第三章 消え残りの彼女
昼飯を食べてまた街中を捜索してみたが、一向に人は見つからない。
辺りも茜色に染まり、諦めかけていた時だった。ふと外を見てみると、人影が動いたように見えた。見間違いかと一瞬思ったが、確かに動いている。
すぐに車を止めて車から出た。
「やっぱり消え残りがいたんだな」
そう思うと私は涙が出そうになった。
「おーい! 誰かいるのかー?」
と大声で叫んでみた。
「ここにいるよ……」
弱弱しい声だったが、確かに人がいる。すぐさま声のする方向へ走り出した。
そこには小さな女の子が立っていた。その子は小学生くらいの幼い女の子だった。
私がしばらく呆然していると彼女は途切れ途切れに喋った。
「何で……皆、消えちゃったの?」
やはり、最初に聞くことはこれだろうと思った。
「分からない・・・」
と答えるしかなかった。まだ分からないからだ。
しかし、何故彼女だけがここにいるんだろうか?
悩んでいたら彼女が言った。
「貴方は何でここにいるの?」
それもそうだ。彼女も今まで一人でいたからだ。
とりあえず、分かるかぎりの状況を話してみた。
「分からないけどただ言えることは、貴方と一緒の状況だとは言える」
「朝起きたら皆居なくなっったってこと?」
「そのとおりだ。呼びやすいように名前教えてくれないかな? 俺の名前は早崎怜琉、怜琉でいいよ」
彼女はコクンと頷いた。
「私は……佐藤真琴、真琴でいいです」
「了解、真琴さん」
ふっと疑問に思った。彼女は今まで何をしていたのか?
「今までどうしてたんだい?」
「えとね、朝起きたらお父さんとお母さんが消えちゃってて、外に出て探していたら疲れちゃって寝ちゃってた」
「なるほど」
彼女は照れくさそうに喋った。車の音で目が覚めて、その方向に歩いて行ったらってことらしい。
全くの偶然の出会いだ。彼女が音に気づかなければ会えなかっただろうし、自分が人影に気づかなけば会えなかった。
まさか、こんな所で人に会えるとは思わなかった。ましては女の子と喋れるとは。私も照れているのか時々声を詰まらせながら喋った。(いやらしい意味では無い。元々、女の子自体と喋る機会が滅多にないからだ)
しかし、一つ疑問に思った。何故この子がいるのだろうかと。それに自分も何故ここにいるのだろうと。
これは運命の悪戯かそれとも何かの陰謀か。




