北だった。自分が強い訳でも弱い訳でもなかったが、彼女の強運にはただただ驚かされた。
「くそ……負けっぱなしにはいかないからな、おっ麻雀あるやん」
「興味はあったから買って貰ったの」
「ルールは分かってるのか?」
「もちろんだよ〜パソコンのゲームでもやるくらいだから」
「よし! 麻雀で勝負だ!」
―――――――――――
結果は見事に惨敗でした。箱割れ連発、オーラスまで持たずの試合が大半でした。
最初にいきなり大三元で、次に上がられ終了。次では粘ったが僅差で負け。後は見たこともない役満で上がられ、一方的な試合でした。
「おかしい……何故また負ける!」
「私は仕込んでないのにね怜琉」
やけくそでゲーム機で勝負を挑んだが、やっぱり惨敗……とはいかないものの、負けが勝ちを越えました。
格闘ゲームでは、コンボのラッシュ。まだ完璧では無いので、隙をみて攻撃して何とか半々の勝敗に。
ボードゲームでは勝ち越せたが、次のシューティングでは惨敗。弾幕の中を軽々避けているのには唖然とするしか無かった。
「あ〜疲れた」
時計を見てみると午後十時を過ぎた所だ。結構夢中になっていたのか。
明日は街を出るために早く寝ることにした。
「もう寝るの怜琉?」
「明日は街を出ようと思ってるからね」
一人で車に戻ろうとした時、彼女が自分の腕を掴んだ。
「ん、どうしたの?」
「私、一人で寝るの?」
「うーん……(一人にするわけにはいかないな)そうだな、ごめん。一緒に寝ようか?」
「うん」
自分も彼女も照れくさそうに言いながら、二人で布団の中に入った。
やっぱり布団だな。車だと固くて寝づらい。
それにしても、二人だと落ち着くのは何故だろうか。妙に気持ちが落ちつくのは。
やっぱり一人より二人、いやもっと消え残りを探さなければと思いつつ、睡魔に身を任せた。




