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第二章 夢の中

夢を見てもすぐに忘れてしまう。

良い夢でも悪い夢でも、すぐに忘れてしまう。

それは、良いことなのか悪いことなのか……?

――夢を見ていた。幼い頃の夢だ。

家族に囲まれて幸せそうな自分を見る夢。一日会っていないだけなのに何故か懐かしく感じた。

『怜琉、今日は友達の所に遊びに行くんじゃなかったかしら?』

母の声が聞こえる。

『うん! あの子と遊ぶ約束したんだ』

満面の笑みで返事をする自分、誰かと遊ぶ約束をしているようだ。

あの子と聞いてもそれが誰だったのか思い出せない。『あいつとは毎日遊んでいるからな。仲良しなのは良いことだ。』

『うん! ……ちゃんとは仲良しだもん』

父の問い掛けに答える。名前が上手く聞きとれなかった。

視界が真っ暗になっていく。夢の終わりだ。


―――――――――――


「んっ……」


静かな朝を迎えた。


「痛っ……慣れない所で寝るもんじゃないな」


身体中が痛み悲鳴を上げる。筋肉痛よりはましな痛みだけど。


「今日は人見つかるといいな、でも、見つからなかったら」


もし、誰もいなかったら? 水はどうする? 電気は? ガソリンは? 食料は?

全て人がいなければ出来ないことだ。自分一人で何が出来るのだろうか?

一人で生きていたとしても食料、水、電気、ガソリン、その他等は確実に減ってるということは確かだ。

しかし自分には一切出来ないことだ。なるべく消費しないよう努力しよう。


「とりあえず人を探さなけないと、あと情報収集もしないといけないな」


まだ、人がいると信じていた。いや、必ずいると信じたい。


「突然人が消えたとしても、消え残りは必ずいるはずだ」


そして、静かすぎる街を捜索する。いつもは騒音ばかりで気づかなかったが、人がいない街はなんていいんだろうか。

鳥の鳴き声、木の葉が擦れあう音、風の音、全てが新鮮に思えた。


「人が全くいない風景もまたいいかもな」


ただ、至るとこに車が事故になっていて、めちゃくちゃになっている。しかし、ガソリンが全く漏れていないのは不幸中の幸いか。

街中を車で走りながら家々を見ていたが、一切人の気配は無かった。ただ、寂しくペットが鳴いていた。

人間の姿は一切見当たらないが、動物はいつもと変わらない生活を行なっている。だが、ペットはどうなるのか? 鎖で繋がっていたり、家の中に閉じ込められたり、その内に餓死するだろう。


「……人間がいないとペットは地獄だな」


太陽が真上まで行き少し暑くなってきた。

少し遅めの昼食にするために、スーパーから食料を調達した。電気はまだ通っているので腐りはしないが、大半は賞味期限が切れていた。

賞味期限が今日までの弁当を見つけたので、車に積んであったクーラーボックスの中に氷と一緒に入れて、持ち運ぶことにした。賞味期限が一日くらい切れても大半は食べれるからだ。

弁当や適当な食べ物、飲み物を詰めこみ車の中に戻り食事にすることにした。

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