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僕、趣味をやめる。

 驚愕です。

 ついに、僕は気がついてしまったのです。


 全然、「イケてない」ということに。


 人体を知ったあとなら分かります。

 3D人形を使って描いた絵、体型にもポーズにも違和感ありまくりです。


 あと全体的に雑です。

 線もふにゃふにゃです。

 色塗りが汚すぎます。


 一方、同じくらい「イケてる」と思ってた壁サー子の絵をもう1回見てみます。


 とんでもなく絵が上手い……。

 すごく人体がしっかりしている。線も綺麗。服も自然。人物がきちんと地面に立っている。立体感がある。 


 僕はもう笑いがこみ上げました。

 ここにきてやっと、悟ったのです。なにか、なにかを。衝撃が過ぎると人は語彙を失うんですね。


 そして、壁サー子をものすごく尊敬しました。

 僕が今必死にやったことを、この人はきっとこれまでの人生でやってきたんだなあ。と実感することができたのでした。


 これは希望でした。

 僕のなかにまた湧き上がる「いける」感。「壁サー子にできるんだから僕にもできるはず」というやる気になりました。

 やってやれないことなどない。要は努力次第です。壁サー子だって生まれた瞬間から絵がうまいわけではないはずです。


 そうして、本を読んで理論をいれてからいろんな絵を見てみると、思うことがたくさんあります。


 どうしてここにこの色が入るのか? → 反射光や、空気感の演出なのかもしれない

 このよくわからないゴミは何だ → 空気中のチリを描くことで現実味を出してる、画面の情報量を増やしている


 みたいに、なんとなくでよくわからないまま見ていた絵のひとつひとつに、理由があることが分かってきました。


 これを感覚的にできる人が生まれつきセンスの有る人で、僕にはそれが無いことも理解しました。


 センスというのはファッションに例えるとわかりやすいんじゃないかと思います。

 生まれ持った何かがある人じゃなければ、オシャレをするには、ファッション雑誌などを読んで、今のトレンドを知って、それを真似て服を着る。これがセンスを磨くという行為なんじゃないかと思います。「何が美しいとされているか」を学んで美的感覚を養う。

 普通の人はそうやって勉強して得た知識でその日着る服を選んで、外を歩く。それで、「おしゃれだね~。センスあるね~」と褒められたりする。


 絵も似たようなものなのかもしれません。


 僕には生まれつきの芸術的センスはおそらくないので、とにかく理論と技術を身に着けて絵を描こう、と思いました。

 勉強しよう。と。


 2017年1月。


 僕は趣味の取捨選択をしました。


 20年以上親しんだピアノを処分しました。

 子供のころから好きだったゲームのシリーズからも足を洗いました。

 集めていた漫画も手放しました。

 貯金を7桁注ぎ込んだアプリも引退です。


 ほんの少しの、「本当に必要だと思ったもの」以外の趣味はやめました。


 だって僕にはワルツがあるもの。

 あと、趣味とかじゃないですが、子供を持たないことにも決めました。僕は不器用なので、子育てもして、ワルツもしてって両方は時間的にも体力的にも多分できないと思ったので、ワルツのほうをえらびました。

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そしてふたりでワルツを【小説版】
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