人生を変えることになった、一枚の絵
「それ面白そう! やろうやろう」
さっそく僕と壁サー子は自分が好きな要素を箇条書きにして相手に送りました。
■■■僕が送った希望■■■
・褐色
・銀髪
・三白眼
・金瞳
・八重歯(牙)
・悪そう
これらの要素をもった人物を、壁サー子が描いてくれた絵が、こちらです。
僕の代表作「そしてふたりでワルツを」を読んでいただいた方はお分かりかと思います。そう、マリクです。
ワルツで僕がはじめに出会った子はマリクでした。
包み隠さずに申しますと、僕は、壁サー子の普段の絵柄は好みではありませんでした。
というと「嫌い」みたいに聞こえてしまって語弊があるかもしれませんが、感覚的には「普通」という感じです。
僕が元来好きなのは子供向け作品に多い可愛い絵です。一方、壁サー子が普段描くのは8頭身のBLっぽい絵です。(壁サー子は成人向けのBL同人誌を描く人なので)
で、このイラストを描いてもらったとき、僕は。
「……好き極まる」
とんでもなく良いと思いました。
とんでもない衝撃です。普段、好んで見る絵柄じゃないのにもかかわらず。この絵は、好きすぎて全身から汗が吹き出るほどに動悸、息切れ、目眩の症状。
視界に入った瞬間に一目惚れです。
同時に、壁サー子からもメモが送られてきていました。
・片目隠れたアシメ髪型
・つり目
あと何個か、忘れてしまったのですが、いろいろ描いてありました。
そういう外見の人を自分なりに絵にして、壁サー子に送り返したのがこちらです。ドン。
もらった絵に対して差し出す絵の画力があまりにも釣り合ってないのですが、この時は「イケてる」と思ってました。なにせ僕は「いける」気の常習犯なので。
でも、こんな顔だけの雑な絵でも壁サー子はとても喜んでくれました。
そうして、今度はもらった絵を元に、お互いに自分で描いてみよう。という遊びに派生しました。
僕と壁サー子は、それぞれ自分で、もらった人物の絵を描いてみることに。
※言わないでも分かるとは思いますが、上が僕。下が壁サー子の描いたものです。
そうして、描き上がったものをお互いに見せあってから、僕達は同時に叫びました。
「自分で描いても素敵!」
この段階まで興奮していると、画力・技量の有無や、絵柄の好みさなどもうどうでも良くなります。とにかく好き。好きの感情のみが僕達を突き動かします。
「こ、この遊びはオモシロすぎる……」
僕達はすぐさま仲良し組のもう一人Sさんを招集し、この遊びの面白さについて力説。
あたりまえのようにSさんも「やりたい!」となり、「もっといっぱい描こう」と三人で興奮して好きな要素をどんどん発表し、どんどん絵を送りあいました。