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異世界転移!? 禁忌《チート》☆兵器  作者: 虹村 萌前
第一章 南方都市ソプロシュヌ
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第六話 何だっけ……すごく大切なこと……

 ついてきてくれ、と、ギルドの裏まで連れてこられる。


「君、さっき巨大な火球を出してた人……で、合ってる?」

「え? あ、はい。でもなぜそれを? それと、あなたは?」

「私はソレイユ。魔法剣士だ。あの時、見ていたんだよ。丁度『望遠(ズーム)』を使えたからね、遠くからだが顔もわかった。」


 望遠(ズーム)……魔法だろうか。だとしたら光属性かな?


「それで、折り入って頼みがあるのだが。」

「頼み?……」


 もしかしてクエスト? さっきの受付さんとの会話を聞いて? だとしたら、ギルドを通した方が……いや、わざわざ人気(ひとけ)の少ない場所まで来たんだ。あまり人に知られたくない内容なのだろう。

 ……一体どんなクエストなのだろうか?


「一発殴られてくれ。」


 わぁい、かんたん。痛いだけだー。

 じゃなくて。「殴らせろ」ってなんだよ、「殴らせろ」って。まあ、「死ね」よりはマシだが。この世界の女性は皆、初対面の人に厳しいのだろうか。


「えっと、理由を聞かせて欲しいのですが……」

「例の火球のせいでツレが危ない目にあった。」


 あ、俺悪いやん。


「それは申し訳ありません、悪気があったわけではないのですが。あの、どのくらいの怪我なのでしょうか? 一度会って謝らせてくれませんか?」

「見くびるな。無傷だ。私が守った。謝罪は結構。アイツを傷つけようとする奴をアイツに近づけたくない。」


 なんだよ、無傷かよ。


「そんじゃあ、歯ぁ喰いしばれよぉ……」

「まって! まだ心の準備が……」


 こいつ、本気だ。見るからに明らかに近接攻撃型の冒険者だろうし、装備を見るとそれなりの上級者だろう。

 ……あ、これは死ぬかもな。そう思ったその時だった。

 きらきらした青色の小さな粒が、視界に舞った。それに気づくと同時、胴には何者かの細い腕が回っていた。


「え……」


 目の前にいるのは、水色の髪を長く伸ばした、十とそこそこに見える女の子。その背中からは羽が生え、先ほど見たのと同じ粒子を振り撒いている。


「ミモザ……!?」

「えっと……この子は?」


 ミモザ、という名前なのか。どうやら剣士さんのお知り合いらしい。


「話していた私のツレだ。どうしてこんなところに……」

「え? あ、そうでしたか。さっきはすいませんでした。」


 そう言うと、ミモザと呼ばれた少女はキョトンと首をかしげる。


「あー、多分ミモザは気にしてない。」


 ……それがわかってるなら最初からこんな事するなよ。


「それより、お前を心配しているようだ。」

「えっと、どういうことですか? 心配って……」

「ミモザは人の感情を感じ取れる。その代わりなのか、声を出すことが出来ないが。」

「そうなんですか。でも別に、そんなに心配されることなんて……あ、さっき命の危機を感じて恐怖してたからかな。」


 ミモザは首を横に振る。


「ああ、ミモザが言いたいのはそうじゃない。そんなんじゃあミモザはここまで心配しない。こいつが感じたのはもっと、辛くて……痛くて……悲しくて……」

「いや、すみませんが勘違いではないですかね。」

「ミモザの感覚は正しい。間違うことなんてない。」

「いやだって、今の私にそんな感情は……」

「お前が自分を把握しきれているとは限らない。お前の知らないお前の感情なのかも知れない。」


 俺の知らない……俺?


「しかしそれにしては不思議なほど感情が強いようだ……お前、本当に心当たりはないのか?」

「心当たりなんて、ない……と、思います。」


 でもなんだろう、この胸の引っかかりは。


「何か、忘れている気がするとか。」

「忘れていることなんて……」


 ……ない……のか?

 いや……あるきがする。何かを……忘れて……

 何だっけ……凄く大切なこと……

 冷たい何かが頬をつたう。


「大丈夫か? 何か、思い出せそうなのか? 」


 なんだ……これ。涙?……





 …………ロズ?

毎日投稿を目指すと言った翌日に投稿サボった無能です、どうも。

以前、特に何も考えてないと言った気がしますが、ちょっとくらいは構想や裏設定があったりします。回収してないキーワードはそこら辺が理由。

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